BEHRINGER DCX2496改造チャンデバ+P2D基板によるDSDマルチDAC


                                                                     2013/4/28



 DCX2496によるデジタルチャンデバを改造・活用してきましたが、単体では色々な問題点も残されていたので、この際全面的に一新することにしました。

 とはいえデジタル処理の部分は安価で多機能なDCXに代わるものは現状無いので、DCXのDSP周りの心臓部はそのまま残し、周辺の構成を変更することにしました。

  メインはDAC部分の分離およびDSD(変換)再生で、デジタルチャンデバを使用する以上入力から直接DSD信号を再生する訳にはいかないので、チャンデバ処理後PCMからDSDへのハード変換が必須です。結局このElectroArtさんの変換基板が入手できたのが作成のきっかけとなりました。

 アナログ部分の分離に伴い、伝送方式や電源、ケースなど全面的に見直すことになってかなり大掛かりなものになりました。ちょど体調の問題もあって結構完成に時間がかかってしまいました。また最後にはチャンデバフィルターによる?ノイズ問題もあり、完成が危ぶまれましたがなんとかできた感じがしています。

 まあそれでも苦労に報われるだけのことはある改善があり、音質的な当初の目論見はほぼ達成して大幅なグレードアップになったと思います。当面はこの部分はこれで行けそうです。

今回の特徴をまとめてみると


 1.DACの分離 ElectroArtさんのPCMtoDSD基板を使い別体でDSDDAC再生としました。この基板のDSD再生品質が改造の一番大きなポイントです。出力は勿論バランス出しです。

 2.I2S伝送
 DACとの間はHDMIコネクタによるLVDS(定電圧差動)レベルの伝送とします。S/PDIFよりクロック再生が無い分ジッターに有利で、かつ(比較的)長距離伝送が安定して行えます。

 3.リニア電源・アルミシャーシ DCXはSW電源でしたので余裕あるトロイダルトランスにSICダイオード出川電源(一部)を使用、電解もなるべく沢山盛り込んで余裕ある電源としました。既製のDCX鉄ケースをやめ、アルマイト塗装のアルミシャーシに全面的に入れ換えました。

 4.デジタル入力系追加 DCXの入力系にTOSLINKを追加。DACも個別CH毎にS/PDIF・TOSLINKがあり、2chDACとしても使用できます。

 5.ルピクロック、USBコントロール これは以前と同じですが、DCXのクロックは外部のルビ逓倍クロックを使用、コントロールのRS232C−USB変換も内蔵しました。

 左の写真がDCX2496の改造版。右部が電源で左の基板が元のDSP基板は背面側にLVDS変換基板が2枚見える。今回は2chのみ実装。

 右の写真がPCMをDSD変換するDACで、奥がP2D基板、手前の青い基板が8Tapsデジタルフィルターとアナログのポストフィルター。

 


下の写真はデジタルフィルター部の拡大。Dラッチによる8bitシフトレジスターを構成デジタルフィルターを構成している。通称「原理基板」と呼ばれている。
これでDSD信号はD/Aされる。この後OPamp使用のポストフィルターがある。

右の写真はアナログ出力の電源ONOFF時ミュートリレー。