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世に孔孟の道といい儒教を指す。亜聖といわれる孟子(前329〜289)には、教育ママゴンの
母親がいた。孟子が帰って来た時に、母親は糸を績いでいたが「学業はどこまで進んだか」と
尋ねた。「今まで通りです」と答えると母は、刀で織り機を切断した。びっくりして何故ですか?
と問うと、母は「あなたが学問を途中で止めるのは、私がこの機(はた)を断つのと同じです」と
お説教をした。」
有名な「孟母断機の戒め」である。
叱られた子供の慎ましさを考えて、篆書としてありふれた小篆で字粒を小さ目に、余白を広め
にして明るく書こうとしたが、どうだったか。
金文53字の中に同じ字が何回も出てくる。孟が6回、子が4回。母や学など3回出てくる字が
4つ、2回の字が7つ。こういうことは、書き難い部類に入るのだが、工夫も何もせず淡々と書こ
うとした。(2002年3月)
作品と解説 6
孟母断機