第3番 


A B (コーダ) という二部形式です。ただし A 自体が二部形式、B 自体も二部形式を成しており、こういうものを「複合二部形式」といいます。

まず A の部分です。8小節+8小節の2部形式になっています。第1小節の「ファ」は、あえて経過音と分析しました。もしこれが V の第7音だとすると、下行解決すべきだからです。



伴奏の右手は、いわゆる「分散刻み」の形です。メロディーをなぞったり、なぞらなかったりしています。

次に B の部分です。やはり8小節+8小節の二部形式になっています。メロディーが少しずつ高くなっていって、盛り上がってゆくように書かれています。さらに第25小節に平行短調(a:)が現れて、感情が切なく高まります。



コーダ(結尾)です。高まった感情を少し冷まして、落ち着いて終われるように、コーダを付けたのでしょう。