そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.112 11月の読書 

 少し仕事を始めたら,どうしても時間の制約を受けるからこれまでのように読書が進まなくなった。本に囲まれているからいくらでも読めるだろう,というにはならない。また,教育図書や教科書ばかりだから,そうそう読む気にもならない。図書の整理は事務的に進めている。
 
 今月初めから向かっている『日本語語源の楽しみ』全5巻(岩淵越太郎著 グラフ社)がまだ読めていない。おもしろいのだが,一気に読むものではない。すべてが「@〜Cのうち,正しいと思う答えを一つ選ぶ」というもので,例えば次のような問題がある。
 三舎(さんしゃ)をさける @恐れて近づかない A見ないようにする B直接行動をつ
つしむ C困難なことをしない(第1巻151ページ)
 答えは@の「恐れて近づかない」であるが,「春秋左氏伝」から引いて解説がしてある。このような問題が2475項目挙げられている。易しいものはすいすいと行けるが,そうでないものも多い。まあがんばって読みとおそう。

『山陰の気象暦と潮汐』(日本気象協会中国支店)は,読書するという本ではない。自然現象をいろいろ見ていると,「これまではどうだったのかな」という疑問に当たることがある。例えば「初霜」,我が家の庭では11月20日に観測した。しかし,ニュースにはならなかった。11月23日にはかなり広い範囲で霜が降りた。多分これが鳥取での初霜になろう。この本で見ると「鳥取霜初日」12月1日(平年)となっている。今年はずいぶん早いことがわかる。鷲峰初冠雪も平年が11月22日であるのに対して,今年は11月9日。冬の訪れが早い。動物の初見日,桜などの開花日なども出ている。
 このように季節の動きを観察するときに使っている。私にとっては必携の1冊だ。去年は買わずに過ごしたが,やっぱりないと寂しいので2003年版を早々と購入した。
 ついでながら,来年は日食も月食も日本では見られないそうだ。珍しいことだ。
 
『きれぎれ』(町田康 文芸春秋)も本屋で見つけたものだ。「芥川賞受賞作」と腰帯に書いてある。はて,今年の芥川賞にこんなのあったかな,そう思いながら買って奥付を見ると,平成12年7月発行となっていた。2年前の受賞作ということだ。この店は新刊コーナーに2・3年前のものも入り混じっているらしい。何にしてもまだ読んでいなかったから暇を見つけて読むことにする。

 推理小説も並行して読むことにしよう。これまで買って読むことが多かったが,西村京太郎も内田康夫も中央公民館にかなりあるようだ。休みの日に行って借りて読むことにしよう。(2002.11.24)