1) 基本形


となりあう音、たとえばドとレを重ねたときには、音がぶつかります。いっぽう、ドとミを重ねたときには、よく響きます。

つまり、ひとつとびに音を重ねると、よい響きの和音が生まれるのです。このように作られた和音を「三和音」といいます。

次の図は、ハ長調(C:)の音階に、三和音を書いたものです。ローマ数字は、それぞれ I度、II度、III度・・・というように「度」をつけて読むのです。

このなかで、主和音・下属和音・属和音は「主要三和音」と呼ばれ、最もよく使われます。ほかのものは「副三和音」と呼ばれ、ときどき使われます。

ではさっそく、和声を読んでみましょう。すぐ下に答えが書いてありますから、確かめながら読んでみて下さい。

  C: I V I IV | II V VI | IV II V I | VI IV I

今度は少し音符の書き方が違いますが、これも読んでみましょう。鉛筆で和音記号を書き込んでみて下さい。答えは後にあります。

以後は、すべてこの書き方で和声を示します。上の段に2声、下の段に2声が書いてあって、ピアノなどでは弾きづらいかもしれませんが、すぐに慣れると思いますので、ぜひ自分の手で弾いてみることをお勧めします。

さて、和音の構成音は、下から根音・第3音・第5音と呼ばれます。

和音がどのように配置されていても、最低音が根音ならば「基本形」と呼ばれます。

なお、三和音の基本形は「五の和音」と呼ばれます。なぜなら、バスから第5音までの音程が、5度だからです。特に必要な場合には、和音記号に「5」を添えて書くこともあります。


解答
1. C: I IV I V | VI IV V | I IV V VI | II V I
2. C: I VII I VI | IV II V | VI IV II V | I IV | I