ファミスタ’90

 


  ゲーム内容 ・・・・・・  66点  
  思い出加点 ・・・・・・ +10点  
  
  総合獲得点数 ・・・・・・ 
76点


 元祖プロ野球ゲームの90年度版。
 当時、プロ野球連盟の認可などなかったのだろう、
 ほとんどの野球ゲームに実名が使われる事はなく、
 似くさい名前で選手が登録されていた。
 ファミスタも例外ではなく、
 中日ドラゴンズの落合は『おみあい』。
 近鉄バファローズの野茂は『おも』等々。
 ニュアンスのわかる名付け方だった。
 特に野球好きというワケではなかった僕にとって
 そんなことはどーでもよく
 僕の中では今でも
 Gチームの主砲は『はらたつ』である。

 そんなファミスタとの出会いは小学校5年の頃。
 僕と同じ住宅に住む友達、
 Kちゃんの家でだった。
 そのKちゃんの誕生日に招かれて、
 みんなでワイワイ遊んでいるところを
 僕はただ見ていたのを覚えている。
 初めて見るゲームのジャンルに戸惑っていたのだ。
 とにかく負けず嫌いな性格であるからして、
 操作方法のわからないものに
 むやみに手を出さなかったのである。

 したたかで・・・、自分で言うのもなんだが、
 当時の僕は、
 とても気に食わない少年であった

 そんなこんなで月日が経ち、
 Kちゃんちにも通いつめ、
 ファミスタの実力はメキメキ上がっていった。
 のだが、どーしても持ち主のKちゃんには
 90%の確立で敗退してしまうのだった。
 彼の特筆すべきウマさは
 そのずるがしこい走法にあった。
 足の速いキャラを使わせたら、もう手が付けられない。
 ナムコスターズの『ぴの』が、それだ。

 まずセーフティバントで楽々1塁へ。
 そして続けざま盗塁。
 キャッチャーの投げた玉が2塁へ届いた頃には
 すでに3塁へ向かっているのだ
 『おのれ、させるかーッ』
 とばかりに勢い込んで3塁に投げていては
 もう遅い。
 『ぴの』はホームインしている
 常に一歩先、一歩先を
 考え行動しなければならないのだ。

 さらにKちゃんの家で
 ファミスタをやるときには
 とんでもない『縛り』があった。

 @ボール球は10球しか投げてはいけない。
 Aフォークボールは3球しか投げてはいけない。
 というもの。
 このバランスが絶妙で、
 ここぞというときの必殺ボールとして
 フォークボールが機能するのだ。
 9回裏まで3球残しておいて、
 ラストバッターに惜しげもなく使う
 フォークボールは格別であった!
 2死満塁ツースリーの場面で
 次の球をフォークボールだと見抜き、
 勇気を振り絞って見逃すのもまた
 痺れるものがあった!
 (見逃せばフォークボールは、ほとんどボールになるのだ)

 やはり野球ゲームは対人戦に尽きるものだと云うことを、 
 このとき覚えたのだった。

 今は引っ越して遠くへ行ってしまったKちゃんと、
 もう一度ファミスタで勝負できたら
 さぞかし愉快なんだろうなぁ。
 と思う今日この頃である。

2003年5月11日 


かっとーばせー! お・み・あい!