『少し早いけど、真田、誕生日おめでとう。
真田の事だから、俺に気を遣って、祝わないでおこうとか考えてるんじゃないのかい?
頼むから、そういうのはやめてくれよ。
もし、そんな事されたら、俺は悲しい。
俺が真田の幸せを取り上げているみたいで悲しい。
だから、当日は、ちゃんと、祝ってくれ。
部長命令だよ、これは。ふふ。
当日、改めて電話で祝わせてもらうよ。
その時、申し訳なさそうな声なんて出したら、怒るからね。
じゃあ、また』
さあ、このハガキを五月二十日までに着くように、ポストに入れに行こう。
入院中の俺には気の利いたプレゼントなんて、用意できないけど。
だけど、いや、だからこそ当日は心をこめて真田の誕生日を祝おう。
だって。
だってこれが、俺がお前を祝える、最後の誕生日かもしれないから。
あらっ、なんか暗くなっちゃった!けどもう少ししたら幸村は病気克服して部に復帰するし、許してください!(苦笑)
真田誕生日おめでとう! 080521
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どうして俺が無我を使わなかったって?
だって他の誰かの真似をしても仕方がないだろう?
俺が一番強いんだから。
あんなに前から無我使いという描写をされていたにもかかわらず、幸村が無我にならなかった事への当サイトの見解。
そういう態度で試合に臨んだ、という事で。 080314
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対戦相手と握手を交わした幸村がベンチに戻ってくる。
真田の前に仁王立ちになると、黙って目を閉じ、後ろで手を組んだ。
真田も、黙って立ち上がった。
「真田ちょっと、待って」
「…丸井?」
「もう、そういうの、やめにしねえ?」
「何故だ」
丸井は、ひらりとフェンスを飛び越えると真田と幸村の側に来て言った。
「負けた痛みを、殴られた痛みで誤魔化すのはもう、やめようぜ」
「俺が負けたから、俺が殴られたくないからこういうこと言うんじゃねえけど」
「俺達、殴られることで負けたことを自分の中で許してなかったか?」
「今までやってきたこと否定はしねえよ。
あれはあれで気合入ったしな。
けど、本当は自分で、自分の中でどうにかしなけりゃいけなかった負けた痛み悔しさ、そういうの、殴られた
痛みで忘れてなかったか?
そういう気持ちが全くなかったって、言えるか?
俺は言えない」
「もう… やめようぜ。
ほんとは、俺達がひとりひとり受け入れて乗り越えなきゃ、そうしなけりゃ…
強くなれねえんだよ」
「だからもう、やめよう」
「丸井の… 言う通りだな」
真田が、ぽつりと言葉を零した。
「俺は… 俺達は王者、負けることなどあってはならないと、ずっとそう思ってきた…
しかし、ありえないことだと断定することで負けの可能性や恐怖から目を逸らし続け、殴ることで負けた事実
からも目を逸らしていたのかもしれない」
「事実をまず受け入れなければ、そこから何も学ぶことは出来ない。何も始まらないし、本当のことは何も見
えてこないというのにな」
「幸村」
丸井の方を向いていた真田が、幸村を振り返る。
「表彰式は、俺が前に出る」
「…真田?」
「負けた人間には、遠慮してもらう」
立海テニス部員に、押さえ切れないどよめきが広がる。
「…わかった」
幸村は、それ以上何も言わずに頷いた。
表彰式を始めます、各校レギュラーはコート内にて整列、ご観戦の皆様はご着席願います…とアナウンスが
響く。
場内がざわめいた一瞬。
「真田」
幸村が、真田のジャージを引いた。
「ゆき、」
「屈辱は甘んじて受けよう。お前は俺がそれで強くなると信じている」
「ゆ、」
「ありがとう」
幸村は早口でそう言うと、真田のジャージを離し、前へ歩き出した。
表彰式が、始まる。
決勝戦後の制裁とか、幸村ではなく真田が盾を受け取っていた事とかについての当サイトの見解。
発言者が丸井なのは私の中で丸井が一番ああいう事言いそうなイメージだからです。 080314
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ナースステーションにて
「幸村くんのこと、知ってる?」
「ああ、昨日病室で誰か男の子と抱き合ってわんわん泣いてたって、アレでしょ?」
「そう。アレさ…
アタシちょっと思い当たるところが…」
「? どゆこと?」
「幸村くんが泣いた日の前の日、アタシ夜幸村くんの様子見に行ったのね。巡回で」
「うん」
「幸村くん、寝てて…
したら、あのセクハラ医師が入ってきちゃってさ。ほらあそこ個室じゃん」
「げ、マジ?」
「さっさと用事済ませて出て行きたいのに、なんかこう近寄ってきて話しかけてくんの!
あんまり素っ気なくしてあとで仕返しされたらコワいしさ…
仕方なくテキトーにハイハイ言ってんだけど…」
「うん」
「そしたらね、幸村くんのほうちらっと見て、
『重度の難病だから、テニスなんてもう無理だろう』とか言っちゃってんの!
アタシ『ハァ?』って思って…
だってもう手術成功してるっつーの!なに知ったかぶってんだお前バカじゃねー!とか思ってたんだけど…」
「ああ、だって嫌いそうだもんね、幸村くんのこと。
あの子看護師にすごい人気あるし。
だから、『俺もこの病気のことはよく知ってる』アピールしていいとこ見せようと思ったんじゃない?
全然間違ってるけどね!ちっ、専門外が口出すなつーの!
って。
あ。そっか…」
「うん…
寝てると思ってたけど… それ聞かれたかなーって…」
「ああー… ほんっと、ろくなことしないなあのドグサレ医師!!!」
「驚いたと思うよ。お母さんから成功したって聞かされてたはずだから。
もうとにかくあのボンクラから離れたくて、あ、だっておシリ触ってきたりとかすんだもん!
だから、さっさと出てきちゃったけど…
あの時、もうちょっと幸村くんの様子気にしてればな…」
「うーん… そりゃそうだけど… まあお友達?のおかげで丸くおさまったみたいだし。いいんじゃない?」
「そっかな?」
「うん。幸村くんの泣き顔かわいかったってその場に行った子言ってたし」
「そうなの!?うわ、アタシも見たかったー!」
「ははは。残念だったねえ〜。 …よし、巡回行ってきまっす!」
「いってらっしゃい」
『幸村の帰還』後日談。管理人なにがなんでもあのセクハラ医師のせいにしたいみたいですよ(微笑) 080205
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抱きしめさせてぎゅっと。
キミが確かにここにいるんだって俺に知らせてよ。
誰でもいけるけど82で。 080125
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決勝戦終了後、帰り道。夕方。
「柳生…」
「なんですか仁王くん」
「…俺、負けてしもうたよ」
「…そうですね…」
「なあ、柳生」
柳生の背後からひたりと自分の体を寄せる仁王。
「…なっ、んですか」
「…負けてしもうて、恥ずかしいよ…」
「そうですか」
「…だからもっと恥ずかしいことして、俺んこと慰めてよ」
仁王の吐息が、柳生の肩口の辺りを湿らせる。
「…仁王くん」
「…何?」
「だったら」
すっと柳生が体を離して仁王と正面から向き合う。
「あそこで遊んでいる子供に試合を申し込んで負けてみたらどうですか?」
不二くんに負けるよりもっと恥ずかしいでしょうと、柳生は踵を返した。
そういう意味じゃないんじゃが…(byマサハル)
それにしてもキツいなこの柳生(笑) 071105
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ホチキス
学校も部活も休みの土曜午後、教室で机をふたつ向かい合わせにして向かい合わせに腰かけている
仁王と柳生。
ふたりの手には薄い紙の束とホチキス。
ホチキスのお尻を使って束から針を外す仁王。ホチキスの頭を使って束を束ねていく柳生。
「なんでガッコも部活も休みの日にわざわざガッコに来てこんなことせんといかんのかの…」
「仕方ないでしょう。私たちの割り当てだった『新入部員歓迎会のしおり』に一枚紙を挟み忘れて全部綴じて
しまったんですから」
「そうじゃの。仕方ないの」
ばち、ぴん、ばち、ぴん、ばち、ぴっ。
綴じる音跳ね飛ばす音。
時折、柳生の手の甲や頬に、ごく小さな感触がかすめる。
「…仁王君…
さっきから貴方の外すホチキスの針が私のところまで飛んできているんですが…」
「だって柳生に構ってもらいたいんじゃもん」
「バカを言わないで下さい。
もしも目に入ったら危ないでしょう」
「メガネかけとるから、大丈夫じゃろ」
「それでもすっぽり覆っているわけではありませんよ」
「柳生に関して、俺はそんなヘマはせんよ」
「…、バカなことを、…言わないで下さい」
意外と飛んできますよね。アレ。 070311
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仁王君。
貴方は地面に打ち捨てられ踏まれ潰される花々のようだ。
汚れ打ちのめされても、強く匂い立つ。
好きとか嫌いとか関係なく柳生は客観的にこう思ってると思う。 070307
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