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祀三公山碑全臨





(清明蔵)

(どちらも写真の上でクリックすると拡大できます)

これは、1991年の第26回北城書社展に出品した。


来年は「未ひつじ」年だから、ちょうど12年前ということになる。



その翌年の第14回書論研究大会で

「祀三公山碑についてー特にその書体をめぐってー」

と題して研究発表を行い、

そのまた翌年の1993年12月発行の『書論』第29号に拙稿が掲載された。

思い出深い作品である。




六尺単宣(大画仙紙)を使って初めて書いたことも感慨がある。

常山国に赴任した馮君が飢饉に苦しむ惨状を見て

雨ごいの儀式をしたところ、

神霊が応えて慈みの雨がふり、国中が安寧となった。

それに感謝して、三公山を崇め、馮君を顕彰した雨ごい
記念碑である。




書体は篆書だとか隷書だとか、篆隷半々だとか、篆隷草行ごちゃまぜだとか、

古来諸説ふんぷんの「面白い」存在であった。

私は何も知らず、「隷書の一種」のつもりで書いたのだが、

後で調べてみてなおさら興味がわいた。

今でも時々臨書するが、、何せ魅力はつきない。




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