その他の供養塔


仏教では、命あるすべてのものを「衆生(しゅじょう)」といいます。人も牛馬も虫たちも、みな衆生です。そして、衆生一切の霊を供養するために建てられた塔を、万霊塔(ばんれいとう・ばんりょうとう)と言います。なお、「塔」ではなく「等」の字が書かれることも多いです。いろんな霊という意味で、わざと等の字を使ったのでしょう。


左:大鹿村。三界萬霊等。三界(さんがい)とは、「前世・現世・来世」のこととも、「欲界・色界・無色界」のこととも、「三千大千世界」のこととも言われているが、要するに「全ての世界」という意味であろう。
右:伊那市高遠。萬霊等。「霊」の字は異体字であろう。

筆塚(ふでづか)は、もともとは、使い古した筆を供養するための塚だったようですが、書家や寺子屋の師匠などを偲んで、門人たちが建てた碑であることが多いと聞きます。


富士見町 下蔦木。左に細字で「門人中」と書かれているのが読める。

罪障消滅供養塔というのを見つけました。日ごろの悪事をチャラにすることで、長生きや極楽往生を願ったものと思いますが、詳しいことは分かりません。


塩尻市。罪障消滅供養塔。

不食(ふじき)供養というものがあります。これは月一回、食を断つ日を決めて、それを三年三ヶ月続けるというものです。ただし不食供養は女人によるものが多く、女性のつわりと関係した民間信仰だったという説もあります。


諏訪市 湖南 大熊。不食供養塔。宝暦四年。「施主村中・善女子等」と書かれており、女人講であったことがうかがえる。