8.そっくりさん
家の中の電話工事をすることになり、N○○に依頼した。
2階の父の部屋の電話を親としてISDNを利用していたのだが、
ADSLに変えたことと、FAX電話の親機を1階の玄関に置きたい、
インターネットは2階の父の部屋と、同じく2階の私の部屋で使いたい、
という希望を満たすための工事だった。

BBフォンを使うためには電話の親機とモデム(及びハブ)は固めなければならない
と、BBフォンの人からきいていた。
親機を玄関に置くということは、BBフォンを使うにはモデム(&ハブ)も玄関に置くことになり、
そこから今まで以上に長いLANケーブルでPCに接続、若しくは無線LANが
必要だと覚悟して、必要なケーブルの長さまで測っていたのだが・・・。

木曜日の午前中ということで予約をとり、私は午前休暇をもらった。
約束の日、なかなか工事の人が来ない。
N○○に電話をかけて、本当に予約の日が今日であるか確認してみた。
そうしたら、午前中6件の予約があり、うちは5件目であることが判明。
時間にすると12時回ることもあるという。

・・・どうしよう、貴重な休暇を使ったのに・・・。

12時ちょうどくらいに電話が鳴った。
N「今、4件目の工事がもうすぐ終わるところなんですけど」
私「とにかく、早くにお願いします。午後は会社に行かないといけないんです。」
N「何時くらいまでに行けばいいですか?」
私「いますぐです!可能な限り早くにお願いします。」
N「ぅわかりました〜!」

程なくして、N○○の工事の人が到着。
ピ〜ンポ〜ンという玄関ベルにインターホンで出ると、インターホンからの声よりも
門のところの声の方が大きな声で聞こえる、音声多重現象になるくらい大きい声だ。
出てみると、香取慎吾が立っていた。
いや、短めの髪を金髪に染めた、20代くらいの若いお兄さんが立っていた。

あらま、そっくり・・・

早速上がってもらい、現状の説明をし、最終目的を告げた。
慎吾君は私の説明を一度で理解し、工事にかかってくれた。
電話のケーブル1本あれば、あとはうまくやってくれるという。
ところがちょっと前にみんな処分してしまって、今となっては余分のケーブルは1本もない。

すると慎吾くんは「よそから引き上げてきたものでよければありますよ」
と言って、車からケーブルをもってきてつけてくれた。
どういう工事をしたのかはわからないが、万事解決。
親機は玄関に置いたまま、モデムとハブは2階の父の部屋、そこからLANケーブルで
父と私のPCに接続して、今以上壁に穴を開けることも線を這わせることも
無線LANを買うこともなく、無事に理想の形におさまったのだった。

さて、そのN○○の工事の慎吾くんに、「慎吾くんに似ているって言われませんか?」
と訊いてみた。
慎「えへへ、人からはよく言われますけど、自分ではあんまり思わないですね」
慎吾くんはあくまでも爽やかな笑顔で模範解答を言ってのけた。
確かに「自分でも思います」ってのはちょっと変な人かもしれない。

工事が全て終わって慎吾くんが帰ろうとしたとき、母が質問した。
母「工事代はおいくらですか?」
私「そういう工事代は、次の基本料金引き落としの際に一緒に引かれるから」と私が言いかけると、
慎「いえ、いいですよ。」
母「だって、そういうわけにはいかないわ」
私「工事で来てもらうと1万円以上とか、かかるんでしょ」
慎「本当はそうだけど、カンタンな工事だったし」
母「だって、そんなのダメよ、あ、ちょっとまって!」なにやらごそごそ探している・・・
慎「ホント、いいんです。ボクのポケットに入るわけでもないし、会社に帰って
  何もすることなかったって言えば、それでおしまいです」
〜〜〜母、いただきもののビール券をにぎりしめて登場。封筒にしまいながら〜〜〜
母「じゃ、これもっていって!ビール以外のものも買えるから。運転あるならジュースでも」
慎「こまったな〜、じゃ、折角ですから、いただきます!」

本当に、本当に爽やかな青年だった。
いま、私がその彼の顔を思い出そうとすると、どうしても本物の香取慎吾くんの顔が浮かんでしまう。
当分N○○に工事を依頼する用事はないが、家族みんなの電話に対する要望を
パーフェクトに叶えてくれて、爽やかな薫風を運んでくれた慎吾くんに、心から感謝の拍手を送りたい。
慎吾くん、ありがとう!でもきっともう、会うこともないだろうね・・・。
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