サンマリノ
 イタリア半島の中部の小さな国。西暦301年に建国された世界最古の共和国。四方を城壁に守られた難攻不落の共和国だ。面積は61平方キロと、浜益村の5分の1しかないサンマリノが、なぜ1700年間生き延びることができたのだろうか?
301年といえばローマ帝国の時代だ。サンマリノは、ローマ皇帝の迫害を逃れたキリスト教徒が建国したといわれている。ヨーロッパ・アフリカ・中東にまたがる大帝国ローマがなぜサンマリノを滅ぼさなかったのか?西ローマ帝国滅亡後ヨーロッパに君臨したフランク王国のカール1世、ローマ帝国復興をめざした東ローマ帝国のユスティニアヌス、十字軍を率いた神聖ローマ帝国のフリードリヒ1世、アルプスを越えたフランス皇帝ナポレオン、ファシスト政権を樹立したムッソリーニ、ナチスドイツのアドルフ=ヒトラーとイタリア半島を支配した指導者達の誰一人としてサンマリノ共和国を滅ぼさなかった。
 イタリア半島の山間部にある共和国に気がつかなかったのだろうか?それともわざわざ軍隊を派遣してまで占領する必要がなかったのか?
 イラク問題、北朝鮮問題と、米ソ対立の終わった21世紀になっても世界の紛争は絶えることがない。世界の覇権や国家の威信を巡って争う国々の中で、これからも生き延びていくのだろう。