八ヶ岳でマンツーマンの登攀の機会を得ました。
信頼ある方に、ロープで確保されている安心感で
雑念無く、岩と一人で向き合うことのスバラシさを実感しました。
3月 6日 中山尾根
前週末の天候が悪かった為、5日に行動している人が居ないと
ラッセルしての登攀は難しいと言われ、鉱泉に入る途中で休憩した
山荘でも、可能性はほとんど無いからアイスに切り替えた方が
賢明だと、etc,etc,。
当日、有りました!! トレースが!
無風、薄曇りと絶好のクライミング日よりです。
登攀中の心地良い緊張感を包み込むように、静かな雪山に
ゆったりと時が流れ、経験のなさからくる心身の鎧が全て
取り払われていくのを感じていました。
22日 赤岳主稜・大同心稜下山
23日 小同心クラック と 木村ガイドの後に続きました。
二年前に阿弥陀北稜を登攀している事と、「ドタキャン」
でガイドの方に余裕ができた事が幸いした・・・。
今では、全て先生に一任しておいた結果かと思っています。
23日の登攀は前日と違い先行パーティも後続も無く
岩と雪と青空を一人占めでした。
「痺れました」唯一の頼りの左手で上のガバをこのまま取りに
いって失敗したら飛ばされると。
左足は岩の下に二本の爪が掛かっているだけで体重移動不可能。
右足の爪を立てたとたんに滑った、見ると斜め平らな岩にはアイゼンで
引っ掛けたであろう無数の細いスジがある。 左手を右に移動した。
指の掛からない雪混じりの岩だ。 右足にフラットに体重がのり
滑らなくなった、左足をつっぱりながら左上を取った。
全てバランスだったような気がする。 一瞬の出来事だ。「痺れた」
2月の雪がベッタリ付いている時の話を聞いた。 想像逞しくなる。
そう言えば、前日チラチラ雪が舞った時に、明日雪が降ったらと言う
仮定の話が出た。 突っ込んでみたいと初めて思った。
こんなにラッキーで良いのでしょうか。 全てに恵まれている日々を過ごしました。
昇己先生、ガイドの木村さん有難うございました。
異なる顔を見せるであろう有雪期の岩稜、登攀の真髄は積雪期でしょうか。
[2003/03/28 16:41:19]