越前リョーマへ


 零れ落ちて行く記憶を繋ぎ止める事はできないから、せめてもの慰めに、日記を書こうと思う。
 だから。これを初めて読む越前リョーマにも、それは続けてしいとほしいと思う。












 桃先輩…桃先輩…桃先輩…桃先輩……桃先輩…
あんたの事、俺は一体いつまで、覚えてられるんだろう?
お願いだから。探し出さないで。
そう思う傍らで、どうか探し出して抱き締めて。そう願う。
あんたのその手で殺してくれるなら、本当はそれが一番倖せだけれど。あんたを犯罪者になんてできないから。俺は身を隠す事にする。
きったあんたサイテーに莫迦だから。俺がそうと望めば、きっと叶えてくれちゃうんだろうから。
 桃先輩…桃先輩…桃先輩…桃先輩…桃先輩…
あんたを忘れるくらいなら、今此処で死んだ方がまし。
だからどうか、俺があんたを忘れたら、あんたは俺の事なんて憐まなくていいから。どうか忘れて、笑って生きて。
                


「俺を、殺して………」

 たった一つ、抱き締めた名前を忘れるくらいなら。



越前への返信


天国に電話でもあれば、願う言葉の一つくらい届けられるのかもしれないが、そんな事は到底叶わない繰り言だから。
俺はお前に返信を書く事にする。

お前が遺こしてくれた柔らかい言葉を思い出して。
俺はお前の後を書こうと思う。


なぁ?お前、怖くなかったか?
お前って奴は、絶対そういう部分を見せてくれないから。
怖いなんて言える奴じゃないから。きっと言葉に出せない分だけ、怖かったと思う。
ゴメンナ。
最後の最期まで、付いててやれなくて。

俺な、留学決まったし。
お前がそうと願ってくれたように。
テニス続けて行くから。

だから時間見つけて、書こうと思う。
お前との記憶を。
これからの未来を
これは、お前への手紙だから。
いつかお前に届けばと思う。

My life

我が人生
我が生命
  
覚えとけよ

お前は俺の大切な人生の一部だ。



「越前…越前…越前…越前…越前……」


 My life

 お前は俺の魂そのもの


My Life