和音に含まれない音を「和音外音」、略して「外音」と言います。本書では、外音に x をつけて示します。
<経過音>
経過音(けいかおん)は、なめらかにつなぐものです。経過音は連続することもあります。
<刺繍音>
刺繍音(ししゅうおん)は、上下に揺れるように使うものです。下向きの刺繍音は、半音上がることが多いです。刺繍音は連続することもあります。
なお、刺繍音を解決せずに同音連打すると、先取音(せんしゅおん)になり、刺繍音を解決せずに他の音へ進むと、逸音(いつおん)になります。
<倚音>
倚音(いおん)は、予備なくぶつけるものです。倚音は一種のアクセントをもっており、拍点に現れることが多く、しばしば長めの音で用いられます。下向きの倚音は、半音上がることが多いです。倚音は連続することもあります。
まれに、倚音の解決を分散音で飾ることがあります。また、倚音の解決が次の和音でおこなわれることがあります。
<掛留音>
倚音をタイで予備すると、掛留音(けいりゅうおん) になります。掛留音は、ふつうは下行解決するものです。掛留音の解決を分散音で飾ることがあります。
掛留音を、切分音符や付点音符で使うことがあります。どこが掛留音か分かりにくい場合は、タイに書き直してみるとはっきりします。
以上、それぞれの外音について見てきましたが、外音は複合することがあります。また、外音に対する外音を使うことがあります。
外音は内声やバスにも現れます。特に、最高声部の音が伸びているときに、「合いの手」を入れるように使うことが多いです。
それでは次の和声を読み、外音には x を付けてみて下さい。