SATRI-PHONO-EQ 

丁度小型でかっこいいケースを見つけたのがきっかけでこのプロジェクトはスタート。持ち運び可能なお出かけ兼用のイコライザの製作となった。

  写真の上のものがイコライザ本体で外形は12Wx18Lx6Hと小さいが中身はぎっしり詰まっている。勿論電源は別体(写真下)となる。当面電源はマイク用の物を流用、かなりプアな内容だがコンデンサ等は増設を検討すればよいだろう。そのためLEDの色が合わないのはご愛嬌。電源の誘導ノイズの点からも使用時は離して使えるメリットがある。

 中身はBPのKIT-1001基板を流用したので製作は簡単かなと思ったのだが、開始から一ヶ月以上掛かってしまった。色々盛り込んだ点もあるが、何と微弱な発振が取れずに苦労した。SATRI回路は帯域が広いので発振しやすいが、特にイコライザなど周波数特性をもたせると高域での負荷インピーダンスが低くなりその点で問題が発生していた。そこに気が付くまであちこちと回り道をしていたので時間が掛かってしまった。一時は投げようかと思ったのだがまあ何とか動くようになってホット一安心。

 回路内容は本家のEQA-5620-SPとほぼ同等、DGC回路、SATRI-ICは最新のSP版にV8、V6.2、V9を組み込んだもの。V5.1は簡易型で対応。前段と電源供給を3端子で分けているところがチョト違うかな。今思えばV10も入れたかったことぐらい。一応OPampも高音質タイプ使用。SATRI回路なので入力は低インピーダンス受けの電流入力なのが特徴で、電圧出力、SATRI-LINK出力の各アンバランス出力を備える。

 肝心の音は圧倒的に歪感が少なく定位も良いので一聴LPもCDのように聞こえるが、そこはLPどことなく落ち着いたゆったりとした音楽が聴ける。SATRI-LINKの出力抵抗にZ201を使ったお陰かSATRI-LINKにすると更にストレス無くLPが鳴る。
  今まで我が家ではLPはデジタル系に半歩遅れていて良さは感じながらも楽しく聞けるという感じにはならなかったり、盤による好みの差も出やすかった。今回のイコライザはそれぞれの盤の録音内容のレベルの差は感じるものの、いずれもそのアナログの良さを楽しみながら更に高解像な音が聞けることに驚いている。今までなんてことは無い盤もホゥという新鮮な楽しみが味わえる。更にノイズがあまり気にならなくなって来た事も有り難い。ゲインはちょっと高めだがS/Nが以前よりぐっと改善されてている点も効いているのかもしれない。
 最近はLPをHDDにハイサンプリングでデジタル化してLPも手軽に楽しむ事にしている。

2008/6/17記

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