もくじへ 閑話一覧へ
no.35   2月4日            

        
耐える鬼

今日2月4日はは節分。あちらこちらで豆まきをする。「福は内!鬼は外!」と叫ぶ。
まず鬼を追い出してから福を迎えるのだと言って
「鬼は外!福は内!」という所もある。鬼は外というのは拝外主義で良くないという議論もあるが、ところによっては古くから「福は内!鬼も内!」という所もある。

赤鬼、青鬼、鬼にもいろいろあるが、
「何にでも耐える鬼」というのがいる。
日本で三番目に大きいという東京大仏が、板橋区赤塚の乗蓮寺にある。俗説では、関が原と第二次大戦で死んだ雑兵どもをまつったものだと聞いたが、お寺の案内板には「天災や戦災でなくなった無名の人々を供養し、恒久平和を願う」とかいうことだ。私らは赤塚大仏と呼んでいるが、お寺でも板橋区でも東京大仏と宣伝している。
その東京大仏に向かって左手奥の方に石造りの「鬼」の像が立っている。ゲンコツを握りしめ両ヒジを張って息張っている。子供たちに人気がある鬼だと聞き、「あらゆる困難に耐える鬼」と聞き覚えていたが、立て札には
「何にでも耐える。津藩主藤堂家旧蔵」と記してある。

小銭が「お賽銭」として上げられている。この
「何にでも耐える鬼」に豆をぶつける輩は、まさかいないだろう。