ばばちゃんの1日。
ばばちゃんは明治20年2月11日生まれ。
名前は旧姓吉田キヨ。
南津軽郡十二里村大字水沼字浅田出身。
明治36年12月28日、喜久太郎と結婚。
長男の名前は繁穂という。

朝6時頃、ばばちゃんは起きてくる。
居間の専用の座布団に座る。
そこはテレビが良く見える特等席である。
やがておじいちゃん(繁穂)とおばあちゃん(きく)が畑仕事から帰ってくる。
ばばちゃんは足腰が弱っているので畑仕事はしていない。

おばあちゃんが朝御飯を用意する。
朝御飯の間もばばちゃんはテレビを見ている。

朝御飯のあとはお茶で薬を飲む。
たまにトイレに立つが、あとは動かない。

昼御飯の間もばばちゃんはテレビを見ている。
食後はお茶で薬を飲む。

3時のおやつは欠かさない。
たいていはキャラメルコーンを食べる。
ばばちゃんはキャラメルコーンが大好きである。
しかし、入れ歯だったのでピーナッツは苦手だったようである。
おばあちゃんは菓子箱にキャラメルコーンを入れるとき、ちょっとした工夫をする。
キャラメルコーンの袋を上下に強く振る。
そして菓子箱にキャラメルコーンを入れる。
そうするとピーナッツは菓子箱に入らないのである。

ピーナッツを食べるのは、ひ孫の私。
ばばちゃんが残したピーナッツだけじゃかわいそうなので、コーンも少し残しておいてくれる。
ばばちゃんが突然セキをした。
ばばちゃんはピーナッツの皮も苦手なのである。
どうやら口の中に皮がくっついたらしい。
お腹いっぱいになったら菓子箱に蓋をする。

夜御飯の間もばばちゃんはテレビを見ている。
別にテレビを見て笑ったりするわけではないが、ジーッと見ている。
夜は遅くまでテレビを見ている。

おじいちゃんが「母さん、もう寝るよ」と言う。
するとばばちゃんは「もう寝る時間だか?」と聞く。
「もう10時だよ」
ばばちゃんは立ち上がり、ドアを開けて自分の部屋に戻っていく。

正直言ってばばちゃんの事はあまり覚えてない。
私が11歳の時にばばちゃんは亡くなった。
私を抱いている写真は色あせてしまっている。
でも、写真を見たらばばちゃんの声が聞こえてくる。
遺伝だろうか、私はキャラメルコーンが大好きである。
ばばちゃんと違って、私はピーナッツも大好きである。