光明真言塔


光明真言(こうみょうしんごん)とは、密教系の仏教で唱える言葉です。


安曇野市堀金。光明真言塔が2つ並んでいる。

時計の文字盤みたいな異様な雰囲気で、明らかに日本風ではない香りがします。


拡大図。建立は延享四年(1747)。

梵字(ぼんじ)で「おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん」と書いてあるのだそうです。真言といえば真言宗。弘法大使空海が思い浮かびます。四国巡礼をする遍路さんたちも、この「おん あぼきゃ・・・」を唱えるのだそうです。

インドの言葉そのままなので、まるで呪文のようですが、れっきとした「お経」です。お経は「インド→中国→日本」というルートで伝わってきました。ですから普通は漢文なのですが、漢文ではなくインドの原文のまま唱えるものを、「真言」(あるいは陀羅尼)と言うのです。有名なものでは、般若心経の最後に「ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそぎゃてい ぼじそわか」というのがあるのを、ご存知の方も多いでしょう。

さて、話を戻しますが、どうやら「念仏講」や「庚申講」や「二十三夜講」のような“講”が、光明真言にもあったようです。つまり、村人が集まって「おん あぼきゃ・・・」という呪文を繰り返し唱えたのだと思います。そして、何万回か唱えた記念に、この「光明真言塔」を建てたのでしょう。