6V6CSPP
一昨年手作りアンプの会のお寺大会にて落札したマッキントッシュタイプのCSPP用のOPTがそのままになっていましたが、以前作製した6V6ppアンプが流用できるのではないかと早速改造してみました。
CSPPはドライブが難しい点が厄介ですが、このアンプは元のドライブがCasComp回路ですからゲインの変更とドライブ電圧の適正化で何とかなりました。
試作タイプなのでOPTはコネクタの交換式ですが、CSPPは接続ピンが多いのでコネクタを増設することで対応ほぼそのままのシャーシで改造できました。
OPTはASTR-20相当とういうことで、コアに余裕があるためか低域は15Hzまでフルパワーが出ます。容量負荷でも安定ですが、スナバが無いとオープンでわずかに発振します。
仕上がりスペックは
周波数特性 10〜100kHz(-3dB)(低域は意図的に切っています)
出力 7.5W(8Ω負荷、クリップ時)
ゲイン 19.5dB
NF 約17dB
歪率 グラフ参照(efuさんWaveSpectramによる高調波歪率)
ノイズ Lch0.15mV、Rch0.3mV
DF 約15
初段のCasCompで全体のゲインを稼いでいますが、少しとりすぎている様な気もします。限界値がどこで決まるのか良く解からないのでやりすぎかもしれません。6350の負荷抵抗が低いのはこの段での高域ポールを伸ばすためで、ほぼOPTの高域特性で決まっていると思います。
定電流値を決める56Ωは6350の出力波形を見て上下同時にクリップする様に調整します。6350のプレート電圧は約160Vでした。
電源は100W200Vのトランスを出川方式でブリッジ整流したものを使っています。
周波数特性はOPTが優秀なので100kHz以上もピークはありません。矩形は応答も奇麗に立ち上がり、リンギングも見えません。
歪も非常に少なくおさまっています。ただしこの歪率は通常の雑音歪率ではなく、高調波成分のみです。クリップの7.5Wを超えると急激に増えハードクリップします。
2011/12/6 記
2011/12/8 追記