陰陽師収録 第四話のSpoilerっスから、良い子は読んじゃダメだよ。
長月−−−太陰暦の九月の七日。
太陽暦では、八月の上旬である。
この記述は謎である。
玄象の話から応和 1年9月7日(ユリウス暦 961年10月19日)と推測できるが、
八月の上旬
の記述が不明である。つまり後述から推測すれば記述違いと考えられる。
正しくは以下だと考える。
水無月長月−−−太陰暦の六月の二十三日九月の七日。
太陽暦では、八月の上旬(七日)である。
応和 01年06月23日(ユリウス暦 961年8月7日)であると批准したい。
その縁で、昨年、紫宸殿から盗まれた玄象という琵琶を、異国の鬼から取りもどしたおり、晴明と蝉丸は顔を合わせているのである。
応和 1年(ユリウス暦 961年)と考えられる
細い下弦の月が、猫の爪のように天にかかっている。
≪中略≫
長月であるから、夜とはいえ、寒いはずはないのだが、車の簾から入り込んでくる風が、≪後略≫
はてさて、この記述はとても謎である。
下弦の月ならば月齢21〜22(22〜23日)である。
太陰暦の九月の七日
ならば
上弦の月である筈である。
又、長月であるから、夜とはいえ、寒いはずはない
とはどう云う事だろう?
これは太陽暦8月上旬を意味していると考えるべきだろう。
つまり165頁の記述は間違いで、
正しくは下弦の月であり太陽暦8月上旬なのだろう。
「で、博雅にひとつ頼みがあるのだが−−−」
「なんだ、晴明」
「この牛車は、言わばおれの造った結界で、めったなものは中には入って来れぬのだが、時おりは、中に入ってくるようなものもいる。考えてみれば、今日は、己酉から五日目だ。天一神が、方角を移る日にあたっている。ここに入るのに、その通り道を、五度は横切っているから、そのうち、誰ぞが見に来るかもしれぬ」
己酉の記述も前述の訂正を加えると
応和 1年6月17日 (ユリウス暦 961年8月1日)でないかと推測できる。
この年の己酉の日リストは以下である。
ユリウス暦 | 和暦 | 記事 |
---|---|---|
961-08-01 | 応和1年6月17日 | 己酉の日 |
961-08-02 | 応和1年6月18日 | 応天門で札が剥される。 |
961-08-03 | 応和1年6月19日 | 応天門に妖が出る。 |
961-08-06 | 応和1年6月22日 | 弟子死亡 |
961-08-07 | 応和1年6月23日 | 博雅、晴明の屋敷に行く。 |