天に三つの月      (・・・ちょっと暴走してみました) Back


森の空の上の狂い踊る神 黒い桜 斑の雲 領され あなたは

ただ風に翻れただ銀色に泡立ちながら消えてゆく海

水の底の ガラスのかけらは緑、錫の匙錆びて ひとつあげる、あかむらさきの実を

野の果ての道失われた家 廃墟、草 道の痕が… あるこう

金属色の交錯シナプス、電位(鶺鴒は低く飛び)草の葉のいま穏やかに鈍くなる陽に

横たわる屍青ざめた鴉の瞳に映しあえばいま街は黎明

亜鉛白、ローズマダーさらに、明るくなる土星の呪詛、暮れてゆく庭の深く凍土

石の、透明の卵、きみのうちがわの、波紋、ゆびさきへ収斂してゆくのか、

公園を立ち去ろうとして遅く午後子どもの背後にたつ老婆たち

聴く、そして水路が途切れ影たちが歩み去るそして終の あかるみ

「ガラスに雲ながれ」ふいの永遠 青葉散る舗道のむこうに手を振れば別れ

起こる、いくつもの声、きみの背中は白に濡らす雨どうしようもなく歓喜にも似て

地を逐われた背の空洞の想起、枯れ花のきみを包み込む死と愛の名に

初夏の灰色の風のなか木の葉ひとひら、は 葉脈金の描線は、絶え

灰色の時に閉ざされている門のなかにひとりとりのこされゆるされぬ 罪

骨と根と、待ち続ける白の哀しみ、回路はいまも断たれたまま、夏草は緑

土星の夜、朝はもうこない(大人たちは死に絶え)三つの月天に浮かんでだから… あそぼう

絡みあう髪のながれに凍る夏、低い光、ただ銀の響き満たし 触れられてのちの

ではなかっただろうか 劈開面の虹彩ゆびに歪みいま粒子の閃光する残響

風のふきはらうあかるい砂いとおしくて その名によばれ いこう いっしょに





(・・・ちなみに、ぼくのすむ街で、月が三つ、あるように見える場所があります)