ウクレレスピーカ
某会の合宿例会で課題が小型スピーカなので作ってみた。レギュレーションはエンクロジャー容積2リットルなので、使用したユニットは小型にならざる得ない。だいぶ古いが手持ちのAUDAXの8cmフルレンジHT080G0があるのでこれを再利用した。
密閉なので低域特性はあまり期待はできない。測ったところfoは125Hzらい。このままだと周波数特性は典型的な蒲鉾型で中域が張った元気の良い音になる。実際は少しバッフル補正をして中域以上を6dBぐらい下げると大分すっきりとしてバランスが良くなる。
直列に1.5mHと5Ωをパラにして補正したのが左のグラフ。低域はほぼフラットに補正される。ついでに高域がスピーカのインピーダンス上昇で、補正がキャンセルされる為に高域も上昇するのでかなりワイドレンジになり、かなり聞きやすくなった。
このグラフは素の実測値からSpeakerWorkShopのネットワークシミュレーションで計算させたもの。実測のスピーカのインピーダンスを加味して計算してくれるので、かなり実際に近い値になっているはず。インピーダンス値をネットワーク込みでシミュレーションもできるので、インピーダンス補正などの結果もわかり易すく有難い。
このスピーカの発想の元は話題のキソアコースティックHB-1(2010/12/14)にあるようなエンクロージャを響かせたスピーカシステムはどのような音になるか?という観点だった。このユニットは過去(2008/11/25、11/30,12/5)も普通のエンクロージャに入れて試しているが、特性はマトモになるがやはり音が少し荒い点があり、いまひとつだった。
そこで今回はHB-1のような器用な箱は作れないので、いっそのこと楽器につけてしまえということで丁度容積もピッタシでお値段も手ごろなウクレレを採用。キット品(といっても本体は出来ている)で格安なものは下手なエンクロージャ顔負けで安い。もちろん合板だが表板はマホガニー?とのこと。手抜きで塗装もしていないが、下手な塗装よりかは素の方が音が良いのではと言い訳してそのまま使っている。取り付けは表板の裏に鬼目を打ち込んだ当て板を接着、ユニットをボルト止め。
容積は結構小さいので当然低音は望めない。バスレフにすればもう少し伸びるが、今度は大きな入力で低域がバタつき、ユニットが底打ちするので今回は無理に伸ばしてはいない。低域不足は適宜イコライザで補正する方向を取る。これだと容積の小ささがエアサスとして有効に働いて、かなりのパワーを入れても大丈夫なようだ。むしろ箱を鳴らす為にはパワーを入れたほうが効果が出ることもあり密閉としている。
普通の部屋だと結構低音も出て小型スピーカとは思えないふくよかな音が出ます。小型スピーカを生かすには面白いのでお勧めです。
2010/5/22