さかな、さかな、さかな。頭、頭、頭 ...
孫娘の優香は9月1日で満2歳になった。今は母親のマルセラと一緒に実家の
アルゼンチンのコルドバにいる。
お誕生日のお祝いを言おうと、妻が電話をかけた。何人かの子供の声がワイ
ワイ、キャッキャと賑やかな様子で、カルメン(マルセラの母)の声もしているら
しい。お誕生会をしているようだ。
マルセラの話によると、優香は壁にかかっている漢字作品に、チューをして
「ジージ」と言うそうだ。
前には「馬」を見て「バンビ」と言っていたが(閑話9参照)時には「バンジー」と
なったり「ジージ」になったりするという。「漢字」と「爺々」がごっちゃになってい
るようだ。
我が家の近くのスーパー「ダイエー」の食品売場で流す歌に
さかな、さかな、さかな。魚を食べると
あたま、あたま、あたま。あたまが良くなる
とある。これを優香もマルセラも聞き覚えて、アルゼンチンに行ってまで歌って
いるのだ。
昔、と言っても私が小学生の頃だったか、「パン食は頭が良くなる。米ばかり
ではダメだ」という話があった。40年以上前のことだ。
また、「味の素」は頭が良くなるという話もあった。やはりその頃聞いたのだ
が、これは今でも信じている人がいるようだ。
更に、中学生の頃だったか、「母乳」よりも人工乳の方が健康にも、頭脳にも
よい」とかいう説を聞いた。ミルク会社の宣伝かと思ったが、これが一時は「学
説」としてまかり通っていたのには驚いた。その「学説」が今ではまた「やはり
母乳がよい」ということになっている。
学説にも流行があるようだが、「頭がよくなる」ことと「長寿でいたい」ことなど
は、多くの人が望むことだろうから、宣伝材料にはこと欠かないに相違ない。
「さかな、さかな、さかな。あたま、あたま、あたま・・・」の優香ちゃんの健やか
な成長を願いながら、一ヶ月程先の帰国を楽しみにしている。
No.16 9月3日