ここまででどれくらい時間かかってる?
汚れ具合にもよるけど、慣れれば15分とかかりません。
最初は要領も分からんし、いろいろ試行錯誤するよね。
妥協の目安も知らないから、いつのまにか凝ってしまうこともしばしば。
ま、本人がおもしろければ、それでもいいんだけどな。
次行ってみよう(いかりや長さん風に)
次は、残りのフレーム全体にとりかかる。
今までは駆動系のメカの部分をきれいにしてきたけど、次はバイクの顔、フレームです。
フレームは、トップチューブやらダウンチューブやらチェーンステーやら、場所によっていろいろ名前ついてるけど、
今はそんなのはどうでもいい。
すべての部分、ディグリーザーを染み込ませたウエス(拭き取り布)で拭いて磨いてやりましょう。
歯ブラシは使わない方がいいかな。きれいな塗装部分に傷がつくかもしれない。
そうなるとツヤもなくなるので、見た目もかっこわるくなるぞ。
フレームの三角部分の内カドは汚れがたまってやすいから、要チェキ。
こんなカドとかね。
ひととおり磨いたかなと思ったら、今度はバイクを「せいっ」とひっくり返してみる。
「せいっ」
ひっくり返すときに、勢い余ってどこかにぶっつけないように注意な。
ひっくり返してみると、まだ磨いてない部分が見えてくるだろ?
フレームの底、下側、
それからフォーク(前後のホイールがはまる二股)の股部分、などなど。
しっかり磨くであります!
と、フレームはこんな感じでいいけど、気をつけなちゃいけない部分がいくつかあるので、ピックアップ。
(1)ブレーキ部分
ブレーキ部分は汚れやすいけど、きれいにツヤ光りする部分でもあるので、
極力歯ブラシは使わず、ディグリーザーをつけたウエスで拭き上げる感じで。
アーチの内側が特に汚れ来てると思うぞ。
指でブレーキのアーチを閉じてみると、隠れてる部分が見えるので、そこもお忘れなく。
それと最大の注意なのが、ブレーキシュー(ホイールに接するゴムの部分)にディグリーザーがつかないように!
アーチを拭く際にほとんど致し方ないことではあるけど、極力意識する。ゴムが劣化するからだ。
最低でも液体が直接どばっとかからないようにね。
金属部分を拭き終わったら、ここにきて初登場のルブリカントをスプレーします。
ちょっとスプレーして、ウエスで薄く伸ばしてください。ディグリーザーと同じく、ブレーキシューには極力つけないように。
このとき、新品のウエスを下ろしてください。ディグリーザーつけたのと混用しないように!
ルブリカントの役割は詳しくは後述するけど、ここでは保護材の意味で使いますよ。
(2)トップチューブ
トップチューブとは、フレーム前三角の上の一辺の部分。ママチャリにはこれがない。
ここは、ボトルからドリンクを飲む際に、こぼれたドリンクがかかりやすい部分。
ねちょっとした、薄い半透明な斑(まだら)の皮膜がくっついていたら、おそらくそれだ。
これは糖分。油汚れではないからディグリーザーでは落ちない。
そこで、ここにきてようやく台所用洗剤の出番!
でも食器を洗うときみたいに大量には使わないし、泡立てないよ。
きれいなウエス(ディグリーザー拭きのものとは別の布)に、ほんのちょっと、洗剤を垂らして、
水は使わずに、洗剤のついている部分でそのまま皮膜の箇所をやさしく拭き取る。
これで取れるはずだ。そのあとウエスの乾いた部分で、フレームに残っている洗剤を拭き取る。
この方法には賛否両論あるけど(直接原液で拭くのはキツイとか)、
水を足してアワアワさせるよりは、このほうが手軽でいいと、私は思うな。
ちなみに、台所用洗剤は、ここでしか使わんよ。
台所用洗剤は、ドリンクの糖分の汚れ取り専用としておいてくださいませ。
(3)ブレーキレバー
ここは、ブレーキ部分と同じように、ツヤ光りする部分なので、
ディグリーザーを薄く染み込ませたウエスで拭くんだ。
ただしブラケット部分のゴム(ハンドルとブレーキレバーの橋の部分;乗ったときに手で持つところ)には、
ディグリーザーがつかないようにね。傷んだり、溶けたりするかも。
ゴムは(この部分、厳密に言うと「ゴム」ではないが)揮発系の液体に非常に弱いのだった。
金属部分には、ブレーキ部分と同じように、
あとで(ディグリーザーが乾いたら)ルブリカントを薄く吹いて、ウエスで軽く拭いておくんだぞ、と。
(4)ボトルケージ
ボトルを固定するための金具。
「ケージ」(かご・箱)であって、「ゲージ」じゃないよ。混同なき様。
このボトルケージ、いいものは真鍮製なんだよな。
なぜ真鍮なのかはよく分からないけど...軽いからかな。
で、使ってるうちに塗料がはげやすく(だいたい銀色っちゃね)、ボトル本体の外側が黒ずんできてしまう。
なんとかならんのかねぇ。
掃除の時は、金属製のならフレームと一緒に拭いてしまえばいいんだけど、
真鍮だとあまり汚れは落ちないので、軽く拭いておしまいにしておく。
もしかしたら、消耗品として扱うものなのかもしれない。
たしかにそこまで値段高いものではないけれどなぁ。
(5)カーボン素材・チタン素材
最近のバイクはフルカーボン製が多くなってきて、
私のバイクのようなアルミ+カーボンのバイクは少なくなってきたんよね。
カーボン素材の地は特徴ある黒い模様なので、カーボンかどうかはすぐに分かります。
塗装してある部分は、一目では分からないけど、そういう部分は塗装の皮膜の保護が強いので、心配ないかな。
で、このカーボン素材に適した磨き方が、もしかしたらあるのかもしれないけど、私は知りません。
そのままアルミといっしょの方法で、同じ布でそのまま拭いてますが、もしかしたら良くないのかもしれません。
ルブリカントやグリスで浸食されないかとか、どれぐらいの強度があるのかとか(締め付け部分などで)、
そのあたりもなにも知りません。
なにか分かったら、追記しておきます。
っていうか、誰か教えて。調べてもよう分からん。
あ、でも、カーボン素材でも塗装してあるところは、そのまま拭いてもいいのではと思える。
チタンに関しても同じように分かりません。
高級なモデルにはパーツにチタンが使われてたりします。
(たとえば私のなら止めビス部分など)
(6)サドル
サドルは素材がさまざまです。
その素材にあった方法で手入れするのがもっともいいと思いますよ。
私のは皮っぽい布が張ってあるけど、もう6年にもなるので、ひび割れてきてるっちゃね。
手入れの方法は、...実は知らないんよね。。。かたくしぼったタオルで拭いていただけです。
皮といっても、かばんや靴やコートなどのワックス塗るのもどうなのかなと思ってるうちに、時が流れていきました。
フィッティングに大きく影響するパーツだし、交換も容易にできるものではあるけれど、
私の中では値段が高く消耗品ではないので、初組みのときからこれ1個でがんばってます。
色もメーカーもフレームと統一してるし、気に入ってるというのがいちばん大きな理由だけどね。
(7)バーテープ部分
ここはもう、汚れたら交換すること前提(私的に)。
きれいにしようといっても、使ってるうちにかならずすり減ったり劣化して切れてしまうものなので、
掃除でもあまり念入りに磨くところでもありません。
落車したら結構高い確率で破れます。
常に手で握っている部分なので汚れは激しく出るところですが、
バーテープは消耗品と思って割り切るのが、ストレスもたまらなくていいと思うよ。
気に入った色や模様だと、愛着涌くけどね。
バーテープの色を変えたら、見た目などのバイクのイメージが変わります。ちょっとこだわってもいいかもしれない。
バーテープもいくつか素材があるけれど、新しいバーテープは、手触りとか気持ちいいよ。
私的には、コルクのがお気に入り。
はい、次はホイールです。
というかもう、次で最後です。
作業自体は大したことないので、気楽に構えててOK。
まず後輪から行こうか。どっちでもいいんだけど。
いちばんキモなのが、ギアの部分。ここ、かなり汚れが目立つよね。
汚い部分からきれいにしていくポリシーを貫き通して、まずここからいくぞ。
あ。その前に。
クイックリリースを前後輪とも抜き取ります。
レバーのついていないほうをのエンドをくるくる回して、ぽろっと取ったら、
レバーのほうのエンドを持ってシャフトをすうっと抜きます。
このときついてる、たけのこ状の小さなバネ。これ重要品なので、なくさないようにね。
シャフトは汚れていますが、グリスを持っていなければ、そのままにしておくこと。
拭き取っちゃ、ダメっすよ。
では、ギアの掃除。
この部分の掃除は、文章で言葉で説明するよりも、写真見てもらったほうがよかろう。
こんな感じで、タオル(ウエス)の縁をギアとギアの間に挟み込んで、左右に平行移動させます。
するとギアがくるくる回って、きれいになっていきます。
このとき両手でしっかりタオルを持って、テンション保っておくこと。
もちろんタオルの縁にはディグリーザー染み込ませておいてください。
9枚あるギア(最近のは10枚)の間、すべてでやります。
これ、なかなか楽しいかもよ。めっちゃ汚れ取れるし。
はい、それが終わったら、ギアの歯と歯の間をきれいにします。
歯を磨くといったら、もちろん歯ブラシの出番(そのままやがな)
歯はななめに並んでるので、そこに、こんなふうに歯ブラシをあてて、こしこし。
美しい歯並びです。虫歯がないかチェック。あらへんあらへん。
大きいギアたちは歯の数が2つずつずれてるので(小さいのは1つずつ)、歯並び悪いのね。
ここはひとつずつ、こしこししよう。
上り坂でお世話になるギアなので、汚れはしっかりとっておこう。軽くなるぞ。
でも例によって、すべての汚れがこれで取れるわけではないです。
まだまだ汚れは残ってるでしょう。
でも、気にしない。
ある程度で妥協すべし。
どうせまた汚れるんやで??
ま、きちんときれいにしようと思ったら、このギアたち(スプロケット)を取り外せば、
1枚ずつ(もしくは2枚・3枚ずつ)ばらして磨けます。
それはもう、素晴らしいほどにピカピカになります。
こんな具合に。
(注:下の画像のスプロケットは、下6枚がアルテグラ、上2枚がデュラエース25。もともと色が違います)
でもスプロケットを取り外すのは、専用の工具がいるんよ。
持ってればコースに応じて(平地か山岳か、とかね)ギア交換なんて技もできるけど、
自転車屋さん行かないと買えないし、何千円かカネがかかってしまう。
まぁ持ってて損はないけどね。簡単バイク掃除には、いらない。
はい、ギアの掃除が終わったら、今度はハブとスポーク。
ハブはホイールの軸です。
ピカピカ光ってるところは、どうするか、もう想像つくよね、
そう、ウエスで拭き取りコース。
ハブはスポークが邪魔でなかなか手が突っ込められないけど、
広く開いてる部分をみつけて、うまく拭いてやってくれ。
あ、ハブの中身(ホイールの中心;シャフトを通す穴の中)はディグリーザー立入禁止空域なので、
拭き取るときは何もつけてないウエスでな。
スポーク(ハブから放射状に伸びている金属棒だぞ)も同じく、ウエスで拭く。
けっこう汚れてるから、1本1本にぎにぎしてふきふきしてやってな。
ホイールを立てた状態で、上下にウエスを動かして拭くんだ。どっかり座り込んでやったほうがいいな。
ホイールの中心から外側へ向けて拭いたほうがやりやすいぞ。
あんまり横方向に引っ張ったりすると、スポークが折れたり、リムが振れたりする原因になるので、中尉であります。
ウエスにタオル使ってると、よくスポークの交差部分に糸が挟まるけど、
ムリに広げて取ったりしないようにな。
次にリム。
リムって、車輪の輪っかの部分だよ。
小学校の運動会なんかで、先生や大人の種目でころがしていく、あれな。
ここもピカピカ光ってるでしょ、だからウエスでふきふき。
俺のリムは青く光ってるんだ。かっこええっしょ。
もう生産中止になってるから、今から買おうと思ってもリムやけどな。あ、ムリやった。
で、リムを磨くときの注意点だけど、
タイヤにディグリーザーがつかないように中尉注意。
タイヤはゴムだからね。(厳密にいえばゴムじゃない...まぁゴムってもいろいろですが)
リム拭いてると、それはちょっっと難しんでないかい、って感じだけど、原液をどばっとかけないように、って話ね。
ウエスで拭くぐらいなら、構わんよ。
それからリムの外側、ブレーキが当たる部分。
ここは相当に傷が入ってるはずだから、手を切らないように気をつけて。
てぶくろしてれば大丈夫やな。
それにここも、ディグリーザーがたっぷりつかないように。ブレーキが当たる部分だから。
ブレーキのゴムが傷むというよりも、ここがつるつるしてるとブレーキが利きませんので、はい。
タイヤに関しては、今回はノータッチ。
しても乾拭きするぐらいにしておいて。タイヤは、汚れ落とそうとすると、めんどくさいから。
ここまで終わったら、ギアに油を塗ります。
ディグリーザーで油を落としてしまったので、新しく塗っておくワケやな。
塗るといってもペタペタ塗るんじゃなくて、ルブリカントを吹きつけます。
ルブリカントは潤滑剤であるのと同時に、部品を保護する役割もあります。
このルブリカントはテフロンが入っていて、吹きつけた瞬間に薄い皮膜を作ってくれます。
金属同士が接触する部分にはもちろん、金属むき出しの部分には、しゅーっとしておくと、よいです。
まぁ、ディグリーザーをシャンプーとすると、ルブリカントはリンスに当たります。
シャンプーのあとリンスしないと、髪がパサパサになっちゃうでしょ?
だから、ある意味、ディグリーザーとルブリカントは、セットで使います。
ギアには、まんべんなく、たっぷり吹きつけていきます。
液がしたたり落ちるほど吹きつけなくてもいいけど、少なすぎも良くないので、そのへんは適当に。
スポークやリムにも、軽く吹いておいて、軽くウエスで拭いて伸ばしておけばいいでしょう。
そのときのウエスは、ルブリカント専用のウエスで。
ディグリーザーつけて磨くウエスと、混用しないようにしましょう。これ大事。
はい、ホイール、きれいになりました。
ぴかぴか。
あ、前輪も同じように、忘れずに磨いておいて。
前輪はギアがないから、後輪より楽っちゃんね。
ホイールがきれいになったら、前後輪ともクイックリリースを差し込みます。
たけのこバネも、忘れずに。バネの方向に注意です(幅が狭い方がホイールの中心に向くように)
そして前後輪ともフレームにがちゃんと装着します。
クイックリリースも、しっかり締めてね。
ねじ回しのようにしたらいかんよ、ちゃんと正しい使い方でな。
後輪はちゃんとチェーンを引っかけられるかがキモです。
ホイールをつけたら、仕上げに入るよ。
チェーンに油を差します。
この油って、さっきギアに使ったルブリカントです。
クランクを回しながら、チェーン全体にまんべんなく吹きつけていきます。
カラカラ回しながら、しゅーーーっっとな。
地面にぽたぽた垂れないように、ウエス敷いておくといいかも。
このウエスの上から、スプレーしてやります。
ここではウエスを手に持っていますが、下に置いておいて、
右手でクランクを回しながら左手でルブリカントをスプレーすると、早いよ。
次に、リアディレーラーにルブリカント。
吹くのは、主にプーリーの部分です。あの2枚の小さなギアのことだよ?
ここは多すぎるとよくない。ちょっとでよかです。
そしたら次に、フロントギアにルブリカント。
こっちは薄くていいです。リアのギアに吹いたのと同じぐらいの量で。
このときも、クランク回しながらね。
円の下側でスプレーすると、クランクの付け根にも入り込まないし、フレームにもかからなくて、いいよ。
最後に、クランク&ペダルと、リアディレイラーの外側に、ルブリカント。
ここはブレーキ部品と同じく、保護材の目的で使うので、薄くでヨシ。あとでウエスで軽く拭いておいて。
ブレーキ部分を先にやったのは、ホイールつけた後だと非常にやりにくいからなのでした。
これでほとんどおしまいだけど、余裕があったら、
フレーム本体やワイヤー部分もルブリカントを薄く吹いて、軽く拭き取っておくといいね。
はい、
というわけで、簡単バイク掃除ver.疾風怒濤、これにて完了。
ふう。
「簡単」とか言いながら、文章で書いたらこんなに長くなってしまった。
実際やると、そんなに長くかかるもんじゃないんだけどね。
要領とコツさえつかめば、30分もあれば完了するよ。
2回目からは、きっと速くできるはず。
3回目、4回目、となるにつれて、どんどん素早くできるようになってくるはず。
でも、どんどんいい加減になってくることも、あるかもな。
ともかく、おつかれでした。
最後に、掃除する頻度だけど、
そりゃまぁ定期的にやるのがいいし、乗る度に手入れするに越したことはないけど、
「汚くなったら、やる」
ぐらいでいいと思う。
ほぼ毎日乗ってる人は、3日に1回、
週3ぐらいで乗ってる人は、1週間に1回、
週1〜2回の人は、2週間に1回、
それ以上乗らない人は、乗るたびに。
ただ、油(ルブリカント)は切れやすく揮発するので、
最低週1ぐらいで、ギアとチェーンにルブリカントを吹きかけてやりましょう。
(乗る頻度が多い人はそれなりに回数を増やして)
油が切れると、チェーンなどから「きゅるきゅるきゅる」と音がしはじめます。
これは金属どうしがこすれ合ってる音。イタイよイタイよ、ゆうてます。摩耗が進行中、ということね。警告音です。
ちなみに、
雨の中を走るとルブリカントは一気に落ちます。
雨中ライドのあとは、しっかり水分を拭き取って、ルブリカントさしておきましょう。
これはしっかりやること! でないと錆びるよ。
今回は「洗車」だったけど、このときにほんとは軽くメンテナンスもやったほうがいいんよね。
それについては、また余裕があったら、写真撮っておいて文章といっしょにアップするから。
今回はこのへんで。
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