魚的・病跡学

    病跡学ってゆーのは、芸術家と心の病気についての関係を探るものらしーです。 以下は魚が調べた結果です。

あ、「魚的には〜」と書いてあるのは魚の独断と偏見です。

 は、はっきりシナイとユウコト。 魚は医療関係者ではないので、ホントに勝手な意見です。

間違ってたら、掲示板にカキコムかでもメールでもして。

あ、言っとくけど、これも、「心の病気=才能がある」という偏見は抱かないように。

                   病理ついて詳しく知りたい人は心の問題を見よ。                  

 (一応、簡単な病気につての解説書いとくけど、魚は素人=信用すべからず

だから「何が言いたいんだ!」と思われた方、別になにかを伝えたくてこれを書いた訳ではございません。

それでも、魚の考えを聞きたい方は先に考察をクリック→考察

 

 

 <ウツについて>   
簡単に言えば、ウツは2週間以上ずっと落ち込んだ状態を指す。その内の理由がある軽症のものを鬱状態・抑鬱神経症と呼び、理由がないものを鬱病とする事が多い。ウツの症状としてはダルさや希死念慮→自殺願望がある。仮
説ではあが、脳の中では脳の中の神経伝達物資・モノアミンのが減少されるとされる設と、それを受けるレセプターが過敏になるという説がある。

ウツとイワレル方々

ミケランジェロ ルネッサンスの彫刻家・絵描き・建築家
手記から一時期、ウツと推測される時期がある。
「私は一日仕事したら、4日休まねばならない」という記述がある。
<魚的主観>
彼の作品を見ていると「生きる事の苦しさと美」を感じる事がある。彼の作品には彼が「生を悩」
んだ結果の「深い人生観(美)」があると思う。彼の人の心をぎゅっと掴む作品はそのバランスが
とれている結果だと推測する。
セザンヌ 後期印象派の絵描き
ゴッホのDr.として有名なガッシェ博士の下に通っていたらしい。
その時の病名は(本によってちがうが)ウツ病あるいはウツ状態。
しかし、彼の手紙を見ると「周期的に訪れる憂鬱な気分」という言葉を見る事ができる。   
その事と、晩年にひたいた個展の後、発作的にハイになっている事から、
魚的にはちょっと躁鬱病っぽいなーと思ったりもする。
<魚的主観>
セザンヌの初期は作品全体に悲壮感がただよう重い絵だ。それが、彼の鬱状態から来るもの
なのか、彼の好みだったのかは分からない。しかし、中年以降彼の絵は初期とは劇的に変化する。
今まであったような暗い感情を描く事を捨て、彼の言う「自然にそくしたもの」(彼の言うサンサシオン)
を描く事に終始する。
私は彼の絵を見ると自然との一体感を感じる。(それは躁状態のそれとも似てきるとは思うが)
ポロック
(ウツ状態+アル中)
アメリカ抽象主義の絵描き
母親から溺愛されていたという家庭関係のゆがみもある。
若いとき、アル中で入院もしています。ウツ状態もあった。
ってゆーか、ウツの結果のアル中と言う方が的確かも。ウツの人はアル中・各種依存症になり易い。
晩年は絵もほとんど描かず、自殺に近い形(一応、自動車事故)で死んでいる。
<魚的主観>
彼の絵には彼の鬱々とした暗い部分と、そういった感情を越えたものを感じる。それは、それをどうと
るかは個人の感覚にまかせる。私が言いたいのは、鬱々とした感情とそういった感覚的なものを対
比させる事により感覚的なものを強く見せている作品が多いという事。あるいは神業的に感情を
超えた世界を描いている。
トルストイ 小説家  深く物事を追求してゆこうとする人はウツになりやすいのカナァ。
バルザック 小説家
ヘミングウェイ 小説家 50代の終わりから、被害妄想を含むウツ病に。入院し退院後、猟銃自殺している。
梶井基次郎 小説家 「檸檬」なんかを読んでも、確かにウツっぽいカンジがする。
ベートーベン 音楽家
最近の毛髪鑑定の結果、鉛中毒であり、鉛中毒のせいのウツ病であったことが分かった。  
何故、鉛中毒になったのかは不明。
<魚的主観>
彼の音楽から私は深く物事を追求しようとする視点を感じる。私は彼の音楽で一番聞くべきなのは、
は晩年の音楽だと思う。特に、個人的にはピアノソナタNO28〜32が凄いと思う。
そこには鬱も何もかもを越えた抽象的な世界がある。
チャーチル 政治家
本当にウツ病で、第二次世界大戦をのり切ったのならスゴイ。                    

ウツとは、心のエネルギーが減っている状態の事。
よって、創作意欲も低下します。
てゆーか、生きる意欲も低下します。
ウツになる事で、創作に「+」になる面はあまりないと思う。

でも、その結果得るものもあるのでしょうか?

 

 

 

                        <躁ウツ・双極性感情障害について>
ウツ(上記)と躁が時々訪れる病気。躁状態とは、自分でコントロール出来ない程の気分が激しく高ぶった状態。ただ単に機嫌が良く、寝なくてもずっと元気などの軽い躁症状を軽躁状態と呼ぶ。躁やウツがよっぽど酷くない限り、現実の認識はちゃんと出来る。脳の中ではその状態により、神経伝達物質が増減している。気質的な病気。

                       躁うつ・双極性感情障害とイワレル方々

宮沢賢治

5年か7年周期の躁鬱だったといわれている(ドッチだったかは書いてあった本無くした
んで分からん)。
これとはあまり関係ないのだが、彼は性欲を抑える為に夜歩きまくっていたらしい(謎)。
躁状態の時もしかり。
法華経の信者。
<魚的主観>
確かに、彼の詩にでてくる「美しさ」というかそうゆうものは軽躁状態を想像させるモノもある。
彼の詩にあるような世界との一体感は躁状態ものともとれる。
北杜夫 この前、躁状態の時、株でスッて大損したらしい。
遠藤周作と仲良しでよく一緒にいたらしい。
<魚的主観>
「夜と霧の隅で」のあの独特のぅぬっとりとした質感は躁鬱によるものなのか、たんなる
性格か、どっちなのだろう?
遠藤周作 躁病ではあったらしい。
彼の夫人によればウツもあったというので、躁鬱病っぽい。
作品によく、重く暗い感情表現とかあるし。→自分がそうゆう気持ちになった事なきゃ、   
書けません。やっぱり。
北杜夫と仲良しだった。
<魚的主観>
彼の作品は、気楽なものとシリアスに人生を見つめようとするものの2種類あるように思
える。どっちも本当の彼なのだと思う。
ゲーテ 5年か7年周期の躁鬱だったといわれてる(どっちだったかは本無くしたから分からん)。
<魚的主観>
躁状態の時は気分が良くて、世界が美しく見えるから、詩とか書きやすいだろうと思う。
エドガー・アラン・ポウ 「黒猫」とか書いたのは、ドッチの時だったんだろう?
シューマン 「トロイメライ」とか、確か「奇跡の島」とか。
ピアノの指の矯正機器によりピアニストにはなれなくなる。
天才ピアニスト・クララと結婚する。
橋から落ちて溺死未遂もしている。
梅毒だったという説もある。
チャイコフスキー この人は躁鬱病説と躁鬱病+分裂病説とがある(って非定型精神病か?)。
<魚的主観>
確かに、感情波の触れ幅が信じられない程、高い音楽がある。「ロミオ&ジュリエット」とか。
自分を生かした音楽なのかもしれない。

躁は作品に凄く生かせるだろう。

                                   

                                     

 

                            <分裂病について>
現実と空想の世界が混ざる病気。おおきく分けて緊張型・破瓜型・妄想型・単純型がある。主な症状としては幻覚・幻聴・妄想であるが、それらのない分裂病もある。一般的に病識は持ちにくいといわれている。原因は分かっていないが、脳の中ではドーパミンが増えていると言われている。

                              分裂病の方々
    (この病気は皆、カミングアウトしたがらないため、実際には有名人の中にももっといると思われる。)

ジョーン ナッシュ ノーベル経済学者                                          
妄想性の症状が酷く、入退院を繰り返した。(現存)                       
ディビット ヘルプゴット 映画「シャイン」(実話を元にした)の主人公のモデル。
ピアニスト。
映画中、彼の「言葉のサラダ」と呼ばれる独特のしゃべり方は分裂病の一症状。
これは、笠原先生の「精神病」岩波新書 に載っている。
<魚の主観>
彼のCDを聴くと少し音が濁っている感覚がする。それが彼の体質的ものなのか、録音の問
題なのかは分からない。しかし、同時に感覚的に異常に鋭い部分もあり、その対比が
美しい。どっちにしろ、それは彼の独特の世界感を創っている。
芥川竜之介 ドッペルベンガーを見た人といして有名。
ドッペルベンガーは重症の分裂病の一症状。
ちなみに、自分を自覚するという事はそれだけ、現実認識能力が高いという事。
そんな人が病んだ自分を見たらどう思うと思いますか?
と、ユー訳で彼も自殺しています。
遺書には「ぼんやりとした不安」と書かれている。
(バルビツール系睡眠薬で自殺)
?ニーチェ 晩年「この人を見よ」を書いてから発狂。
(ゴメン、詳しくしらない。ニーチェについての本は病跡学の本を含め、書店で見かけたので
そちらを参考にして下さい。こちらもその内ちゃんと調べます。)梅毒という説もあり。
ニジンスキー 天才バレリーノ(バレリーノ=バレエの男性舞踊手)。
バレエの革命をした。
「牧神の午後」「薔薇の精」等の作品が有名。
→詳しく知りたい人は、山岸涼子の「牧神の午後」(青青の時代・4巻に載っている)
 というマンガを読んで見るべし。
 すっげーよく分かる。(彼女は人が狂っていく様を実にナマナマしく描く)
発病してからは精神病院で過ごし、回復する事なく院内で死亡。
彼は「薔薇の精」のポールドブラをしながら死んでいったらしい。
彼の中では彼は舞台で踊っていたのだろう。
調度、その時刻に娘のキラがベニスのサンマルク広場で「薔薇の精」を踊っている人影を
見るという、おもしろいシンクロ現象を体験している。

見れるなら、どんなに映像が悪くても、彼の踊りが見てみたい。
ムンク 絵描き。
「叫び」がとにかく有名。
絵、見るだけで混ざってるのが(現実と妄想が)分かりますね。
あの、異常な切迫感も分裂の症状だと思います。
彼は制作時期と投薬時期を分けていたらしい。

 

 

 

 

                       <境界性人格障害・境界例について>
基本的には分裂病と神経症の中間という定期になっている。性格の問題だという医者もいる。抑鬱感はあるが、ウツと違い、たいがい2〜3時間できえる。薬は基本的に効かない。特徴は自分や他者に対する評価が過多に変わる・いくどにもよる狂言的自殺未遂など。

境界例の方

太宰治        小説家
有名どころで、「人間失格」読んでみてください。
井伏の前では、彼を敬うような事を言って、その後では思いっきりけなすような事を言う。
(症状・1、物事に対する価値の上下の激しさ) 
アルコールに逃げる、麻薬に逃げる。 
(症状・2、依存)
「死ぬ」という言葉を巧みに使い、何度もどう考えても死ぬとは思えない手で自殺未遂
を繰り返し回りを操作してている。
(症状・3、狂言自殺壁)
でも、最後には本当に自殺してしまいました。
彼が使っていたのはブロムワレニム尿素(リスロンS)という睡眠薬(いくら飲んでもこの薬
ではシネマセン。「完全自殺マニュアル」は大嘘です。信じないように!著者はしぶとく生きて
るし)
<魚的主観>
この前、太宰の写真見たら(文庫のではなく)、頭に黒い雲が乗っているようなお人でした。 
彼の人生感を読んでいると、文章を書くために、わざと自分を病気的な性格にさせてい
るかのように思えてくる。

 

 

                                 <不明>

                  病名は良く分からないが、精神的に調子の悪かったとイワレル方々

 

ゴッホ        絵描き
この人については本当にはっきりしない。         
癲癇説・分裂病説・分裂病に最も近い説(境界例の事か?)・躁鬱説などがある。   
魚的には、あれだけたくさんの仕事を短時間にしたんだから、分裂ではないと思う。
よく、記憶が無くなることもあったから、ヒステリーっぽいカンジもすると思う。あくまで推測。
<魚的主観>
彼の絵(特に晩年)には、確かに狂気が有ると思う。晩年の絵には、2点分裂した構図とそれに
伴う世界観が構成されている絵が多い。
彼の絵を見ていると彼の人生の困難さを感じずにはいられない。
あ、でも「ひまわり」とか躁状態の時に感じるような独特の美しさ、はあると思う。
 夏目漱石
小説家
この人は鬱病説、躁鬱病説、とハッキリしない。
ココシュカ  絵描き
精神を病んだ自画像を何枚も描く。
ふられた彼女に似せた人形を造り、それを抱いて笑っている自画像をかいている。
本には「心を病んだとか書いてあった」ので、一応のせといた。
どう病んだのだかは知らない。
単にナルシーなだけでは・・・・・。

 

 

 

 

                                 <考察>

→ その内、ちゃんと書く

あんまり作品と作者の精神は結びつけて考えるべきではないと思う。

そんな事考えながら作品に触れると、理論的にしか作品が見れなくなるから。
しかし、同時に私は知りたい。作家がどんな精神状態で作品を創っていたのか。


個人的には、才能の豊かな人はバランスが悪い傾向はあるように思える。
それは、凡人と天才ではエネルギーの使い方が違うからではないだろうか?
私が知っている限りでいえば、芸術家と普通の人の目、あるいは視点は違う。

作家は創作をする事を第一にエネルギーを使う。
そのため、日常的な事まで関心がいかない。それは、普通の人から見れば、「常識がない=変」になってしまう傾向
はあるだろう。
もちろん、常識的な作家もいるだろうが。

あるいは、創作にエネルギーを使いすぎるため、精神のバランスを崩しやすいともいえるのではないだろうか。


創作をするから、精神の境界線を越えてしまうのか、精神の境界線を越えているから創作にカタルシスを求めるのか。


文献をあさってみると、天才は天才なだけにはっきりとした病名がつかない場合が多い。
でも、あえて言うと、日本には躁鬱系の天才が多く、西洋圏には分裂病の天才が多い。

躁鬱は、躁状態の時に感じる、高揚感や何事も出来るように感ずる体験などは創作にとても生きるだろう。

分裂は分裂の妄想等は作品に生きるかもしれない。でも、分裂の治療をする限り、創作の意欲はわかないだろう。なぜなら、
メジャートランキライザーは感覚を失くす薬だから。

ウツは意欲そのものが無くなる病気だから、ウツが酷い時には制作は出来ないだろう。しかし、その時に感じた「何か」
を制作に生かす事はできるだろう。


治療、特に投薬に関しては、メジャーに関わらず、全ての向精神薬は感覚が鈍くなると思う。

とある人は、「芸術」と「健康」は両立しない、と言った。
それが、本当かは分からない。

しかし、精神のバランスを崩した芸術家は、その治療を受けるともに制作の意欲がわかなくなるという事はあるようだ。

河合準雄は、治療を求めにきた、ある頑固な幻聴のある有名な芸術家に対し、幻聴を失くす事は出来るだろうが、
それと同時に芸術的意欲も無くなるかもしれないといったらしい。そしてその芸術家は「こいつ(幻聴)ともうしばらくやって
いきます」と言ったのだという。

それとは反対に精神の崩壊とともに、作品も崩壊して行く人もいる。
私の勝手な憶測だが、ゴッホなどはあのままいったら作品は崩壊していった(先が無い)のではないだろうか、と思う。
自分でもそれを無意識に感じ、結局、自殺という手段を選んだのではないだろうか。
ま、精神が崩壊しなくても下降線をたどる作家はいる。

何かを成し遂げるというのは本当に大変な仕事だ。
なぜなら、主観と客観とが両方とも必要だからだ。


こんな病跡学などというものを考えても、私は単に先人の残した足跡の破片をさぐるっているだけなのだ。
最後に言いたい事は、結局、私達は頭だけで作品も作家も理解した気になってはならない

 

 

 

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