Current Feedback Inverted MOS-FET power amplifier(FET Rel1.04)




 木村さんという方の開発されたアンプのプリント基板が配布されていましたので、それを購入組み上げて見ました。回路等の詳しい説明はHPをご覧頂くとして、実際には手持ち部品等の関係で若干パーツ、定数等は変更しています。

http://www2.plala.or.jp/puthoff/

 主なところは
1.入力段FETQ3,4もJ103,K246に
2.Q7,8,9,10,11,12をB716とD756に
3.IC1をOPA604、IC2をLM4562に(暫定)
4.R26,27なし
5.C7,10PFに
6.R8,R16を5k,50kに
7.R11,17を39k,390kに
8.Q19,20をK1529,J200に

 などです。仕上がりゲインを20dBに変更したところが一番大きいところでしょうか。その分補正を多めにしていますが、安定性等に問題はなさそうです。初段のFETの電流も従来の電流値に合わせ込んでいます。
 ベースは10mm厚のアルミ板を放熱器代わりに使っています。少し小さいですが、そのままケースに取り付ければ通常の使用では問題なさそうだと思います。

 今のところ出力段と電圧増幅段の電源は共通ですが、出来れば分けたいところです。あと、電源部は外部ケースに入れた共用電源を使用しています。
 部品は特別なものはあまり使用せず、抵抗は千石3円金皮、コンデンサはMKTが中心で、小容量はディップマイカとポリプロ。肝心なNF抵抗のみPCN巻線とデールのVSRを使用しています。
 (PS:後日VSRは音が冷たすぎたので、デール巻線NS2Bに変更しました)

 諸特性ですが
 1.出力 26W(8Ω負荷、電源電圧±31V、終段バイアス電流110mA)
 2.ゲイン 20dB
 3.ノイズ 0.4mV(入力ショート)0.85mV(入力オープン)
 4.DF 約80
 5.歪率、周波数特性(1W8Ω負荷)、矩形波応答(10kHz、上入力、下出力1V/div) グラフ、写真参照


これを左右1組ずつBTL駆動で利用しています。電源それぞれ独立電源を使用していますので現状出力は4倍の約100W。


 特性は良く練られた回路なので、問題になるところはありません。これだけワイドレンジなのに安定性も充分です。C7を5PF程度にすればもっと高域は延びて、それでも安定ですが僅かにオーバーシュートがあるので安全を見ました。
  アンプはこのままで、入力フィルターのfcを100k〜200KHzに下げても良いかと思います。歪も非常に少なく、HPの掲載データと同等なのでこの辺が本機の実力だろうと思います(LUXKIT M-5GL,M-4D使用)。10〜20Wで歪が下がらないのは電源共通でドライブ電圧が充分取れない為か?と思います。1W以下はほとんどノイズですね。

 ざっと聞いた感じではやはりすっきクリアな音で、全体に良くしまった音がしています。透明な感じが強いですが、それほど冷たい感じはしません。部品点数は少し多いですが、このサイズでよくまとまった音がして、なかなか優秀なアンプだと思います。コストもそれほどでは有りませんし、部品は千石あたりで安価に揃うので手馴れた方にはお勧めのアンプです。



 

 

 

 

 









 

電源部を作り替えました。(2014/1/27)

トランスはトロイダル300VAx2 コンデンサ47000μFx8 ダイオードはSBD BC80A60Ux2完全左右独立電源です(下段)。
これにニチコンのFXコン350V10000μFx4を増設しています(下から2段目)。

更に電源部に5600μF450Vx4を追加しました。(2015/1/8)