Tanka-2



素材やテーマは近似しているのですが・・・

最後の「・・・ゴッサマー」の一首にはやられました




Hardshell Hardcore  Shiho・M   Chemical vapor diposition KenI
   
凍りゆく湖の岸 彫像のような君の血の色を知っている

                      凍る川を擦過してゆく藤色の閃光肌の傷の血の朱(あけ)

ぼくの掌(て)と君の皮膚その間(あわい)にもサリサリと氷砂糖はくずれ

                 やむことなく剥離する皮膚おわりなき夢の記憶として意識する夢

G線を震わせて 世界に満ちる硝煙のことはしばし忘れて

                      隧道ふかく昇華する硫黄春の野の華のごとくも闇に棲む狗

紅玉(ルビー)ひとつぶ口に含んで溶かすほどの時か この憎悪の半減期
               刻まれる影析出する硝子質の薄膜のなか胞はつつまれて
ひび割れた鏡に映る世界その欠片(かけら)ひとつひとつを雨が打つ

                   雨、流れてゆく重金属ふたりたてばクロームの鏡面やがて紫

過飽和の胸それだけで死ねそうな硫酸銅の蒼さを思い

                   過冷却の水に均衡する ナトリウム(崩壊の時をまちながら)月

   幾千の鱗をにぶく光らせて君の暗みへ沈みゆく魚

      魚の時、遡行(匂いをもとめ)樹木のふとなつかしくけれどあたわぬ帰郷

   語らざる言葉あふれてこの庭のすべての石が光り出す夜

            無限にうかびくる空虚負の電荷光に断たれてゆくあなたの髪が

   君が持つ固い殻と核その狭間には水仙の香のただよう闇が

            よこたわるきみの眠りの化身は続きせなの鱗は冷えなまめきぬ

   木洩れ陽の遊糸(ゴッサマー)散る森を往くぼくはこの世の彼はあの世の

             星からの帰還月宮蜘蛛の糸の凍る繊晶は髪に統べられて




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Pygmalion-Syndrome