”国民身分証明書”構想


 よく役所などで「本人証明に御協力下さい」という貼り紙を見かける。住民登録を本人に成りすまして移したり、勝手に
婚姻届を出されたりするケースがあるかららしい。また携帯電話を新規に契約するときも、運転免許証などの提示を
要求される。このようにあらゆる場所で身分証明が必要となる。特に写真入身分証明書は効果てき面である。なぜ
ならその場ですぐ本人とわかるからである。

 写真入身分証明書というと、まず先にも書いた運転免許証が真っ先に思いつく。また学生ならば学生証を所持して
おり、立派な身分証明書として活用されている。その他パスポートなどいろいろとあるようだが、これらをよく見ると運転
免許のようにお金と時間をかけて取得するものや、学生証のようにその身分にならなければ所持できないものばかり
である。つまり学生でもなく車も運転しない、まして海外旅行なんか行ったことがないといった私のような人間には、
まず無縁のものである。このような場合大抵は健康保険証を使って身分証明するしかない。しかし御存知の通り健康
保険証には写真なんか貼っていない、まして住所は自署である。これでは本人に成りすますのは簡単である。しかし
現状ではこれしかないのだからしかたない。

 


 このように写真入身分証明書というのは、意外と所持する人が限られていることがわかる。写真入身分証明書は、
これからの時代に絶対不可欠となっていくであろう。しかしそれ欲しさだけで運転免許を取るとか、(もちろん車を運転
したいという目的があれば話は別)パスポートを申請するというのも金銭的に余裕がないと難しい。そういえば以前
”ゼロ免許証”という言葉を耳にした。運転車種の欄に1を一つも記入しない、つまり運転自体はできない運転免許
証を発行しようということらしいが、お気付きの通り明らかに矛盾している。発行しようとする理由としては、高齢で運転
免許を返上した人が主な対象らしい。そして上に書いた理由も含まれているのだろう。しかし運転するわけでもない
のに、警察に個人情報を提供することに抵抗を感じるので、あまり具体化していない。

 それならば都道府県または市区町村で国民身分証明書(仮称)を発行した方がいい。以下にその詳細を
記してみる。

↓ここから下はあくまで想像なので、真に受けないこと。

発行方法

 役所・役場に写真(一般的な4p×3pぐらい)を持参し、所定の申し込み用紙に後述の記載事項を記入して窓口に
写真と一緒に提出する。発行側は申請書と写真及び住民台帳を照合して審査を行い、偽造防止のために写真に割印
(凸印)を押す。

記載事項(これぐらいで充分)

   氏名と振り仮名

   生年月日

   現住所(住民票記載のもの)
 
   電話番号(拾得時の連絡用)

証明書更新

   3,4年毎に写真の撮り直しをして再申請する。住所が変わったときも同様。




 以上のように勝手に書いてみたが、細かいことについては各発行者で決めることになろう。この案についてはまだ
自治体レベルでもあまり話し合われてないが、できれば早急に取り組んで欲しい。公的写真入身分証明書を必要と
している人は、私を含めてかなり多いはずである。これが実現すれば携帯電話の契約や印鑑登録などが、非常に
スムーズに行われるようになる。将来は身分証明を必要とするものが増えてくるだろうから、なお更である。


 区役所などにこの内容で投書した方が効果がありそうだが、相手にされないのがオチである。だからせめてこの場を
使って主張してみたかった。それにこの方法なら、読んでくれる人が投書するより多いはずだ。


 去る2002年6月27日より、千葉県浦安市「浦安市民証」が発行され始めた。内容を見るとここに書いたもの
とほぼ同じものである。私の主張が受け入れられた…わけではなく、予てからこのような動きがあったらしい。これが
全国的に広がることを願ってやまない。

(この部分については、2002年6月29日加筆修正)

 2002年8月5日より「住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)」がスタートした。この際各自治体で発行するカードこそ、
ここまで書いてきたことそのものである。プライバシーの保護の観点から問題になっているが、それについては早急に
対策を望む。 カードを失くしたら…という問題が生じるが、それは各個人が自己責任で管理するものである。
(運転免許証などと同じこと)

 2003年11月11日、ついに住基カード(写真入)を入手した。記載内容は私案とほぼ同じであるが、暗証番号を決める
ので悪用の危険性が多少はなくなる。ともあれ、ついに写真入身分証明書を手に入れることができた。これでレンタル
ビデオの会員証や携帯電話の申し込みがスムーズになる。(どちらも予定はないが)同じように運転免許もパスポートも
持たない学生以外の人は、ぜひ住基カードを作ってみるといいだろう。

(この部分については、2002年10月27日・2003年11月11日加筆修正)

2002年6月1日脱稿 書いた本人としては切実な願いである




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