自作モノカートリッジ

 最初期の大澤式の自作MCモノカートリッジです。改造元はダイナベクターのDV−50Aという機種で、以前に購入していた格安品だったのをばらしてベースに使っています。
 この方式はカンチレバーに直接コイルを巻くと言う簡単な方法なので、まずケースやヨークなど関係ないものを外し裸にします。ネジ止めのスタイラスユニットを外しハンドドリルにチャッキングしてMMからほどいた線を200Tほど巻きました。巻線はそれほどではないのですが、むしろ線が細いので半田付けに苦労しました。直流抵抗は14Ω弱です。

 磁界発生にも工夫が必要で、巻き線付近で強力な水平磁力線を発生させる必要があります。そこで厚み方向に着磁されたマイクロモータ用のサマコバ磁石を使用し、写真の様に使う様にして解決しました。

 見て解るように本質的にコアレス、ヨークレスなカートリッジなので、開放的なすっきりとした音がします。ただし、振動系の音は残るのでこの辺が今後の課題ではないかと思います。

 出力電圧は0.25mV(5cm/s)程度でまあ普通のレベルです。モノラル動作なので縦方向の逆相成分打消しは約30dB取れていてちゃんとしたモノカートリッジになっています。それでも元々の振動系はスレオカートなので縦振動を阻害せずステレオ盤でも溝を傷めずモノ合成で聞けます。周波数特性はスポットですが、63〜16kHzで0〜−1dB程度(イコライザアンプ込み)に入っていて問題なさそう。針圧は1.7gで動作させています。

2008/6/17記