第6番 


再現準備をともなう A B A' の三部形式です。A 自体が二部形式、B 自体も二部形式を成しており、「複合三部形式」と呼ぶことができます。刻み伴奏が重苦しく全曲をつらぬいています。



中間部です。ヘ長調(F:) に転調しており、それまでの重苦しい感じから、少し変化が感じられます。



第27小節・第31小節の掛留音が、伴奏とぶつかっています。こういう掛留音の使い方は和声学では禁じられていますが、実際の作曲では、短い音符でのメロディーと伴奏のぶつかりは、それほど苦には感じられません。

再現準備です。属音の保続音が現れます。第37小節・第39小節の掛留音が、やはり伴奏とぶつかっています。



再現部です。同主長調で再現されています。


コーダの部分です。バスは保続音でつらぬかれており、メロディーは動きが少なく、平静に帰して終わる感じです。偶成和音(Δ)が多用されています。