22) 借用ドミナント VII


I に対する導和音が VII でした。同様に、II に対する導和音を VII、III に対する導和音を VII ・・・などと表記し、それぞれ「II度VII度」「III度VII度」・・・などと呼びます。

導七・減七の形も示しておきましょう。

長三和音(I、IV、V)に対しては導七になり、短三和音(II、III、VI)に対しては減七になるのです。ただし、モル諸和音にすれば、すべてを減七にすることが可能です。

分析の例を示しましょう。T→S→D→T・・・と続くふつうの機能の下に、小さな D → T が組み込まれている様子が分かると思います。

それでは次の和声を読んでみて下さい。最もよく使われるのは vVII で、あとは VIIVIIVII がときどき使われる程度です。

短調では、導音を含まない「短調本来の和音」に対する導和音を考えるのです。

導七・減七の形も示しておきましょう。

次の和声を読んでみて下さい。最もよく使われるのは vVII で、あとは VII がときどき使われる程度です。


解答
51. C: I IV vVII | V [半] | I vVII V | I vVII | I V | I [全]
52. C: I vVII V [半] | V VII VI [偽] | VII II I V | I [全] VII IV | I [変]
53. a: I IV vVII V | I vVII V [半] | I VII I vVII | I V I [全]
54. b: I V I VII | IV V I [全] | vVII V I vVII | V V I [全]