正妻・愛人・三号さん

阿羅本 景


「琥珀さん、何しているの?」  俺は中庭でしゃがみ込んでいる琥珀さんを見つけると、そう声を掛ける。琥珀さんは竹箒を 肩に掛けて俺に背を向けていたが、振り返ってすぐに立ち上がってお辞儀をする。  俺は和服にエプロン姿のいつもの琥珀さんに歩み寄っていった。 「あら、志貴さまお戻りになられていたのですか?」  学生服姿の俺を見てそう琥珀さんは答えた。鞄は玄関口の翡翠に渡して手ぶらだったが、ま だ部屋に戻っていないので服はそのままだった。  今日のちょっと聞きたいことがあったので琥珀さんを捜していたんだけど、中庭のテラスに いるとは思わず、幾分か探した後に見つけたのであった。  翡翠に呼んで貰えば良かったかなぁ、とも思うけども、自分で探すのも悪くない。  ただ、大分探し回ったから何を聞きたいのかを半分忘れかけていたんだけど……  ……夕食のことだったか?まぁ、いいか  それよりも、琥珀さんが何をここでしていたのかと思うとちょっと気になる。 「琥珀さん、庭掃除してたの?」 「えーっと、いやその、あの……」  琥珀さんは俺を前にわずかに慌てたような様子を見せたが、すぐに表情を柔らかく話し掛け ててくる。 「……志貴さまは、この屋敷に猫が住み着いていたことをご存じですか?」  ……猫、というか、猫に見えるんだけども内実はずいぶんと違うのなら一匹居るけど、と言 いかけて俺は口ごもる。それはそうだ、レンのことは琥珀さんに言ってもなんと言われるか分 からないんだし。  俺は何と答えた物か悩むが、ここはひとつ居てもおかしくないなぁ、ぐらいの穏当な相槌を 打った。 「猫にエサを上げていたとか?」 「あはははー……やっぱり分かっちゃいますか?」  琥珀さんは照れ笑いをして俺に向かって手をヒラヒラと振ってみせる。  俺が改めて琥珀さんの足元を見ると、そこには浅い皿にミルクが半分ほど満たされていて、 その傍らにいるのは――黒いリボンの黒猫。  それは間違いなくレンだった。レンは俺に気が付いたのか、くぃ、と顔を上げて見る。  流石に、人間の形態では出歩いていないようだったので、俺は知らずほっと胸を撫で下ろす。 「この猫ちゃん、いろいろご飯を上げようかと思ったんですけども……ミルクを飲んでくれる のが今だと精一杯ですね」  まぁ、レンが本当に必要としているのは人間の霊的な力だから……と指摘できる物ではなか った。俺はまぁ、そうだな、と生返事を返しておく。  琥珀さんは再びしゃがみ込んで、じっとレンを見ている。レンはぴちゃぴちゃとミルクを舐 めていたかと思うと、しなやかな動きで立ち上がる。
 お腹一杯になったんだろうか、レンはそのままくるりと反転すると、猫らしく人間に無関心 そうに茂みの方に消えていく……  ……筈だった。  だが、レンの歩き方というと、これがまた非常に怪しい。レン自身はまっすぐ歩いているつ もりなんだろうが、ふらふらと重心が揺れて頼りない歩み方だった。まるっきり酔っぱらって いるかのような――  レンの背中がしゃっくりをするかのようにびくんびくんと震え、その足取りが止まる。四肢 を揃えてレンはその場に立ち止まり、一際強く背筋を丸めたかと思うと  パタリ  ――そのまま石畳の上に転がっていった。  ……わからない 「な……な、何が起こってるんだ?これ」  俺がおもわずそう口にすると、俺に背中を向けてしゃがみ込む琥珀さんが、ぼそりと一言漏 らす。 「……ふふふ、やっぱり効きましたね」  ……な、なんという不穏な言辞。  俺はぎょっとして思わず一歩後ろに退く。琥珀さんの低い笑いを聞いた瞬間、言いしれぬ黒 いオーラのようなものが立ちこめてきたような感じがあったから。顔が見れないだけ、琥珀さ んの不気味さが引き立つような。 「ここ、琥珀さん、一体何を……もしかしてっ!」  足を突っ張ってぴくぴくと震える黒猫のレン。  こうなる前にレンは琥珀さんのミルクを飲んでいた、ということは間違いなく……冷や汗を 垂らして俺がのけぞっていると、琥珀さんがゆらりと立ち上がり、振り返る。  琥珀さんは顔は笑っているが、目がどうも俺を見ているように思えない。 「あ、志貴さま、別にネコイラズとか混ぜた訳じゃないですから、安心して下さい」 「じゃぁ、何を混ぜたの……」  やはり、琥珀さんの繰り出す手に薬以外の選択肢はないようだった。しかし、一体なんだっ て黒猫に過ぎないレンにそんな真似を……  俺はちらりとレンを見るが、相変わらずぴくぴくと震えたままだった。なんか、そのまま放 っておくのは不味いような気配すら漂っている。 「いえいえ、単に……マタタビのエキスと生阿片とキツネノテブクロです」  何事もなかったかのよう薬か薬草の名前を言う琥珀さんだったが、その朗らかさに俺は頷く ことは出来なかった。阿片、とか俺でも知っているマズイ薬の名前を挙げているんだから…… 俺は、額の汗を拭ってなんとか尋ねる。 「……琥珀さん、御免、それは一体どういう効能が……」 「ええっと、猫ちゃんだからマタタビは効くでしょうし、生阿片は言うに及びませんし、キツ ネノテブクロは一種の毒薬ですが、量さえ誤らなければ命に別状は……」 「な、なんでそんなものを……」 「いえ、私の目にはこの猫ちゃんが、どうも別の正体を持っているような気がしたので、宗玄 先生直伝の調合を盛ってみたのですが……あ、やっぱりですねー」  琥珀さんはにっこりと笑って、振り返る。  震えていたレンは、動きを止める。もしかして……と俺は喉に息が詰まるような不安を覚え るが、足を揃えたレンはそのまま内側から膨れ出す。  いや、膨れるように見えた。黒い毛皮はそのまま黒い服になり、四肢はタイツと袖に変わる。 黒猫の顔から水色の髪が生え、髭も尻尾も引っ込んでいって、目の前で黒猫のレンは見る見る うちに――少女のレンに姿を変える。  俺と琥珀さんが見守る中、レンは――水色の髪の可憐な少女に転じていた。
 ……というか、まずいっ、黒猫のレンの正体が琥珀さんにバレるっ!  俺は思わず駆け出し、琥珀さんの視界からレンを隠すように間に立ちふさがる。  俺はだらだら脂汗を流しながら必死に弁明に努めるが…… 「いいやあああれだ琥珀さんこれは違うんだわけがあるんだ琥珀さんだから……」 「……あれー、志貴さま、何を慌てているんですかね?」 「いいいいやそのこのレンは黒猫であってこんな女の子じゃないしこれはなにかの間違いで」 「へぇ、レンちゃんって言うんですか、その娘ー」  ……しまった、墓穴。  俺は大慌てでレンを振り返るが、レンは……黒猫に戻らず、石畳の上で横たわって眠ってい る様に見える。俺の顎から垂れてきた汗が、ぽたりと落ちる。  俺は口をぱくぱく動かして何かを言おうとするが、言葉にならない。喉に生唾を何度も飲み 込み、体の中で暴れる心臓のままに動揺していた。 「……やっぱり普通の猫ちゃんじゃないと思ったんですけども、よもや……」  琥珀さんは感慨深そうに頷くと、言葉を続ける。  俺はレンの前に立ちながら、言葉を待つ。 「こんな志貴さんに可愛い愛人がいただなんて……びっくりしましたよー」 「ここここ、琥珀さん!その愛人というのはその一体!」 「志貴さまも隅に置けませんねぇ、あんなに素敵なアルクェイドさんやシエルさんとおつきあ いしながら、こんな子供にまで手を付けるとは……」  琥珀さんはしたり顔で頷き、俺に人の悪い笑顔を送ってくる。  俺はというと――琥珀さんの「愛人」の一言に困惑しきっていた。違うんだ琥珀さん、レン は俺の愛人じゃなくて俺の契約した相手だというか、その……  頭の中で弁明をまとめようとするが、今の俺の頭でまとまるもんじゃない。  だが、そんな俺に琥珀さんは畳みかける。流石割烹着の悪魔と恐れられたことだけはある。 「秋葉さまに、志貴さんにこんな可愛らしい愛人が居るとご存じになったら……」 「ああっ、琥珀さんっ、それだけは勘弁っ!」  俺は飛び上がって琥珀さんに叫ぶ。  琥珀さんは俺の反応を見越していたように、大声にもたじろがずに袖を口元に当てて笑って いる。秋葉にレンのことが知られたら、只じゃ置かない――もっとそもそれはレンにではなく、 俺に対しての処遇が、であるが。  秋葉に三股掛けていると誤解されたら、座敷牢じゃ済まないだろうな。  とりあえず、俺は手を振り誤解を払おうと努力する。 「それに、流石にこんなちっちゃい娘に志貴さまがあんな事やこんな事をされるかと思うと……」 「そっ、それも誤解だっ、レンはその、ただ……俺が……」  俺はなんとかレンと自分の関係を、誤解無く平易に説明する言葉を探す。  だが、俺の口から漏れたのは――言葉ではなく、掠れた息だけだった。  俺が一人真っ白な脳裏のままでうろたえ立ち尽くし、琥珀さんも俺の挙動を伺っている最中、 運悪く――それはやってきてしまった。           §              § 「……姉さん、志貴さま……何を為されているのですか?」  屋敷の通用口からやって来たのは翡翠であった。さっき鞄を渡してから、戻ってこない俺を 捜しに来たのだろう。少し前だったら翡翠の登場は有り難かったが、今の状況では到底喜べな い。  なにしろ、ここにいるのは俺と琥珀さんと、床の上に横たわるレン。  猫のまま寝転がっていても奇妙だろうが、レンは少女の形態だから翡翠の目にどう映るのか。 「や、やぁ、翡翠、その、これは……」 「あら、翡翠ちゃん」  琥珀さんは振り返って翡翠を見やる。だが、その横顔に一瞬走った悪戯を企む色を俺は見逃 さなかった。しかし哀しいな、見逃さなくても何かが出来る訳じゃない。  すでに場の主導権は琥珀さんに握られているのだから。 「見て下さい、翡翠ちゃん?」  琥珀さんは翡翠を手招きしながら、するりと俺の脇を潜ってレンの元に至る。黒い洋服姿の レンの脇に手を差し込むと、小さなその少女の身体を持ち上げる。
 レンはされるがまま、琥珀さんに引き上げられる。まだレンの瞳は閉ざされたままだった。 「この娘はレンちゃんと言って、志貴さまと付き合われているそうで――」  琥珀さんが何でも無いかのようにさらりと爆弾発言を――  ――俺は青ざめておののき
 ――翡翠は俺の目にも見えるほど、動揺に身体を振るわせる。  翡翠は俺とレンを交互に眺め、警戒の解けない様子で腕を身体を守るかのように掲げると…… 「志貴さま……一つ不躾ながらお尋ねさせていただいてもよろしいでしょうか」  翡翠は俺に質問してくるが、身体は俺から僅かに逃げている。  俺は、もはやどうにでもなれ、とばかりに頷いて答える。翡翠は俺の素振りを見て話を続け る。 「今まで志貴さまとお付き合いされているのはアルクェイド様とシエル様だと思っておりまし たが、そちらの方は……どのような位置づけになるのでしょうか?」 「…………その前に一つ聞いて良いか? 翡翠」 「はい、志貴さま」  俺は深く深く溜息を吐くと、今まで密かに聞きたかった質問を翡翠に投げかける。  翡翠や琥珀さんの誤解を解くためには、まずこの段階から始めないと…… 「まずそこのレンのことは置いておいて。  ……アルクェイドや先輩を、翡翠は俺のいったい何だと……」 「いやですわー志貴さまー、世間に疎い翡翠ちゃんにそんなあからさまな質問はー、お姉さん 思わず赤面しちゃいますー」  俺の質問を横取りして、レンを縫いぐるみのように抱えていやんいやん、を身を捩る琥珀さ ん。  琥珀さんを実力行使してでも止めねば……と思っていると、翡翠はひどく落ち着いた口調で 答える。 「……どちらがどちらとは申しませんが、志貴さまの」 「俺の?」 「志貴さまの正妻とお妾になられる方かと」  ――き、聞かれてないよな、これ  俺は恐ろしく不穏な翡翠の言葉を聞いて、思わず左右を見回してしまう。正妻はいいが、妾、 の一言を聞いたらアルクェイドも先輩も俺のことを只じゃ済まさないだろう。喩え俺にその気 がなくても。  先ほどの琥珀さんの追求の時とはまた違った、粘っこい脂汗が流れる。だが、そんな俺のこ とを気にしたかしないか翡翠は…… 「どちらにされても、志貴さまの奥様には誠心誠意尽くさせていただきたいと……」 「わかった、翡翠、もうそれ以上言うな、頼むから」  翡翠の言葉を遮って、俺は話を何とかレンに戻そうとする。  このまま翡翠が喋り続けると、余人に聞かれればそのまま暗殺されかねない内容を口にしか ねないのだから。 「では、私と翡翠ちゃんは志貴さまの愛人兼使用人ということで……」 「琥珀さんもそう、秋葉に聞かれたら余命が半日になることを口にしないっ!  今のすべき話題はレンでしょ、そこの……」  俺は無理矢理話をレンに据える。
 指さす先には琥珀さんに抱えられたレンがいる。まだ瞼を閉ざして、ある意味幸せそうな顔 で眠っている。こうやってみると無邪気で可愛らしいが…… 「そうそう、先ほど志貴さまはこのレンちゃんがどういう関係なのかをご説明されようとされ ていましたけど……実際のところ、どうなのでしょうかねー」 「……ご説明いただければ、私もそちらの方のお世話をさせていただきたいかと」  ……うっ  俺の目の前には、琥珀さんと翡翠によって二倍になったプレッシャーを感じる。そうだった、 レンのことを説明しないといけないんだった。でも、どうやって?  元々アルクェイドの使い魔で、俺が事故にあったときに知り合った娘で、普通は猫の姿だけ ど夢魔で……一体何と言えば良いんだ?  わからない 「俺は……レンの……」  あの日の契約。衰え行く夢と存在を繋ぐため、レンは俺の…… 「ご主人様なんだ」  ――そういうことになるんだよな  俺は何でこの言葉を口にしたのか、よくわからなかった。  だけど、この言葉しか俺には思いつく言葉がなかった。  琥珀さんは不思議そうな顔で、きょとんとしている。  翡翠は一瞬驚いたが、すぐに平静の顔色の戻って―― 「志貴さま」 「……なんだい、翡翠」 「その娘は……新しい使用人なのですか?」  ………………………………………………………………なんだって?  わからない。  なにが、というと翡翠の思考が何がどうなってそういう結論になるのか。  いや、それは単純なのかも知れない。俺に仕える人間はみんな使用人である――翡翠の世界< 観ではそう言うことになって居るんだろう。  喩えそれが、この見た目が一〇歳ぐらいの少女であっても、例外なく。  ……助けてくれ  俺は頭を抱えてうずくまりたい衝動に駆られていた。  レンのミルクに薬を盛る琥珀さんも琥珀さんだけど、なんだってレンを使用人と見る翡翠の ことも……もはや弁明とか弁解とかは、ヒマラヤの向こうを越えた理想郷シャングリ・ラのご とく遠いところにある。 「……いや、その、翡翠……」 「あ、それは良い考えですねー翡翠ちゃん」  冷汗三斗の俺を差し置いて、伸び上がる嬉しそうな琥珀さんの声。  琥珀さんはひょい、とちっちゃいレンを持ち上げてはしゃいでいる。 「この娘がお屋敷のお仕事を手伝ってくれるのなら、翡翠ちゃんのお仕事も楽になりますねー」 「よもや志貴さまがご自分で使用人を選ばれるとは思いませんでしたが、ご意向が左様であれ ば喜んで。私の昔の仕事着ならレンさんにも合うかも知れませんし」 「じゃ、早速部屋に行きましょう?秋葉様には私が申し上げておきます」  俺を置き去りにして、トントン拍子で話は進んでいく。  俺は、眼を見開き、付いていけないこの双子姉妹の会話に割り込もうとするが…… 「いやその、琥珀さん、翡翠、それは……」 「この娘だったらきっとメイド服が似合いますよー」 「まずは志貴さまのお世話のお手伝いをしていただくことになりますね」 「レンはあの、見てのとおり人間じゃないんだけど、なぜに使用人に」  変身の光景を直視していない翡翠はともかく、琥珀さんまで疑問に思っていないというのは 変だ。というか、まずそのことを驚いてしかるべきなのに。  だが、俺の指摘に琥珀さんは動じた様子を見せはしない。 「だって志貴さま?秋葉さまも厳密に言うと普通の人間じゃありませんし、アルクェイドさん やシエルさんだって似たようなものですから、喩えこの娘の正体は猫であっても驚きませんよー」 「……そ、そういうものなのか?」  呆気にとられる俺。 「いずれにしても、志貴さまにお仕えするのに重要なのはその心がけです。  ゆえに志貴さまが見込まれたこのレンさんであれば、喩え人外であれ志貴さまを主人と扇ぐ 心が有れば立派な使用人にこの翡翠が育て上げて見せます」  胸を張って断言する翡翠。  俺はいったい、この奇妙な確信と自信に満ちた翡翠になんと言えば良かったのだろう?  わからない。< 「それでは夕食の時に、使用人姿のレンちゃんをお披露目しますので、楽しみにしていて下さ いね」 「では参りましょう、姉さん」             §              §  時は夜。珍しく秋葉に加えて犬猿の仲であるアルクェイドとシエル先輩が一堂に会している。 普段ならこの三人を集めれば口論や小競り合いの一つもあるのだが、今日だけは話が違った。 皆一様に黙り込み、その後継を眺めていた――もちろん、俺を含めて。 「はい、皆様お茶ですよー」 「アルクェイドさま、シエルさま、こちらをどうぞ」  琥珀さんが朗らかに笑い、翡翠はしかめつらしくカップを給仕する。  そして、二人に加えて……ちいさな黒のワンピースに白いエプロンもまぶしいレンが、クッ キーの盛られた皿を持って俺たちの周りを回っている。 「…………………………」  レンは無言で皿を秋葉やアルクェイドに勧める。  俺はカップを握り、震えながら――逃れようのない弾劾の鉄槌を待った。 「レン……な、なんでこんなことしてるの……?」  レンの前の主人であるアルクェイドは、目を丸くして驚いている。 「……め、珍しい趣向ですね、遠野くん……」  クッキーを摘みながら、先輩も動揺の色を隠せない仕草でお茶を飲む。 「……兄さん、これは一体どう言うことなのですか?」  最後に、驚きよりも怒りの色の方を感じる秋葉のキッとした声。 「……聞くなっ、聞かないでくれっ、お願いだーかーらーっ!」                          《おしまい》 《あとがき》  どうも、Moongazerの屋根の上のSS書き、阿羅本です。  世間様では大人気のレンですが、私はレンを書くのがさっちんを書くぐらい苦手でして…… 書こうと思うとつい琥珀さんに一服盛らせてしまうのです(笑)。レンファンの皆さんごめんな さい、でも遠野家最強の琥珀さんの前にはレンも志貴も赤子の手をひねるがごとくー(爆)  ちなみに琥珀さんがレンを「視える」ということは、公式設定にもなにもありませんが、巫 浄の血筋がある程度薄まった琥珀や翡翠なら見えていてもおかしくないし、鬼種の秋葉は皮膚 感覚で分かるだろうなぁ、という推測でやっております。というか、面白ければなんでもあり ということで(笑)  あれですね、壊れ気味の翡翠が話をまとめてくれたので大助かりでした。  琥珀さんもなかなか黒く書けましたので、個人的には大満足です。  ……レンはあの、こんなことになっていますけども(笑)。  このようなSSですが、お楽しみ頂けたので有れば幸いです。  拙作を掲載いただいたしにをさんにも感謝いたします。  でわでわ!!   
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