『お前の泥棒してる理由。俺と同じか?』

 見抜く鋭さ一つない眼差し。ただ見えているとばかりに告げられた言葉。
 詳細など何一つ知り得る筈もなかったと言うのに、新一は簡単に指摘する。それこそが稀代なのだし、恐ろしいのだ。
 白い翼はもう血を吸って、どれ程飛べるかも判らない。
その時は、最期のその瞬間は、何より大切な名前を呼んで、逝くと決めていると言ったら、新一は泣くだろうか?怒るだろうか?           



『お前の為になら、犯罪者にくらい、なってやっから』


 だから戻って来いと、還えって来いと新一は言う。
とても甘美な誘いだけれど、それは到底できそうにない。
辿り付くのは、きっと肉片や骨の欠片だ。父親程に潔くはないから、何かしら遺こして逝きたいのだとは思うけれど。
 死んだのだと言う確定できる事実を。
生死が判らないという不確定な状況を与えぬように。
確定できる死の認識を理解できるように。
 肉や骨の欠片。組織の一部、何でもいい。黒羽快斗が死んだと確定できる事実を新一に。
 そして、離れたくはないのだ。とてもとても大切な新一の傍から。
 だから最期は辿り着く。
たった一つ、たった一人の大切な名前を呼んで、最期の最期には辿り着くから。 


 だからその時は、せめて笑っていて。


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