愛知県知事選挙の当選者(大村氏)の回答

 2011年2月6日投票の愛知県知事選挙に5人の方が立候補を予定していました。

 そこで、子どもをタバコから守る会・愛知から、これらの立候補予定者に、喫煙問
題及びタバコ対策に関するアンケートをお願いしました。

 2月6日の投票の結果、大村秀章氏が当選しましたので、大村氏の回答をここに
示します。

 大村氏の回答はかなり積極的でしたが、充分でないところもあったので、期待を
込めて「子どもをタバコから守る会・愛知」の意見を加えておきました。

 今後、会から改めて働きかけを行う予定ですが、ぜひ、早期にいろいろなタバコ
対策を実現させてほしいと思います。

                                      2011年2月13日
                 子どもをタバコから守る会・愛知

                  世話人  家田 重晴(中京大学体育学部)
                        磯村  毅 (リセット禁煙研究会)
                        稲垣 幸司(愛知学院大学短期大学部
                                歯科衛生学科)
                        魚住君枝子(表山クリニック)
                        大沢  功 (愛知学院大学心身科学部)
                        谷口 千枝(名古屋医療センター禁煙外来)

                  事務局長 家田 泰伸((有)家田印刷社)

***********************************

連絡先: FAX 052−872−6171  nobui@aqu.bekkoame.ne.jp
〒467-0828 名古屋市瑞穂区田光町2-4-3
子どもをタバコから守る会・愛知 事務局長 家田 泰伸
 電話 052-881-3594
 ホームページ http://www.no-kidsmk-ai.com/

 

      喫煙問題及びタバコ対策に関するアンケート

 以下の質問について、各々の選択肢の中から一番当てはまるものを1つ選んで、
番号に○をお付けください。

Q1 2005年2月に保健医療分野で初の世界条約である「たばこ規制枠組条約」が
 発効しましたが、タバコ消費の抑制と公共の場における受動喫煙の防止を目的と
 しており、そのための効果的な対策を実施すべき期限は2010年2月となっていま
 した。

  あなたは、「たばこ規制枠組条約」の対策実施期限をすでに過ぎてしまっている
ことをご存知でしたか。

 1.はい、 2.いいえ、 3.その他(自由回答)

 ☆ 大村氏:1 「知っていた」と回答

Q2 日本でも2003年5月施行の「健康増進法」(第25条 受動喫煙の防止)におい
 て、学校、官公庁施設、飲食店などの施設管理者に受動喫煙防止の措置を講ず
 る努力義務を規定しましたが、その後に「たばこ規制枠組条約」の「受動喫煙防止
 ガイドライン」を受け、不十分ながら、厚生労働省が2010年2月に、受動喫煙を防
 止するために飲食店や娯楽施設など多数の人が利用する公共的な空間について
 は原則として全面禁煙とするよう求める通知を、都道府県知事などに向けて出し
 ました。

  あなたは、この厚生労働省の通知をご存知でしたか。

 1.はい、 2.いいえ、 3.その他(自由回答)

 ☆ 大村氏:1 「知っていた」と回答

Q3 文部科学省は2010年3月に、厚生労働省の同年2月の通知を受けて、各都
 道府県教育委員会などに対して、改めて「学校等における受動喫煙防止対策及
 び喫煙防止教育の推進について(通知)」を送りました。そして、その際、「公共的
 な空間については原則として全面禁煙であるべきである」、「屋外であっても子ど
 もの利用が想定される公共的な空間では、受動喫煙防止のための配慮が必要
 である」との厚生労働省通知を引用するなどして、学校敷地内禁煙の推進を図っ
 ています。

  あなたは、この文部科学省の通知をご存知でしたか。

 1.はい、 2.いいえ、 3.その他(自由回答)

 ☆ 大村氏:1 「知っていた」と回答

Q4 愛知県立学校は、すでに2004年度から全て敷地内禁煙になっています。県
 内自治体でも名古屋市、岡崎市、豊橋市などの32自治体が、公立学校の敷地
 内禁煙を実施または予定しています(瀬戸市は2012年4月までに実施の予定)。
 しかしながら、残りの25自治体は、建物内禁煙にとどまったり、各学校の判断に
 任せたりしていており、子どもの保護者などから受動喫煙の苦情や敷地内禁煙
 実施の要望が寄せられています。

  なお、全国では、すでに8府県が全公立学校の敷地内禁煙を実施しています。

  あなたは、県内の全公立学校(大学・専門学校等を除く)の敷地内禁煙を、どの
 ように実現しますか。

 1.県主導ですみやかに実現する
 2.各自治体や学校に積極的に働きかけることによって実現する
 3.その他(自由回答)

 ☆ 大村氏:1 「県主導ですみやかに実現する」と回答

 * 回答のように、県内の全公立学校(大学・専門学校等を除く)の敷地内禁煙
   については、ぜひ県主導ですみやかに実現してほしいと思います。

Q5 学校敷地内禁煙の影響もあり、中学・高校生の喫煙率が大幅に低下してき
 ました。そして、大学・短大でも国立大学法人や医学部キャンパスを中心に敷地
 内禁煙が増えてきました。しかし、愛知県でも2011年度から愛知教育大学が敷
 地内禁煙を実施するなど、敷地内禁煙のキャンパスが増えてきましたが、全体
 の中ではまだ一部に過ぎません。敷地内禁煙でない大学では、せっかく喫煙す
 る入学者が少なくなっているのに、入学後2年もしないうちに、以前と同様の値
 にまで喫煙率が上ってしまうという残念な事例が見られるようになってきました。
  日本学術会議も2008年3月の政府への要望書において、「大学を含めた全て
 の教育機関の敷地内禁煙の早期実現をはかるべきである」と提言しています。

  他県をみると、兵庫県では2003年の「受動喫煙防止対策指針」の中で下記の
 ような、私立校や大学も含めた教育機関を全面禁煙とする目標を示したため、
 私立学校や大学等においても敷地内禁煙がかなり進んできました。

 ・教育機関(小中高):2005年度内に敷地内禁煙100%を目標とする。
 ・教育機関(大学・専門学校等):2005年度内に敷地内禁煙100%を目標とする。

  あなたは、大学・専門学校等の教育機関の敷地内禁煙を推進するために、愛
 知県の「教育機関(大学・専門学校等)の敷地内禁煙100%を目標とする」指針
 を策定することについてどう考えますか。

 1.遅くても2012年度内を目標とする指針を策定する
 2.その他(自由回答)

 ☆ 大村氏:2 (自由回答) 禁煙100%が望ましいと考える。教育機関の現状
          を調査し、関係者の意見を伺いつつ、すみやかに進める。

 * 名古屋市とも連携して、遅くても2012年度内の100%達成を目標とする指針
   を策定してほしいと思います。

Q6 敷地内禁煙が、病院機能評価の項目や禁煙治療の保険適用施設の条件に
 入ったことにより、病院や診療所の敷地内禁煙がかなり進んできましたが、まだ
 不十分です。

  あなたは、県内の病院・診療所の敷地内禁煙をどのように実現しますか。

 1.県主導ですみやかに実現する
 2.医師会等を通じて各病院・診療所に積極的に働きかけることによって実現
  する
 3.その他(自由回答)

 ☆ 大村氏:2 「医師会等を通じて各病院・診療所に積極的に働きかけることに
          よって実現する」と回答

Q7 厚生労働省の公共的な空間の原則全面禁煙の通知を受けて、県や市など
 の施設及び関連施設の建物内を全面禁煙とする自治体も増えてきました。

  あなたは、県の(関連)施設の受動喫煙防止を、どのように実施しますか。

 1.県議会棟を含めて、全ての建物内を全面禁煙とする
 2.基本的に建物内禁煙とするが、一部については「完全分煙」の喫煙室を残す
 3.その他(自由回答)

 ☆ 大村氏:2 「基本的に建物内禁煙とするが、一部については「完全分煙」の
          喫煙室を残す」と回答

 * 「たばこ規制枠組条約」のガイドラインにも、喫煙室では建物内の受動喫煙
   を防げないことが示されています。また、県民の税金を高額な喫煙室のため
   に支出することには問題があるので、他の立候補予定者の回答にみられた
   ように、全ての建物内を全面禁煙とすべきです。

Q8 愛知県内の飲食店・レストラン、ホテル、遊技場、理髪店などでは、現在でも
 受動喫煙のある施設の方が多く、極めて問題です。これに対して神奈川県では、
 施設による区別や例外があって不十分なものではありますが、受動喫煙防止の
 ために罰則付きの建物内禁煙条例が制定されました。

  あなたは、神奈川県にならって、受動喫煙防止のための罰則付きの建物内禁
 煙条例を作ろうと思いますか。

 1.愛知県でも神奈川県以上に実効性のある罰則付きの建物内禁煙条例を作ろ
  うと思う
 2.建物内禁煙条例を作るつもりはない
 3.その他(自由回答)

 ☆ 大村氏:3 (自由回答) 神奈川県などの先進事例を調査し、その結果を
          ふまえたうえで、県内の施設関係者とも意見交換し、条例の必
          要性を判断したい。

 * 神奈川県などの先進事例を調査した上で、名古屋市とも連携してこれまでに
   ない罰則付きの建物内禁煙条例を作ってほしいと思います。

Q9 県内で県民の健康を守るために活動を行っている非営利団体等に、積極的
 な支援を行いますか。

 1.はい、 2.いいえ、 3.その他(自由回答)

 ☆ 大村氏:1  「積極的な支援を行う」と回答

Q10 「たばこ規制枠組条約」(第16条)には「たばこの自動販売機に未成年者が
 近づけないように、また、自動販売機が未成年者へのたばこ製品の販売を促進
 しないようにすること」が規定されています。年齢識別機能があっても、未成年者
 が認識カードの譲渡で購入したケースも指摘されており、装置を工夫するのでは
 なく、自動販売機そのものの撤去が強く望まれます。

  あなたは、タバコ自動販売機の規制についてどのように考えますか。
 1.タバコ自動販売機は、諸外国のように、廃止、または極めて限定的に設置を
  許可すべきである
 2.学校周辺における設置禁止など、特に子どもの目につきやすい場所では、自
  動販売機の設置を制限すべきである
 3.その他(自由回答)

 ☆ 大村氏:2 「学校周辺における設置禁止など、特に子どもの目につき
          やすい場所では、自動販売機の設置を制限すべきである」
          と回答

  最後に、あなた自身及び選挙事務所について伺います。

Q11 あなたは、喫煙していますか。
 1.喫煙している(止めるつもりはない)
 2.喫煙しているが、止める
 3.過去に喫煙したことがあるが、すでに止めた
 4.喫煙したことはない

 ☆ 大村氏:3  「過去に喫煙したことがあるが、すでに止めた」と回答

Q12 あなたの選挙事務所は禁煙ですか。
 1.完全に禁煙で、外来者も外でしか喫煙できない
 2.事務所内に喫煙室を設けて分煙している
 3.自由にタバコが吸えるよう灰皿を用意している
 4.その他(自由回答)

 ☆ 大村氏:2 「事務所内に喫煙室を設けて分煙している」と回答

 * 「たばこ規制枠組条約」のガイドラインにも、喫煙室では建物内の受動喫煙を
   防げないことが示されています。今後は、他の立候補予定者の回答にみられ
   たように、事務所内を全面禁煙とすべきです。

                                              以上