小学校6年生、動物が好きだった私は、飼育係になった。
私が担当した動物は鶏2羽とアヒル2羽。
毎日エサを与え、週に2度は小屋の掃除をする。
私がエサを持って小屋に入ると、アヒルがお尻をフリフリしながら近づいてくる。
鶏は私の様子を横目で見ている。
私がエサ箱にエサを入れると鶏は首を前後に振りながらやってくる。
こぼれたエサを拾ってエサ箱に戻そうとすると、邪魔するなと鶏に手を突っつかれる。
食事が終わると水を飲んで喉を潤す。
くちばしで上手に水を飲むが、横から水が漏れ床をべチャべチャにする。
掃除する人の苦労も知らないでいい気なものだ。
掃除の時は鶏とアヒルは飼育小屋から出てもらう。
アヒルはお尻をフリフリ出ていくが、鶏は小屋の四方を逃げ回る。
追い詰めると飛びかかってくる。
ホースで水をかけて追い出したこともある。
ある日、アヒルのねぐらを掃除しようと思ったら、白いものが見えた。
大きな卵だった。
親アヒルは全然面倒を見ようとしなかった。
私が家に持って帰って温めることになった。
家に帰ってから箱に新聞をちぎって入れて、そこに卵を置いた。
冷えたら困ると思って、タオルをかけた。
暖かいところが良いと思い、ストーブの横に置いた。
これで大丈夫だろう。
翌日、箱の中に卵がない。
生まれたのだろうか?
朝御飯はとても美味しい卵汁だった。
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