ヘビに咬まれた場合には
毒ヘビに咬まれた場合は,慌てると血流が早くなり毒の循環も早まるので,落ち着いて対処することが肝心である。
まず,咬んだヘビの種類を正確に同定する。少なくとも,マムシとヤマカガシの区別ができる ようになっておきたい。夜間はヘビの体が確認できないことが多いので,歯型で判断するしかない。マムシには上あご先端に1cm位の間隔で2本の毒牙があるので,注射針を刺した後のような傷が2つできるが,毒牙が1本だけ刺さった場合は1つしかできない。無毒のヘビやヤマカガシに咬まれた場合は,左右2列の小さい歯の跡ができる。マムシとヤマカガシの抗毒血清は異なるので,咬んだヘビと異なる種類の抗毒血清を注射しても治療の効果がない。
再度咬まれないようにその場を離れる。
傷口を切開し毒を吸い出す方法はあまり効果がない。逆に,傷口からの細菌感染の恐れがある。
タオル等で縛る場合は,強く縛りすぎないようにし,時々緩めて血液の循環を促す。
マムシに咬まれた場合は,表3で示した病院で速やか治療を受ける。
ヤマカガシの抗毒血清は,日本蛇族学術研究所(群馬 TEL 0277-78-5193),国立感染症研究所(東京),杏林大学(東京)にしかない。