ツールド山陽2003・エキストラステージ(2)
〜ここでは、管理人がツーリングしたときに培ったノウハウを、できる限り公開します〜

(4)装備
どのような格好でツーリングするのか、したのか、すべきなのか、
ここで紹介しましょう。

・ヘルメット&帽子

ロードレーサー用のヘルメットと帽子です。
ヘルメットは、夏は暑いし煩わしいものですが、必ずかぶるようにしましょう、
事故を起こしたときにヘルメットの有無は、そのまま命の有無につながります。
ツーリングに限らず、普段の練習でももちろんです。
習慣として、絶対装備です。
帽子は、ヘルメットの下にかぶります。
夏場は暑いので必要ないかもしれませんが、
冬や春先では、ヘルメットのインテークから頭部へ入ってくる冷気をカットできます。
雨の時には、帽子のひさしが、雨から目や顔を守ります。
使ってみれば必需品、といえるかもしれません。

・サングラス

好みにもよりますが、
斜光が期待できる黄色や青系の視界になる色つきのレンズのものと、
ほぼ透明に近いタイプの2種類のサングラスを用意するといいでしょう。
サングラスを装備する目的は、目の保護です。
とくにコンタクトレンズをしている人には、必携アイテムです。
色つきのレンズが入ったものは、晴れた日や海際で使用し、
透明に近いタイプのものは、雨の日や夜など、比較的視界が暗いときに使用します。
ちなみに私は、2回のツーリングとも、写真の色つきレンズのものひとつだけで行き、
2回とも後悔しました。
特に夜は、危険でした。

・ウェア

生地の厚い、長袖バイクジャージと、
ランニング用のウィンドブレーカーです。
バイクジャージの下には、ランニング用の長袖Tシャツを着ました。
基本的に、冬場や春先なら、風を通さず汗を吸っても通気性がいいものを選びます。
汗を吸ってびちょびちょになる、綿100%のシャツは、NGですね。
ウィンドブレーカーと、インナーシャツとする長袖Tシャツは、
ロードレーサー用のものがあれば、そちらのほうがいいと思います。
あまりだぼっとならない、風でバタバタとはためかないものが、よろしいかと。
このほかに、2003年のツーリングで廣田くんから借りた、ロードレーサー用のカッパも、必要です。

・バイクパンツ&タイツ
 
これ大事なことですが、バイクパンツは2枚重ねではくことをオススメします。
1枚目のバイクパンツの上にタイツをはき、その上から2枚目のバイクパンツをはきます。
2002年では1枚でしたが、尻の皮がめくれて、岡山あたりから痛みと戦う羽目になってしまいました。
2枚重ねにした2003年では、皮がめくれることもなく、快適でしたよ。
このタイツは、陸上競技のものなので、お尻にパットがありません。
ロードレーサー用のタイツや長パンがあれば、活用したほうがいいでしょう。

・てぶくろ、グローブ
 
普段の練習でも、グローブはできるだけするようにしましょう。
転倒時に手をついたときのケガ予防になるだけでなく、
ハンドルを握るグリップが増すので、安定した走行ができるようになります。
さらに、振動などによる手への負担も、かなり軽減されます。
長い距離を乗るときには、必需品ですね。

で、バイクグローブは見てのとおり、指部はだいたい第一関節くらいまでしか長さがありません。
冬や春ではこれでは寒いので、私はよく、陸上競技用のてぶくろを、グローブの下につけます。
それでも寒いときは、写真右のてぶくろを装備します。これは、マウンテンバイク用のものです。
雨の日は、台所用の厚手のゴムてぶくろが、手部用簡易ウィンドブレーカーとして重宝します。
手や足の指の部分など体の末梢にあたる部分は、寒いと凍えてすぐに感覚なくなるので、
甘く見ないで、装備を整えるべきです。
汗をかきやすい部分でもあるので、TPOで装備を交換しましょう。

・防寒具

黒いのはレッグウォーマーです。
2003年のツーリングで私自身が写ってる画像に、ちらほら写ってます。
これ、とくに膝から下の防寒に役立ちます。
タイツだけじゃ寒いですからね。
右上の赤いのは、イヤーウォーマーです。結構厚手です。
寒い中バイク乗ると、耳がちぎれるように冷たくなりますよね、
そんな苦しみから、守ってくれます。
ただ、ヘルメットのアジャスターを調節して広げてやらないと、ヘルメットかぶれないので、
ちょっと面倒ではありますね。
右下のは、ネックウォーマーです。
これ、このまま頭からかぶって首まで下ろします。
非常に暖かいので、おすすめです。
このへんのものは、ロードレーサーのお店よりも、スキーやスノボショップに売られています。

それから、シューズカバーですね。
バイクシューズって結構通気性がよくて、夏場はいいんだけど、
冬や春先などの寒いときは、この通気性が徒となり、非常に寒い思いをします。
そこでこの、シューズカバー。だいぶん違いますよ。
さっきも書いたけど、体の末端って、ほんと冷えやすいですからね。

身につける装備は、こんなところです。
ツーリング中の画像の中の私に、ところどころ写っているので、参考にしてください。
気温や風、天気によって、適切で快適な装備を選んでいくと、いいと思います。

(5)荷物-1
キャリアに乗せた、後ろのかばんの中には、何が入っているのか、荷物を公開します。
基本的に、余計なものは持たず、できるだけ最小限、コンパクトにまとめます。

・リュック

リュックは、ごくごく一般的なもので、とくに大きいものではありません。
防水加工はしてありますが、あまりあてにはしませんでした。
別にリュックである必要はありません。
たとえば自作の箱状のものでもいいかも。
半透明のプラスティックで作ってみようかなと、思った時期もありました。

・衣類
ここでは、ツーリングで身につけている以外の衣類を。
3月初めの時期、5泊5日〜6日の自転車旅行で、こんなもんでした。

まずは、下着ですね。トランクス2枚、長袖Tシャツ1枚。
そしてパジャマ代わりのジャージ、上下一組。
これらは、ツーリング中ではなく、主に宿泊地で身につけるものです。

それからその他に、長袖Tシャツ1枚、靴下3足。
これはツーリング中の装備の着替えです。
最初に着るものを含めると、ツーリング中の衣類は、
長袖Tシャツ2枚、バイクジャージ1着、ウィンドブレーカー1着、カッパ1着、
バイクパンツ2枚、ロングタイツ1枚、靴下4足、といったところですね。
宿泊地で洗濯できる機会があれば、洗濯します。
靴下は、ロードレーサー用のものではなく、ユ○クロの綿のもの。厚手のものが、いいんじゃないかな。

おさえるポイントとして、雨などを考慮して、アンダーウェアは必ず着替えを1枚用意することです。
バイクジャージとかバイクパンツは、すぐに乾きますからね。

衣類はすべて、たたむというより、くるくる丸めて、リュックに詰めます。

・洗面用具
持っていったのは、シャンプーとリンス、ボディソープ、洗顔フォーム、コンタクト用品、歯ブラシと歯みがき粉、
ひげ剃り、シェービングジェル、爪切り、耳かき。これだけです。
シャンプーやリンスなどは、お出かけ用の小さなもの。
またこれらは、宿泊地で借りたりも可能なので、
共有できない自分専用の用具を最低限持てばいいでしょう。

・スペアタイヤ

前にも書いたとおり、「ちょっと上等な練習用タイヤ」を2本持ちます。
空気を入れるためのボンベもいっしょに同梱します。

・アーレンキー・ディグリーザー・ルブリカント・リムセメント・グリスなど

最低限の工具とケミカルは携帯しましょう。もちろんウエス(拭き取り布)も。
使い方に慣れておくことも必要ですし、簡単なメカトラブルには対処できる技術も必要です。
持ってても使えないんじゃ、意味ないですからね。
ディグリーザー&ルブリカントは、5-56を1本で充分。

・消炎鎮痛剤
バ○テリンなどの、塗るタイプの消炎鎮痛剤、または薬用湿布ですね。
ツーリング中、体にかかる筋肉疲労や関節痛は、かなりのものです。
こういうものを使って、体をケアするのも、ツーリングを乗りきる上で大切なことです。
ちなみに私は、2003年のツールド山陽で、
チューブのバンテ○ン、まるまる1本使い切ってしまいました。

・スペシャルアイテム
こんなものも用意しました。あるといいですよ。

・サランラップ
体に巻けば、即席ウォーマーとして機能します。保温性や機密性はばっちり☆
他にも、サイクルコンピュータやヘッドライト、テールライトに巻いて雨水の浸入を防いだり、
雨水や低温からいろんなものを守るために、かなり重宝します。
・ビニールテープ&はさみ
使い道は、多種多様です。
装備品の固定、落車による衣類やリュックの破れなど、非常用にいろんなところで大活躍。
・塗るカイロ
ツーリング中に塗るのはあまりオススメしませんが、
とにかく寒いときや休憩中で動いていないとき、宿泊地でさらなる暖がほしいときなど、保温に使えます。
小さなチューブを1本持っておくといいかも。

そして大事なことですが、
リュックの中にはまず家庭用ゴミ袋を入れて、その中に物を詰め込みます。
雨から荷物を守るためです。

・寝袋
野宿前提なら必要です。
しかし寝袋、重い上にかさばるし、寝心地も決してよくないし、なんといっても寒いし体力も回復しないので、
私は友人や仲間のところにお世話になって宿泊することを前提にしました。
そうすることで、寝袋は持って行かなくてもよくなりました。

(6)荷物-2
キャリアに乗せてくくりつけたリュックの他に、
いつでも中身がすぐ取り出せるようなウェストポーチを携行すると便利です。

その中身にはこんなものが...。

・財布(現金)
ツーリング、実は結構金がかかります。
そのほとんどは、燃料となる、食糧なのですが、
1回の補給で、多めに見て1000円を覚悟しておきます。
朝昼夜の3食にこだわらず、とにかく腹が減る前に補給することが基本なので、
寒いときや暑いときなど、体からの熱放散量が大きいときには、補給の回数も増えてきます。
目安としては、だいたい40〜50kmに1回くらいの補給を考えてちょうどいいくらいでしょうか。

それから、何らかの原因で故障が発生し修理で金が必要になったときや、
そしてツーリングの続行が不可能になったときの帰りの交通費なども、
考慮に入れておくべきです。

あと、カメラのフィルムを買ったりもしますね。

ちなみに私は、2002年・2003年とも、3万円用意しました。
(いざというときに新幹線で大阪まで帰れるように)
できるなら、リュックにも入れて、2カ所に分けて持ったほうが、安全ですね。

・携帯電話&充電器
これは絶対必要なのは分かりやすいですね。まぁ充電器はリュックの中でいいですけどね。
お世話になる宿泊先に連絡を入れたり、応援してくれる人に連絡や報告をいれたり、
もしものトラブルの時の連絡手段になったり、
...まぁ説明するまでもないですね。
ある意味、ツーリングの生命線でもあるので、
雨や汗で濡れたり、落として壊したりしないように、配慮は必要です。
バイクジャージのうしろポケットは、ふとした拍子に落ちやすいので、あまり薦めません。

・手帳&ペン
手帳には、俺がお世話になる宿泊先の人たちの連絡先や、
行程コースから近いところにあるバイクショップの連絡先などを書いておきます。
携帯をなくしたり壊したり、いざというときのための保険という意味合いが大きいですね。
それから旅の手記を書き留めたり、時間経過と到達地点を書き留めたり、
ステージ終了時のサイクルコンピュータのデータを書き留めたり。

・カメラ
小さくて軽いカメラに越したことはありませんが、
せっかくの旅なんだし、できるならいい絵を撮りたいじゃないですか、
使い捨てカメラよりも、ふつうのカメラをオススメします。
こうやってホームページに載せるなら、なおさらですね。
デジカメももちろんアリですが、バッテリー残量に注意ですね。

・地図
道路地図をコピーして束ねたもの。
進むべき道を、あらかじめ蛍光ペンなどでなぞっておけば、
とても使いやすくなります。
迷ったときはもちろん、思わぬ交通閉鎖などで迂回路を探すときなど、
大きなアシストになってくれます。
できる限り必携、ですね。

・身分証明書&保険証
もし自分が事故で死んでしまったときの身元確認の資料です。
というか、ツーリング中で病気や怪我を被ったときのために、保険証は必要です。
写しでなく、本物を持参しましょう。
なくすとコトなので、これらを入れたウェストポーチは、常に身につけておきましょう。
他の物をとりだしたときにいっしょにこぼれでないように、奥のほうに忍ばせておきます。

・時計
すみません、これはポーチに入れておくものではありません...腕時計です。
スポーツタイプの、照明もつけられる、防水加工がされているものがいいでしょう。
(というかそれしか持ってないのですが)
携帯電話にも時計機能はありますが、バイクに乗ってるときにいつでも確認できるように、
腕につけておくべきですね。

・食糧
ある程度の食糧は、携帯します。
バイクジャージのうしろポケットや、ポーチの中に入れておきます。
補給食に関しては、後ほど書くこととします。

これらのものが、ポーチに入っています。
やはりリュックと同様に、防水の意味で、中をビニール袋で保護しておきます。

・あったらいいかも、こんなもの

トップチューブの根本にくっつける、Bento-Boxという入れ物です。
トライアスロンのロングのレースで、つけてる人が多いですよね。
けっこういろいろ入るんですよ、補給食とかオススメですね。
ただ、防水と耐久性は期待できないので、濡れてもいい、壊れたりする心配のないもの向け、でしょうか。
というわけで、携帯電話をここに入れるのは、あまり薦めません。

(7)補給食
ツーリング中、どんなものを食べればいいの?
その疑問に、ずばりお答え。

ぶっちゃけ、食べたい物を食べればいいと思います。
自転車に長時間乗ることを考えたら、郎室・タンパク質・脂質をバランスよく、
ビタミン・ミネラルも考えて、ということになりますが、
訪れる土地のうまいものとか、食べたいでしょ?
神経質になる必要は、ないんじゃないかと。

とはいっても、栄養は大事です。
自転車の燃料になるわけですからね。
大事なのは、腹が減る前に補給することで、
ガス欠になってからでは遅いのは、クルマも同じですね。
人やコースや気象条件にもよりますが、だいたい40〜50kmごとに補給すれば、適当かと思います。

主にコンビニで補給することになるのですが、食べるものは...こんなものです。

・普通の弁当、お寿司など
・エネルギーゼリー、プリン、ヨーグルトなど
・カップ麺など
・リポDなど
・スポーツドリンク、レモネード、紅茶
・アイスクリームやかき氷
・水、氷

極々普通、なのですが。
重要なのは、エネルギーそのものですね。
それと、寒いときは暖かいもの、暑いときは冷たいもの。
添加物とか保存料とか、あまり気にしてられません。
ほしいものを、ガンガン摂ります。

飲み物は、冬や春先なら、暖かいもの。
保温の効くボトルなら、移し替えて携帯します。
個人的に、「ほっとレモン」をよく買いました。
甘いもの、疲労回復に効果アリです。
夏なら、スポーツドリンクやジュースは冷たいものになりますが、なんでもいいでしょう。
コカコーラが、かなりうまかったりします。
水よりも、ジュースのほうが、糖分など摂れて、いいですよ。

夏場は他に、かぶるための水も必要です。
コンビニで買うと高いので、かぶるだけなら、水道や湧き水、井戸など使わせてもらうことができたら、それがベター。
でも飲むための水は、買ったほうが無難です。
ボトルに詰める水は、できるだけ店で買いましょう。
買う氷は、ペットボトルに入ったかち割り氷がオススメです。
そのままバイクボトルに詰めることができますからね。

夕食は、必ず食べるようにします。
どんなにきつくても、必ず食べてから眠るようにします。
でないと回復があまり見込めません。

それと、ビタミン剤の携行をオススメします。
アリ○ミンやショ○ラBB、マルチビタミン、なんでもいいんですが、
とにかくビタミンBは疲労回復に欠かせません。
朝や夜とかに定期的に摂っておくと、体調がずいぶん違いますよ。

そして、味の素の「アミノバイタル」、かなりオススメです。
「アミノバイタルPRO」という、粉末の、薬みたいなもの。
値段は張るけど、効果テキメンです。

(8)その他
あと、ロードレーサーの乗り方やツーリングのコツなど、いろいろありますが、
重要なのは、決して無理や無茶をしないことです。
街から街へ、山から山へと伝っていくツーリングでは、
街乗りのテクニックや峠の上り方、下り方、
いろんな技術が要求されます。
食糧の補給などに関してもそうですが、
経験を積めば積むほど、そういった技術は身についていくし、
ツーリング自体が楽しく、快適になっていきます。

ある程度ロードレーサーに乗れるようになったら、
機会見つけて、やってみるといいと思います。
きっと競技の役に立つようなことも、習得できます。
そのために、このページが、少しでも役に立てばいいかな、
そう思いながら、「ツールド山陽2003エキストラステージ」、
ここで筆を置くこととします。

ではみなさん、ここまで見ていただいて、ありがとうございました。
今度いっしょに、乗りましょうね。

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