襲撃される!

突然、右手の甲に激痛を覚えた。
「痛い!」
でも、体が動かなかった。
目を開いても真っ暗だった。
どうやら寝てたらしい。
何の痛みだったのだろうと考える余裕ができた。

すると耳元で「ブーン」と音が聞こえてきた。
蜂だ!
あわてて布団にもぐった。
冷静になってきたら右手に痛みを感じるようになった。
しばらくすると静かになった。
恐る恐る布団から出て、電気のヒモを引っ張ってみた。

急に明るくなってビックリしたのだろうか?
また「ブーン」と聞こえてきた。
私は枕元にあった雑誌を折り曲げ、臨戦体勢に入った。
「ブーン」という音を追う。
私の目はスズメバチの姿を確認した。
スズメバチは布団の上を低空飛行しながらこっちに向かってきた。
私は雑誌を持った右手を振り下ろした。

「バシッ!」
静かになった。
恐る恐る雑誌をどけてみると、スズメバチは横たわっていた。
足は痙攣していた。
これで危険はなくなった。
何で家の中でスズメバチに刺されなければいけないのか?

右手の甲が腫れてきた。
憎いスズメバチをプラスチックの容器に移した。
我が家に入って私を刺したばっかりに命を失うことになった。
ご冥福をお祈り申し上げます。