19) 反復進行


反復進行とは、ひと組の和音進行を、下方または上方にずらして反復するものです。まずは下にずらしてゆく例。

上にずらしてゆく例。

通常の和声と違い、反復進行では III が普通に使われます。反復進行中の III や VII に含まれる第7度音は、導音ではありません。したがって進行規制の必要はなく、また重複も問題ありません。

短調では、導音を含まない、短調本来の III や V や VII を使います。本書では、特に必要のない限り、これまでどおりの和音記号で示します。

ただし、反復進行中でも導音を含む V を使うことがあります。

次の和声を読んでみて下さい。

今度は七の和音による反復進行です。読んでみて下さい。

なお、反復進行は、ただ同じ形を保ちながら流れてゆくだけの進行ですから、機能理論で分析する必要はありません。T、S、D に当てはめて進行を考える必要はないのです。


解答
40. B: I V I IV | VII III VI II | V I II V | I [全]
41. a: I V VI III | IV I II V | I [全] II | I [変]
42. Es: I II V I | IV VII III VI | II V I II | I V I [全]
43. d: I IV VII III | VI II V I | IV VII I II | I V I [全]