井戸の障りについて
先ず最初に、全ての井戸に障りが有るかといえば、決してそうではありません。
殆んどの井戸は、何の儀式も無しに埋めたり、又その上に家を建ても、何ら障りは有りません。
勘違いをしないでください。
心配する必要は有りません。
只中には、私の領域がかんでいるものも有りますので、その時は用心をしてかかる必要が有ります。
井戸の神⇒水神⇒龍神、蛇、所によっては稲荷が姿を見せます。
勿論、えたいの知れないものも姿を見せる事が有ります。
昔は何処の家にも、井戸が在りました。
生活の根元を支えて来ました。
歴史も有ります。
この井戸に対し、何らかの祈願が為された、そしてその祈願に、どの様なものが作用したのか、なかには、この井戸で自殺をした人、この水の為に諍いが起こった事、又この井戸にはまり死んだ動物や虫、等、考えて行くと限が有りません。
そして一番厄介な事は、この領域のものは、水の在る所に寄って行き、作用が活発になるという事です。
上記した様に、私の領域がかかった井戸の障りは、全てが水神によるものでは有りません。
そこのところを観る者が見破り、的確な祈祷を行わないと意味が有りません。
●ある日、電話をいただきました。
この女性は、自宅を新築をしましたが、台所に立つと体の調子が悪くなります。
他の部屋では、何ら体の変調は感じられません。
何処の病院に行って検査をしても、異常は見つかりません。
そうなると、気持ちの問題、として片付けられます。
ついにこの家には居れなくなり、実家に帰っています。
ご主人や子供さんは大変です。
この女性の病気の障りを聞いてみました。
霊視している妻が、「丸い輪の中に、紙で出来た長方形の物が沢山出てる」、「黒いのも有る」、と言います。
此方の巳神に、その長方形の物を、もう少し大きく見せてくれる様に頼みました。
妻、「お札の様に見える」、「字もみえるけど、何が書いてあるかまでは見えない」、「字の上に、丸いマークの様なものが見える」、と言います。
妻、「縦線の上が三本に別れていて、少し下の縦線の両側に、斜めの線が出てる」、と言います。
私、「地神様、今のをもう少し大きく、分かり易く見せてください」、と頼みました。
妻、「縦線に、線が巻きついている様に見える」、「その線が変わって、丸いものが出て来て、口みたいなのも出て来て、牙みたいなのも出て来て、・・・・・何やろ」、と言います。
上記の丸いものは、井戸と取ります。
この家の台所の位置に、井戸が在ったと取ります。
この井戸に対し、以前この井戸の持ち主であった者が、何らかの儀式をした、と取ります。
線に巻きついている物は、この井戸に関係する野蛇と取ります。
この女性の体調不良の原因は、この井戸から来る障りと、体調不良になった弱い所に入り込んで来た野狐も関係すると取ります。
祈祷の依頼が来ましたので伺わせて頂きましたが、新幹線を利用し、片道6時間の長旅です。
駅からこの家までの車の中で、巳神様にお姿を見せてくださいと頼むと、妻が、「地神さん、頭と尻尾をくるくる巻いている」、と言います。
妻、「その横に、黒っぽい、灰色の、ボ〜とした蛇が出て来た」、と言います。
家に着き、この家の御先祖様に挨拶をし、その後、線香の護摩に入りました(この事は今回の題名の内容とは違いますので書きません)。
鳴釜の準備に入ります。
此方の巳神をお呼びします。
此方の巳神の尻尾の辺で、小さい巳神が遊んでいます。
伏見稲荷大社、白狐様をお呼びします。
白狐様にこの女性の障りを聞きました。
今日の白狐様は、最初から毛を逆立てています。そして、前足で黒っぽい蛇の様なものを押さえています。
尻尾は二つに分かれています。
私は白狐様に、「押さえている足を上げて、何か見せてください」、と頼みますと、足を上げて見せてくれましたが、何か分かりませんでした。
そして、白狐様は前足で、その蛇の様なものを平らに散らせてしまいました。
白っぽい砂が渦を巻いている様に見えます。
しかし直に、渦状が消えてしまいます。
小さい巳神に、白狐様の足元のものを見て来る様に言いましたが、嫌がってなかなか行こうとしません。
やっと小さい巳神はそのものに近づき、最後には男の子の姿に変わり(これは、説明の仕様が有りませんし、今の時点では、私にしても、この小さい巳神が雄という事ぐらいしか分かりません)、足蹴にして帰って来ました。
そして白狐様は、渦巻き状のものが、下に伸びる(逆三角形)のものも見せてくれました。
私は巳神様、白狐様に、「この障りは釜で消えますか」、と尋ねると、巳神様も白狐様も、「消える」、と言われます。
素人の方には理解出来ないと思いますし、私達にしても祈祷に際し、最初から終りまでの決められた台本の様なものは有りません。
同じ事や聞く順番が後先になってしまったりと、混乱しながら祈祷を進めているのが現実です。
そして私の場合、巳神様に聞いて見せてもらったもの、白狐様に聞いて見せてもらったもの、両神様は、本筋や結果においては殆んど同じ判断をされますが、目の前に見せてくれるものは違いが有ります。
此方の巳神にこの女性の障りを聞くと、黒っぽい、灰色の蛇が出て来ました。
その蛇は黒い塊(?)の様になりました。
霊視している妻は、「お腹を上にしているわ」、と言います。
そしてこの黒いものが、、白っぽい砂の様な山の形に変わりました。
その後、この砂の山の形は、逆三角形の形に変わりました。
鳴釜の準備が整いました。
釜に火を入れます。
湯が沸騰して来ます。
米を入れます。
釜が鳴り出します。
釜が鳴り出すと、先ず逆三角形の白っぽい砂の様なものは、正規の三角形の形に変わりました。
正規の三角形のものの上の点(名前がついているのでしょうが)が上に上がって行き、最後には一本の線になり、上に消えて行きました。
此方の巳神と、小さい巳神が、一生懸命に釜を見ています。
黒っぽく、灰色の蛇は、この井戸の水神が、人間の不条理な行いの為に、この様な状態になったのか、以前の住人が行った儀式に付いて来た(大概は儀式を行った祈祷師の程度が、この様な色や形として入り、そこに残る事が多いです)ものとも取れます。
この野蛇も、祈祷の準備を進めるうちに、、此方の考えが分かり、軟化して白い色に変化をしたと取りますし、祈祷の力で浄化させたとも取れます。。
そして釜の音で上に上がり消えて行ったものも、この井戸の神、即ち巳神であり、この井戸の水とも取れます。
そして一番大事な事は、私のこの井戸の祓いに際しての、願文、表白に有ります。
「エィ」と気合をかけ、「出て行け」では、決して問題は解決しません。
余談ですが、祈祷が終り、又6時間かけて帰るのかと思いながら後片付けをしていますと、この女性の母親が、主人が癌と診断されましたが、と話されます。
この事をもう少し早く、釜を焚く前に言ってくれたらと思いましたが・・・・・。
霊視している妻が、「地神さんが、私の所に来て、手をなめている、何でやろ」、と言います。
「お前が治してやれ」、と取りますが、この様な事は此方からは言われませんので、何も言わないで帰って来ました。