楽式について


本書は和声の分析を中心にしていますが、楽式(曲の形式)の分析についても、少しまとめておきたいと思います。

○再現があるものは A B A の三部形式、
○再現がないものは A B の二部形式であることが多い。

○A も B も、長さは8小節が普通である。ただし12小節くらいに延長されることもある。
○長さが16小節になるときは、それ自体が二部形式になっていることが多い。
○そのように、内部に形式を抱えているものを、複合三部形式・複合二部形式と呼ぶ。

○再現の前に、再現準備が現れることがある。
○再現準備には、属音の保続音(オルゲルプンクト)が現れることが多い。

○曲尾に、コーダ()が現れることがある。まれに曲中に現れることもある。
○コーダには、主音の保続音が現れることが多い。また、単純な反復が現れることが多い。

以上のような、二部形式・三部形式などを「基礎楽式」と言います。基礎楽式より大規模なものは「応用楽式」と言って、ロンド形式、ソナタ形式、変奏曲形式、フーガ形式などがあります。ちなみに、コンコーネ練習曲には、変奏曲形式の曲も含まれています。(第31番、第49番)