グレイルクエストの話です
強制的に魔法使いの弟子にされ、 ドラゴンと戦い、 時空を飛ばされ、 詩的魔神の詩を誉め、 ミンクに圧殺され、 頻繁にパラグラフ14を訪れ、 眠ったまま何故か殺されたりする青年。 その考察と云った所。
この農場に、養子にむかえられたひとりの若者が住んでいた。
彼を養子にしたのは、農夫ジョンとその妻メアリーだった。
若者の名前はピップといった。
主人公‥‥‥ピップの両親の名前は農夫ジョンとその妻メアリー
で在るらしいのだが、
このジョンとメアリーと云う名前は日本で云う所の所謂、“太郎と花子”に相当する呼称のようだ。
その昔、無声映画の時代。
登場人物の呼称として、主人公は“ジョン”ヒロインは“メアリー”悪漢は“ジャック”とされていた時代がある。
講釈師‥‥‥現在では講談師であるが‥‥‥聞きなれない海外の登場人物の呼称を固定して
講釈していた時代の名残‥‥‥だと思う。
原書の名称がどのような名称であるかは確認していないのであるが、
(翻訳家があえて別の名称にするメリットは無いと思われるのでそのままの呼称だと思うが‥‥‥)
少なくとも翻訳家は
その様な意味を込めて農夫ジョンとその妻メアリー
としたのではないかと想像している。
その意味と云えば善良なる農夫の夫妻のジョンとメアリーと云う狂言回しと云う事であろう。
又、此処でピップが養子である事が明かされている。
物語中ではピップの実の両親は言及されていない、
子供のいないジョンとメアリーの夫妻の親類の子供かもしれない。
詳しい西洋文化を研究している訳でないので明言は避けるが、
この養子と云うのは“湖の妖精”に育てられたランスロットのパロディかもしれない。
ピップは後に‥‥‥物語の中で‥‥‥マーリンに半ば強制的に弟子にされてしまうが、
此処がアーサー王の生い立ちを連想させる。
ピップの家庭環境は Brennan 流のパロディなのでは無いだろうか?
又、愛用の武器 E.J の存在を考える場合、彼、ピップがアーサー王と非常に似通っている事に気が付く。 これは後述予定の マーリン = J.H.Brennan 説と重なる部分であるが、 ピップは英雄アーサー王を補完する人物‥‥‥有事に際しての副次的キャラクターではないだろうか? もしかするとピップはアーサー王のクローンかも知れないし、アーサー王の血族かもしれない。
このキャメロット城からさして遠くないところ――いい馬さえあればすぐに行けるところに、農場があった。 ごくふつうの農場で、夫婦だけで所有し、 グラストンバリーという小さな市場町の北三マイルのところにあったが、 道がくねくねと曲がっているため実際は五マイル近い道のりがあった。
マイルとは英国のヤード ポンド法における距離の単位。1マイルは約1.6km。
地図上でグラストンバリーから4.8km。道なりに8kmの北にピップの住んでいる農場が存在する。
此処でもう一つの重要な記述が在る。 Brennanはキャメロット城はグラストンバリーの近くに建っていたとしている。 グラストンバリーの所在地が判ればBrennanの想定するキャメロット城の位置の特定に役立つ事だろう。
- グラストンベリー GLASTONBURY
- サマセットの小村。 ここには中世の修道院の遺跡がある。 この修道院を創設したのは、 ローマ教皇からブリテン王ルシウスにたいして派遣された伝道者である