■彼方のアストラ感想

スケットダンスの篠原健太先生の作品。フォローさんがめちゃくちゃオススメしていたので、スケット好き
だったしぜんぶで五巻とコンパクトにまとまってるし読んでみるかー、と読んでみたら…

めちゃくちゃおもしろかったです…!!!!!!!!!ヽ(;▽;)ノ

すいません、れっつ読みに行くからジャンプラは見てたし、そこでアストラやってるのも知ってたんですけど、
けど作品の紹介に使われてるカット見て勝手に、

宇宙で女の子のおっぱいが揺れる話かな

とか思ってました…(´▽`; だって女の子の宇宙服らしきスーツがおっぱい強調するデザインだったしさ…
まさかこんなガチな宇宙冒険物だったとは…

あと連載中にとくに、これいいよ!みたいな声も見かけなかったので… それで、作品自体は知ってたけど
読んでない、みたいな状態だったんですけど…

いやけどこれ、このタイミングで知れてよかったよ!!!!!!(゜▽゜;

単行本も最終巻まで発行済みで今ならイッキ読みできるもの!!!というか、中盤以降を読みながら、

これ連載中にリアルタイムで追ってたら続きが気になってどうなっていたことか…(´▽`;

と思ったのでこれ連載で追ってた人はメンタルがすごい強いなと思いました。

それでは以下感想ですけど、いきなりネタバレするから未読の方はお帰りください(´▽`)

いやもうこれほんと、まったく予備知識なしで読んでほしい…!!!!!!

私ちょっとだけ登場人物の秘密を知ってしまったんですけど、(ミステリで言うところの犯人レベルのバレじゃ
ないから目にしてしまっていてもいいと思った)、実際読んでみて、

あー… これ知らないほうがもっと驚きがあったのにー…ヽ(;▽;)ノ

となったので、ほんとこれから読もうと思ってる方はなにも知らないまま読んでください頼む!!!!!

それではくどいようですが、以下ネタバレですし、これは予備知識ゼロで読んだほうが絶対に楽しいと
思うのでよろしくお願いしますね!念のためちょっとさげるね!

なお、既に全巻読破した方向けの内容になってます(´▽`; 未読の方に対する親切な説明とか一切なく
いきなり私が一番、うわー!と思ったとこについての話から始まるのでそのへんご了承の上ご覧ください!








































それでは参りますね!

ストーリー終盤にさしかかって、集められたメンバーの共通項が、みんな誰かのクローンだった、ということが
判明したときの、

あの、胸クソの悪さなー!!!!!!!!!!(゜▽゜;

そこまで、これ、親子関係に問題のある子たちの話なのかと思ってたら、みんな、親(オリジナル)のスペア
パーツだったとか… これ… もう、めっちゃしんどい…

私、ユンファが歌で病気のメンバーたちを元気づけるところ、それまで自分はなんの役にも立たないと
落ちこんでいた彼女が変化するきっかけになったということも相俟ってすごく好きなんですけど、

けど、みんなを励ましたその彼女の歌声は、有名な歌手である母親譲りのものだったのではなく、

ご本人かよ!!!!!!!!(゜□゜; ご本人様かよそりゃ上手いはずだよ!!!!!!!!

というのがすごくショックで、あのときユンファの個性が花開いたのだと思ってジーンときたものが実はそうじゃ
なかったというのがすごくショックで。

ユンファだけではなくここまでに描写されてきた他のメンバーの親との確執、自分は愛されてない、と感じて
いたことの辻褄がここで一気に合っていって、あー!そりゃ、子どもじゃなくてスペアだと思ってるんだったら
そういう態度になりますよねー!そりゃ捜索もすぐに打ち切りたくなりますよねー!まったくもう、この、

クソが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(;□;)

と、この、クローンである、ということが判明して親との不仲に説明がつくとこほんと辛いんですけど、
けど、そこからの、

みんなで生きて帰って、『自分になるんだ』

という展開が、あー!!!!!もう!!!!!カタルシスあるんだよー!!!!!!!!!!ヽ(;▽;)ノ

もうねえ… ほんと…

小型のワープホール使って自分たちを遠く離れた宇宙に捨てたつもりかもしれないけど、けどあいつらは
自分たちが帰ってこようとしていることを知らない、って展開もう熱いー!!!!!好き!!!!!

あと最後、自分ごとここにいる全員を消す、という使命を帯びて参加してる人間が誰かわかるとこ。
カナタの、ワープホールに吸いこまれた右手だけが、アストラ号の旅の始まりの場所にぽっかり浮かんでる
あの見開き、

あれ、なんかすごいめちゃくちゃ圧巻でしたね…!!!!!!!!!

右手が千切れてしまっているのでもちろん辛いとか痛いとか悲しいとかあるんですけど、なんかそれ以上に
胸に迫るものが、これまでの旅路を思って胸にぐあああっとくるものがあった。
あそこを見開きにする篠原先生のセンス凄いな…

というかここ正直、カナタ右手ひっこめとけばよかったんじゃね?(´▽`; と思わなくもないんですが、けど
あれ右手が飲みこまれたからこそシャルスはホールを消したんだろうしなあ…

そしてこのことがなかったら、シャルスは自分がカナタのそばにいることを許せなかったかもしれないよな
とも思えるので… これはこれで必要な喪失だったのかも… けど痛そうは痛そう…(;▽;)

最後のこのへんといったら、

だ、ダイボモモが今度はちゃんと言えたァァァァァー!!!!!!!ヽ(;▽;)ノ

というところも泣きましたね… ほんま最初げたげた笑ったダイボモモに最後こんな泣かされるとは…

靴の上に靴とか言われてもあの反重力シューズ履いててほんとよかった…(;▽;)

最初のほうから長く続くネタとして私が地味に好きなのはあとルカジャベリン(´▽`) あれいろんなところで
役に立った。

そうそう、ルカの性別に関してだけちょっとバレ見ちゃってたんですよね… けどほんと1ミリも知らないほうが
服を脱ぐところがもっとドラマチックだった…(;▽;)

(ルカは外見がああいう感じなので、最初から、ああ性別がはっきりしないというのはたぶんこの子だなって
目で見てしまっていたし… もったいないことした…)

他は、とにかく、いろんなことにちゃんと理由がある、というところが好きです。帰る途中に立ち寄る惑星の
生態系なんかもちゃんとこうなる理由があってこうなる、ということがわかるのが。

あとほんとホッとするのが、クローンを作るのは重罪で、もしそれがバレたら作った人は捕まる、そして
作り出されたクローンの人権は手厚く保護される、という設定ですかね。手厚く保護される。

これがなんか、クローンは作っちゃダメだから存在自体もダメ!だから消す!とか言われたり、短命とか
だったりすると辛いけど、そういうことなくてよかったよ。

そしてこれはクローンである主人公たちを生かすためのご都合設定じゃなくて、ここが、これまでの歴史や
宗教を消し去ってまで得た争いのない世界、だということを踏まえるとちゃんと納得できるのがいいです。
こういう種類の人間の人権は認めなくていい、というのはいつの世でも争いの種だものなあ。

しかしあの… ゲノム管理法案?あれ、現在自分が暮らす世界で用いられることを考えたらやったらヤバイ
だろと思うし、だから反対してるルカのお父さんもいい人なんだと思ってたけど、

ぜんぜんそうじゃなかった… 親子のふりしたオリジナルとクローンってバレたら困るからだった…(;▽;)

しかしルカの育ての親の政治家じゃなくてオリジナルの芸術家のほう… すごいこと考えるよね、今度は
どちらでもない性別の体になってみたい、とかさ。

けどこの人の気持ちまったくわからんわけじゃない… というか、他の親の気持ちもまるきりわからないわけ
じゃない。年とるといろいろ動かなくなってくる。正直若い体はめっちゃ羨ましい。

けどやっぱり人ひとり殺してまで求めちゃいかんと思うんだ。年とると体も動かなくなるし頭の回転も前ほど
じゃない。若さ求めたい気持ちはわかる。けどやったらいかんのもわかる。
なのになんであの人たちはそこ踏み越えられちゃったのかなあと思うとほんと気持ち悪いんだよね…

主人公たちと同年代のときにこれを読んだら、単純に、なんてイヤな悪い大人だ、としか思わなかったと
思うんだけど、年とってから見ると、

なんであの年になってあの人たちは自分のしてることがクソだってわかんないの?(゜□゜;

と、若いときに読むのとはたぶんまた違う気持ちの悪さが… 自分と年の近い人がああいうことやってたら
めちゃくちゃ引くよな…

しかも、クローンは培養槽につけっぱなし、とかじゃなくいっしょに暮らしたり、教育したりしてるのに…
いくら情がわかないようにあえてあまり接しないようにしてるとはいえ、それでも時間が経てばもう少し
心境に変化とかあっても… 相手は喋るし、いくらクローンとはいえ自分とは違う人格だってあるのに…

(みんな、他に仲間がいるから裏切れないとか、やってるのは自分ひとりだけじゃないから罪悪感も軽い、
とか、そういう状態だったのかな…)

(そういえばアリエスのお母さんだけが捜査打ち切りに反対してるとき、気持ちはみんな同じだから互いに
支え合っていきましょうみたいなことを誰かが言ってたような気がするんだけど、あれってそういう意味も
あったのかな…?)

もうほんとね、若い人たちから悪びれもせず搾取しようとするおっちゃんおばちゃん、あの人たちと年が近い
からこそ見ててほんと居たたまれないし、(わかるよ若さは羨ましいよけどあかんよ)

だからこそ主人公たちの前向きさはほんとありがたいしカタルシス感じるし、(親だからと許さないところが
最高にありがたく頼もしくほっとします)

そしてほんと、あの人たちは人殺しになることなく、捕まるだけでよかったねと思うよ。(だってなんか若さの
ために殺人まで犯しそうになったってなんか、なんか、あの年になって痛々しすぎる…ヽ(;▽;)ノ

しかしこれ、若いころの自分に年とった自分が負ける話、なのかと思ったらなんかいろいろ刺さるなあ。
読後すぐはとくに思わなかったけど、感想を書いているうちになんかメリメリめりこんできたわ…(´▽`;
深いです篠原先生…ヽ(;▽;)ノ

他にもおもしろかったところはいろいろあるんだけど、イッキ読みした時点ではこのへんがいちばん私は
刺さったかなあ。
二回、三回と読むうちにわかることもありそう。とりあえず初見の感想はこういう感じで…(´▽`)

あー、ほんと読んでみてよかった…ヽ(;▽;)ノ

(18/02/23)

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