市販の頭痛薬が効かない

 小さい頃から頭痛持ちでずいぶんと頭痛薬のお世話になった。バファリンは常備薬だった。ところが20代後半ころからたまにズキンズキンとした頭痛があり、頭痛薬が効かないことが多かった。それが年々回数が多くなり頭痛が始まるとあまりの痛さに立っていられなくなったり目が痛んだりと単なる頭痛でない様相となってきた。当時はスノーボードも全盛期だったので転んで頭を打ったり首を違えたりしたので整形外科的な鞭打ちのようなものが原因かと思った。しかし、肩はこっているものの揉んでも暖めてもその頭痛はやってくるのだった。

症状は悪化の一途

 30代になると毎週のように痛みは週末にやってきた。予兆は必ず目が痛くなる。その後激痛が襲ってくる。この頃妻が妊娠しておりだいぶ心配をかけた。このようなことでは離婚の危機さえあると思った。毎回痛みの後に脳外科に行くもCTを撮ったり、MRIを撮っても脳には異常なし。診断されるのはいつも緊張性頭痛ということだった。そんなことで暖めたり肩こり薬を使ったりとこりをほぐすように勤めたが一向に改善しない。

原因不明の頭痛=偏頭痛?

 その後メガネの度が合わないからか?と眼科で視力を測定してメガネの最処方をしてもらって新しい度になったがこれも違う。考えられる可能性が完全に消えた感だった。
 十二指腸潰瘍で通っていた医院の待合室に新型偏頭痛薬のポスターが張ってあった。「どんな頭痛薬を飲んでも効かないです」と先生に相談したらそれを処方してくれた。「イミグラン」という薬で1錠¥300位する超高価な薬だがあの痛みがなくなるならそれに越したことは無いと思った。しかし、症状は更に悪化してきて悪寒や脂汗、手の震え、嘔吐を伴うようになった。目が痛み始めて「さあ、来た」と飲むと嘔吐で薬が出てしまう。これでは薬が吸収されずにまったく効かない。

手詰まり感・インターネットの頭痛サイト

 この頃になると月に2回くらい週末に激しい発作が起こっており家族で出かけて帰ってくる途中で症状が出始めて家に帰るともう手がつけられない状態になったこともあった。30度以上の気温なのに寒くて震えが出たり、震えてるのに大量の汗が出ているし、光がまぶしくて目を開けてられない。寝ていても座っていても頭が割れそうに痛くてのた打ち回っている。それに激しい嘔吐。どうみても尋常じゃない状態だ。そんな時妻は子供を連れて遊びに出てくれていた。発作中は精神的にもイライラしたりしてむしろ一人にしてもらったほうが良いのである。でも、このままでは家庭崩壊か?でも、ある程度頭痛の決まった特徴的症状パターンが出てきたのでインターネットの頭痛サイトを調べてみた。セルフチェックによると典型的な偏頭痛だった。緊張している平日にはなく開放された休日になると発作が起こるというのはまさにそれだった。偏頭痛を見てくれるというお医者さんのリストもありどこかで診断してもらおうと思った。サイトで見るに今までの頭痛対策はまったく正反対のことだっったことが判明した。血流が阻害されて起こる緊張性頭痛と違って偏頭痛は脳の血管が拡張して神経に触れるため冷やしたほうがよくコーヒーなどのカフェインも効果があるらしい。薬も脳の血管を収縮させるタイプのものだ。イミグランは吐き気を伴うような私にはあまり効果がないらしかった。

ようやく対処法が見つかる

 ある日曜日に発作が起こりたまたま近所の循環器系の医院が当番医だったのでそこに運んでもらった。吐き気止めや点滴をしてもらってまた新手の「レルパックス」という偏頭痛薬を飲ませてもらった。そうしたらまもなく良くなった。今までの症状を先生に告げると「やっぱ典型的な偏頭痛だね」と言われた。今度のレルパックスという薬は吐き気を伴うような偏頭痛に効果があり脳の血管を収縮させる効果があるという。「症状が出たらすぐ飲んでね」と先生に言われて薬を処方してもらった。

今でも月1回以上発作が起こる

 レルパックスを処方してもらって24時間持ち歩き、偏頭痛独特の目の痛みを感じたときにすぐに飲むようにしている。発作が本当に起ころうとしているときは薬の効果は抜群にいい。飲むとしばらくして目の前がふらふらして異様に眠くなり起きているのが辛いくらいになり少々精神的にもイライラしてしまうがなんかこう酒に酔っているような感じになり(いわゆるハイになるとはこういうことか?)次第におさまってくる。しかし、毎月6錠千何百円というのは高価であるが発作が起こるよりはましである。ここ数年本当に健康であることのありがたさを知るに至りました。薬を飲まなくてもよくなる日が来るのであろうか?

*この症例や対処法、薬のことなどは私本人のものであり個人によって異なるものと思われます。症状が出た場合は専門のお医者さんに相談されることをお勧めします。特に頭痛は重大な病気であることがあり処置を誤ると死に至ることもあります。
私の友人も何人か脳の病気によりなくなっています。頭痛が続くときやあまりにも痛いときはとにかくお医者さんで検査を受けてください。これ以上大切な人を亡くさないためにもです。