単体である単細胞は、分裂を繰り返し自己を複製し続ける。
男女の関係、或るいは牡と雌の関係に存在するのは、愛の営み以前に、種を保存し続ける自己複製と言う、遺伝子のプログラミングが優先される。
元々牡と雌の間に在るのは主の保存と言う自己複製のシステムにすぎない。動物は遺伝子に忠実に番を経て、自己を複製し続けて行く。その行為に意味や理由を求める事なく、ただ淡々と自然の流れの中で、複製を続ける。それこそ自然の摂理だと言うように。
肉体は遺伝子の乗り物にすぎないと言う自己的遺伝子論から言えば、確かにこんな行為も無意味で、牡と雌の間に転がる生産性は何一つない。だったら自分達の関係は何なのだろうか?フトそんな下らない事を考えてみる。所詮考えてみた所で、明確な答えなど出る筈もないのは毎回の事だ。こうしてこの行為に毎回答の出ない意味と理由を求めるのは、それらが存在すれば、安心して寄っかかっていられる、その程度のものだ。どれ程の言葉を羅列してみせた所で、この爛れた行為に意味と理由を求める為の安心材料。きっとその程度のものだ。
誰だって、己の行動に意味と理由を付けていれば、安心できる。内界の為の理由と意味が、何より必要なのだ。
理由の為の理由をただ下らなく羅列して、それに意味を求めて自己を納得させれば、ただ安心で、行動に正当性を求められる。きっとその程度の下らない感傷の一部。
「んっ…ぁぁんっ…んっ…ぅぅ…ぅん…」
胎内深くに埋没する男に、腰を揺すり立てられる。バカみたいに感じて、快感に喘ぐ嬌声が遠くに聞こえる。
「いっ…ぃ…ゃぁ…ダ……ダメェ…」
眼の眩む絶頂が目前に迫っていて心臓が早鐘を打っていて、呼吸が苦しい。
「やっ……!」
裂く程淫らに下肢を開かれて行く。もう限界まで入り込んでいる男が、尚番いたいと欲求を押し付けて来る。そのくせ肌を嬲る愛撫は呆れる程労りが込められている事が可笑しい。
「やぁっ…」
揺すり立てられて行く腰。深く埋没する雄に、否応なく肉の奥を暴きたてられて行く。
たった一人しか知らない肉の奥が、女にされた躯が、浅ましく身悶える。
「やぁ…や…め…て…」
バカみたいだ。感じて感じて、ただ爛れた快感に啼きじゃくっているくせに、意識の一部は奇妙に冷静で、相手の嘘を適格に見抜いて行く。
「ゃっ…あっ…」
求めたのは自分。一時の救いに、爛れた肉の熱さだけが欲しくて、浅ましく下肢を開いたのは自分だ。
「たすけて…」
そのくせに、絶頂に達する直前にいつも感じるのは、爛れた快感とは対極にある凍り付く恐ろしさでしかない。
感じて啼いて、放つ恐ろしさ。そして、内部に放たれてしまう怖さ。違う相手に穢がされて行く生々しい恐怖。
どうせ忘れてしまうのに。答えの出ない自問自答を繰り返す繰り言と同じで、一時の救いに覚えていられる筈もないのに。その恐怖くらい、その程度の感情は、持っていて欲しい、きっと自分を抱く男はそう願っているのだろうけれど。それさえ、救いにもならない事を承知して。
痛みや恐怖は人間の存在の中核に位置している純粋な感情の一部で、それは『生きている』と言う事だ。だからのたうつ快感の淵に存在してしまう恐怖くらい、覚えていてほしいと、願いを掛けて来る事を知っているのに。それさえ覚えてはいられない。
カワイソウナ、ヒトタチ。
入れ替わり立ち代わり穢がしても、その恐怖さえ簡単に手放してしまう自分相手に、何を心を砕いているのだろうか?所詮他人の事なのに。何をそんな必死に願いを掲げているのだろう?判りそうで判らない。心の一部が機能停止してしまったように、何一つ巧く纏まらない思考回路。
今はダレが、自分を抱いているのだろう?
判っているのは、欲しいヒトじゃない、それだけだ。そんなちっぽけな事実の一つが、ひどく哀しい自分に気付いて、絶望的だと思う。
欲しい相手じゃない。それだけ判っていれば十分だ。今自分を抱く相手の事は、きっと知らなくても問題にもならない。
「たすけて…ぃ…やっ……」
足掻いてもがいて、バカみたいだと、意識の外の反射に嘲笑が漏れる。
快感が欲しくて、一時の慰めが欲しくて、何も知らない子供のフリをして、ただ警戒心を忘れた子供の無心さで、救いにもならない救いを欲したのは、自分なのに。
「んっ…んっ…」
寂しいなんて、免罪符にもならない。
慣らされた肉の熱さを忘れたくて、たった一人の熱が欲しくて、与えられない快感に、救いを求めて腕を伸ばした。
「ぃゃ…ぃや…いやぁ…やだぁぁ」
掻き回され、強引に押し開かれて行く肉襞。柔らかく爛れ充血している薄い粘膜を、下肢を開いて尚求められ、衝き射れられて行く。
「たすけて……」
痛い程昂まる自身を柔らかく弄ばれ、内部で質量を増して行く別の男。
ナンテカワイソウナ、ヒトタチ
求められてもいないのに、求めてくる。何かを必死に願い掛け。
カワイソウ…。
「んっ…やっ…たすけ…たすけて…いや…」
感じて尚恐怖が増す。
肉の底、血の奥が溶けて行く快感に身悶え喘ぎ、それでも。迸る嬌声は悲鳴しか紡げない。
タスケテ……。
揺すり立てられ、浅ましく下肢を開かれ、幾重もの劣情を受け止めて尚。感じる事はできない。
タスケテ……。……先輩…。
「んっ…んっ…ゃっ…やぁっ…もぉ…」
求めながら、逃げ出したくなる。何も知らない子供のフリをして、何も知らない処女のフリをして、本当は教えこまされている躯。
たった一人に開かれ、女にされた躯。たった一人の男に娼婦にされた躯。苦痛を味わう事と、快感を貪る事は、とてもよく似ている。
『リョーマ』
跳ねる心臓。呼吸が引き攣れたように苦しくなる。
『ヒマワリに似てるよ』
『なんだそりゃ?』
『真夏の花だから』
まっすぐ太陽に向かって伸びて、夏の熱さを喜んでる所が、そっくりだと思う。
『夏男って事かよ』
『だって、夏生まれじゃん』
『まぁ、そりゃそーだけどな』
『光の花』
『そりゃ日輪の花ってんだよ』
『何ソレ?』
『太陽の花』
『太陽ってより、光って感じ』
『それで光の花かよ』
「やぁ…ゃぁぁ…もぅ…やだぁぁ…」
掠れた声。掠れた悲鳴。感じてるくせに、バカみたいだ。
違う男を咥えこんで、綺麗でいるつもりなのかと、自嘲する。否定の言葉を上げていれば、免罪符になるつもりでいるのか?言い訳にもならないくせに。
「だ……して……」
暴かれて行く肉の奥。ドロドロに爛れた肉の底まで届く劣情。
「……もぉ…ぬ…いて…」
それでも男はまだ達してはいない。ガクガクと揺すり立てられて、劣情を放たれるのを持つしか術はない。
「だして…や…もぉ…やっ……」
『お前さ……』
『大丈夫かよ……』
まるでそれしか心配などないと言うかのように、苦笑した顔。腹が立つ程大人びて見えた。
『お前が、笑っててくれれば安心なんだけどな』
『ナニソレ?女じゃあるまいし。誰かと勘違いしてじゃない?』
『お前は、そうして小生意気な口叩いて、笑っててくれればそれでいいって感じだなぁ』
『一つしか違わないくせに』
知ってる……大切にされてる事なんて。そんな事、とっくに知ってる。今更だ。
「あっ…あっ……たすけ…たすけて……」
「越前……」
急速に耳に落ちて来た声に、恐怖と嫌悪しか感じられない。そのくせに、目前まで追い上げられた絶頂は、イキたいと浅ましく男の愛撫をねだりきっている。
「ヒィッ…やだぁぁぁっ!」
嬲られて咥えこんで、自分は被害者みたいな顔をして。
タスケテ……タスケテ……。
「桃先輩……」
光の花……。
「あっ…あっ…やぁぁぁぁぁっ!」
蒼い空。何処までも続く綺麗な蒼。太陽に向かって伸びる花。
『光の花って言うと、嘘くさいけどね』
『なんだよ嘘って』
『だって、あんた人でなしの悪党だから』
『お前なぁ〜〜俺程恋人に誠実な奴居ねぇぞ』
『嘘つき』
ウソツキ……。
最低な嘘付きだ…。自分がこんなに壊れているのに。バカみたいな笑顔しか思い出せないなんて…。切れ端を掴むように、それしか思い出せない。
「…桃先輩……」
蒼い空。夏の緑。照り付ける日差し。まっすぐ伸びる光の花。
ナンテ、カワイソウナ、ヒトタチ。
哀れみなんて、いらないのに。救いなんて、意味はないのに。皆バカだ…。
バカでバカでオオバカなお人好しだ。
□
非生産的な同性間の行為は、遺伝子が壊れていると言う説もある。所詮疑似行為の延長線にすぎない。何も生産されず、自己も複製されない。それは、種の保存と言う遺伝子が持つ最優先事項から、著しく逸脱しているからだ。
でもだとしたら、これ程深い絶望的な快楽に耽溺する心地好さは、一体何だと言うんだろうか?
望みを絶たれる深い淵を絶望だと言うのなら、極めた快楽の底に垣間見える昏い淵は、絶望的だ。絶望的に深く澱んで、だからこそ心地好い。泥沼に漬かり込んだ気分が心地好い。抜け出させないのだと言う意識が、ひどく快感を刺激して行く。
そんな愚にも衝かない事を、ただ漠然と羅列して考えてみる。けれど所詮そんな事は、無意味に等しい。
精々保つ意識はものの数分だ。抱き締められて、キスをして、大抵其処で意識は白濁してしまう。自分を女に作り変えた男の腕の中で、身悶え喘ぎ、果てて逝く。
「んっ…ぁぁっ…ぁん…桃先輩…桃先輩…」
舌足らずで辿々しい嫋々の喘ぎ。歔り欷きの合間にフト垣間見せる切なげな貌が、牡の嗜虐を刺激する事を、リョーマは知らない。ただ無心に、ただ一人の名を繰り返し、自分を抱く男の背に朱線を描いて行く。
「どうしたんだ越前?お前えらく積極的だな」
昼日中、リョーマの部屋で抱き合う行為は初めてに等しい。
昼間から部屋のカーテンを閉めていれば、そうと言っているようなものだ。薄暗い、けれど夜の暗闇の暗さはない室内で、リョーマは淫らに乱れて白い裸体を身悶えさせて行く。
いつだって、リョーマに躊躇いはない。呆れる程、簡単に下肢を開く。最初こそ羞じらってはみても、数分で手練手管に陥落の悲鳴を上げ、腕の中で急速に快楽に溶けて行く。それが牡の征服欲を満足させて行くものだから、桃城は自分の幼稚な所有意識に自嘲する。
「夜より、もえてんじゃねぇ?」
昼間だからなのか?誰も居ない室内。二人の吐息しか聞こえない家の静けさ。けれど家の外には日常という現実がある。そういった喧騒が、リョーマを駆り立てているのか桃城には判らなかった。
「んっ…んっ…ぁぁん…桃先輩…集中してよ…」
久し振りの逢瀬なんだからと、リョーマは伸し掛かる桃城の肩口に軽く歯を立てた。
両親も従姉妹も出掛けていて夜まで戻らない。そんな中、昼間の行為は何処か夜と違った意味を持つようで、リョーマは自分でも可笑しい程、肉の底が灼け爛れて行くのを意識した。
「集中ね…」
試合じゃねぇぞ、桃城は笑うと、
「それじゃお姫様、いかように?」
耳朶が弱いリョーマの耳元で息を吹き掛け柔らかく笑うと、首筋に舌を辿らせて行く。
その合間にも、長い腕は白い肌を柔らかく撫でて行く。
「バカ…」
労るように触れて来る指先に、焦燥が湧く。一時も早く番いたい肉の欲求が、意識を急かす。
「メチャメチャにしていいから」
下肢を絡め、粘稠の愛液を滴らせる浅ましい自身を猛々しい雄に押し付ける。自ら細腰を浮かせ、雄をねだる。既に小さい肉の入り口は爛れた熱に浮かされ、喘いでいるのが判る程だ。
「お前…何かあったのか?」
不意に心配になり、上気する小作りな貌を覗き込む。覗き込むと、嫌々と小さい頭が振り乱されるのに、益々不安になる。
「何も…何も…ないから…抱いてよ…」
ただ一心に縋り付く。そうしていないと腕から大切なナニかが零れ落ちて行きそうで、恐ろしくなる。肉は爛れた熱ばかりを伝えて来るのに、意識の何処かが奇妙に冷静で醒めている。
醒めて怖がって、だから益々熱くならなくては怖いのだ。肉の欲で、身の裡から湧き起こるナニかを誤魔化してしまいたい。仄昏い深淵に垣間見えるものになど、気付きたくはない。
「何もねぇ事ないだろうが」
覗き込んだ白皙の貌は、恐ろしい程の艶冶を滲ませているのに、桃城には何処か泣いているように見えた。思えた、感じたのもしれない。それが益々不安をかきたてて行く。
「お前……?」
嫌々と遮二無二振る細面の頬を掬い上げるように固定し、視線を会わせて覗き込む。
何か不安がっている事は判るのに、言語に起こせる明確な理由は何一つも判らない。ただ判る事は、不安がっている事、それだけでしかない。
「…桃先輩…」
「どした?」
「何処にも…」
「リョーマ?」
ポロポロ溢れる涙は、快楽に浮かされながら、官能に啼いてはいなかった。透き通る蒼味を帯びた眼差しの奥の奥に走り抜けた影を、桃城が見逃す筈はない。
「お前、やっぱ何かあったな?」
急激に不安にかられる。桃城は攅眉し、コツンと額を合わせて問い掛ける。まるで大人が子供をあやす時にする仕草だ。
肌を合わせ、番う行為をしている最中、ソレは些か子供じみている。
「桃先輩が…」
掠れた声。
「んっ…ぁぁん…桃先輩が…」
んッ…と泣きながら、それでも快楽に弱い躯は、血の底から湧く官能に屈伏するしかなかった。
「やっ…ぁぁん…桃先輩…早く…」
細腰を淫らに揺すり立て、桃城をねだる。肉が爛れて充血しきっているのが、浅ましい程判る。浅ましいと思うのに、止められない。たった一人が欲しい想いなど、気付きたくはなかった。気付かされてしまったソレが、今は怖い。欠けていたものが満ちてしまえば、怖いのは道理だ。きっと欠けには戻れない。戻れないからこそ怖いのだと、朧に判る。判っている事は、きっとそんな程度の些細な事だ。
「い…い…はやく…きてぇ…」
「リョーマ…」
「欲しい…」
「後悔すんなよ。昼間から挑発したお前が悪いんだからな」
のたうつ下肢を掬い上げるように膝を胸まで屈曲させ、左右に押し開くと、喘ぐ肉の入り口が判る。
爛れた熱に充血し、内部の肉襞を淫靡に垣間見せている、リョーマの女の部分。どんな女より淫靡で、快感に弱いソコを、その内側を、桃城は熟知している。自分が慣らし女にした躯だ。何処が弱くて悲鳴を上げ淫蕩に身悶えるかなど、今更だ。
桃城は昂まる自身を小さい入り口に押し付けると、ズルリと押し込み、尚下肢を開いて行った。瞬間、仄明るい室内に、リョーマの生々しい女さながらの喘ぎが、嫋々に響いた。
□
「ねぇ桃先輩『死ニ至ル病』って知ってる?」
「ああ、『絶望』の事だろ?」
情後。目蕩むような柔らかい抱擁を繰り返し、囁くリョーマに、桃城はやはり怪訝な顔をしてみせた。リョーマの不安定さが何に起因しているのか判らない。当然理由など推し量れる筈もない。けれど、自分が何かしら関係している事だけは判った。らしくない程縋りついてきた腕がすべてを物語っている気がした。
「望みを絶たれる程深い淵ってさ…」
失えない者を見付けてしまった時の恐怖に似ている…。
失えないもの。失いたくないもの。執着する存在を持つ恐ろしさ。それは常に失う時がくる事に、怯えなくてはいけない気がして怖かった。誰かに所有され、所有する事など、心を壊される殺人に等しいと思っていたのに…。
「誰かを好きになるって事と、似てる気がする」
「なんだよそりゃ」
んじゃ今の俺達のこれは、絶望的かよ、桃城はクシャクシャと、しっとり汗を含んた柔らかい髪を掻き乱す。
「深い淵に堕ちてくみたいだから」
「お前時々、判らねぇな」
断片的な言葉を羅列する事のないリョーマは、けれど時折そんな言葉を口にして、ひどく桃城を困惑させる。きっとリョーマ自身、明確なものではなく、ただ漠然とした感情の一部を言葉に並べると、きっとこんな断片的要素になってしまうのかもしれない。
腕の中の、こうしてみれば幼い顔を覗き込めば、深い淵を湛えた蒼味がかった双眸が、まっすぐ自分を見ている事に気付く。
「絶望的に人を好きになるってさ、やっぱ何処かイカれてるんだと思う」
頭とか、心とか。
心も考える機能が頭脳なら、それはやはり頭がイカれてしまっているのかもしれない。
リョーマはただ漠然と、そんな言葉を口にした。
「それはつまり…」
絶望的に、ダレかを好きになるって事は、この状況から察するに、そういう意味を含んでいるのだろうか?窺うように覗き込む桃城に、
「でも躯って、別かな?」
「お前なぁ〜〜」
ガクリと、桃城は脱力した。
もしも……。
「…桃先輩…」
タスケテ……。
容赦なく解離する躯と心。快感の裏側に存在する生々しい恐怖。突き付けられて行く事実。何処にでも転がっていると言うように。
失えないものなんて本当はとても少なくて、生きていくのに必要なものなんて、本当は幾つもない事に、こんな時になって気付かされる。
もしも…自分を抱く腕が、喪失してしまったら…。
決して叶えられない願いを掲げる事しか、できなくなってしまったら。
『頑張れなんて…無責任な言葉だって、自覚してんだけどな』
その言葉が、どれ程祈りを込めた願いだったのか、気付かない筈はなかった。
『お前が、笑ってくれてれば、安心なんだけどな』
耳に落ちた声。慰め一つにもならない、嫌悪ばかりが急速に湧いてきて、恐ろしくなる。
「…桃先輩………」
縋るに、痩せ細った白い腕が、虚空に伸びる。
「助けて…」
叫び達して尚満たされない。躯と心は解離していく。
耳に落ちる声は哀しい程皹破れ傷ついている事が判るのに、慰めの言葉一つ出てこない。
本当に、ダレかを好きになるなんて、分が悪い。
だから嫌だったと言うのに……。
サイテーな人タラシは、今だって笑顔のままだ。
蒼い空、夏の緑。太陽に伸びる光の花。
願い掛ける程ダレかを好きになるなんて、絶望的だよ。
それこそ、『死ニ至ル病』そのもの。
【コメント】
これだけじゃ、何が何だかサッパリ判らない、意味不明な話しになってますが、裏掲載シリーズの顔見せです。本編は『光の花』です。なんかこのタイトルもなぁ……どうよ自分?って感じですが。
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