われのみが知りて語らぬことどもの太々として冬の銀河は



竹下洋一 第一歌集「月光遺文」洋々社刊より



凝縮する質量、流露する抒情。時代に隔絶する本格孤高の短歌


爆走する最前衛短歌結社「月光」




「月光遺文」より

ともしびに白きあまたの蛾が浮かび後ろの闇に帰り行きしが


                                   みどりご

野を行けば身に縋りつく草の実の嬰児どこに捨てられしかな

                                      たまさか
曼珠沙華一斉に揺れ揺れ止まず生まれしことも偶さかなりき

                            まつ
子を生みて死なせし犬が纏はれば野は一面の草紅葉かな


病む胸の風のみ騒ぐ洞窟に光を放ち青き魚群は

                    そら
ひややかな昨日の青空の悲しみが剃刀の刃に残りおりしが



竹下洋一さんのホームページ 短歌通信

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