なでしこ



6月頃から8月頃にかけてピンク色の可憐な花を咲かせる。
我が子を撫(な)でるようにかわいい花であるところから
この名前がついた。
よく見られるのは「川原撫子(かわらなでしこ)

中国から平安時代に渡来した 唐撫子(石竹)に対して、
在来種を大和撫子(やまとなでしこ)と呼ぶ。
大和撫子は、日本女性の美称によく使われる。

花言葉 長く続く愛情(美女撫子) 貞節(河原撫子)


草の花は、なでしこ 唐のはさらなり、大和のもいとめでたし
清少納言(せいしょうなごん) 枕草子

野辺(のへ)見れば 撫子の花 咲きにけり わが待つ秋は 近づくらしも
万葉集

わが屋戸に まきし撫子 いつしかも 花に咲きなむ なそへつつ見む
大伴家持 万葉集

うら恋し わが背の君は 撫子が 花にもがもな 朝な朝(さ)な見む
大伴池主 万葉集

久方の 雨は降りしく 撫子が いや初花に 恋しきわが背
大伴家持 万葉集

秋さらば 見つつ偲(しの)へと 妹(いも)が植えし 屋戸の撫子 咲きにけるかも
万葉集