石仏を見分けるのは、なかなか難しいことです。そんな中で、お地蔵(じぞう)さんだけは、頭を丸めてあるので、誰でも間違いなく見分けることができるものでしょう。

左:東御市 袮津。地蔵菩薩の立像(りゅうぞう)。
中:茅野市 玉川。座像。よだれかけをするのも、地蔵の特徴のひとつであろう。
右:伊那市 高遠。自然石の地蔵。じっと見ていると、なんとなく地蔵に見えてくる。
地蔵は、菩薩の一種ですから、観音菩薩や勢至菩薩などの仲間です。将来、仏になるための修行中の姿を表しています。菩薩にとって、人々を救うことが、大事な修行のひとつであると言われていますから、人々は救いを求めて、地蔵にお願いをするわけです。
お釈迦さまが亡くなって、次の弥勒(みろく)が登場するまでを「無仏」の時代といいますが、そのあいだ、地蔵が救ってくれると信じられています。ほかにも、阿弥陀さまの救いに漏れてしまった人々を、最終的には地蔵が救ってくれると信じられています。
また、地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天界のそれぞれに、救いの地蔵がいるという発想から、六地蔵が多く作られました。

左:辰野町 横川 瑞光寺。一般的な六地蔵。
右:松本市。六人がひしめきあっている。一枚の石碑に無理やり押し込められたような感じさえする。

辰野町 沢底 岩花。三地蔵? もしかすると二基あわせて六地蔵なのかもしれない。岩花は辰野町と諏訪市を結ぶ、車のすれ違いができないほどの狭い谷間。現在は廃屋が一軒あるのみだが、かつては伊那谷と諏訪盆地を結ぶ往来があったのだろう。

富士見町 机。五人というのは、ほかに見たことがない。坊主頭に見えるが、本当に地蔵だろうか。なんだか5人そろうと、特撮ヒーローものを思わせる。
六角形をした石幢(せきどう)に、六地蔵を彫った例を、たまに見かけます。

佐久市 浅科。