そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.114 ティファニーでお茶(No113の続き) 

 松江フォーゲルパークの植物があまりに見事だったので,ストレプトカーパスを一鉢買った。家にも,ずいぶん前にどこかで買ったストレプトカーパスが一鉢あるのだが,姿がずいぶん違う。調べてみるといろいろ種類があるらしい。家にあるものはあまり元気がよくないので,うまく育てて二つともいい花を咲かせたいものだ。

 午後は,5キロほど松江よりのルイス・C・ティファニー庭園美術館に立ち寄る。パンフレットによると,「松江ウォーター・ヴィレッジ ルイス・C・ティファニー庭園美術館&イングリッシュ・ガーデン 『美』『食』『花』『遊』を満たす"夢"の里」とある。
 宍道湖を借景にしたイギリス風庭園,花の広場や植物園,ベーカリーとカフェ,そして,ティファニーの作品を中心にした美術館。全体で総合的な美術作品としてつくられているらしい。

 ルイス・カムフォート・ティファニー(1848〜1933)はアメリカの装飾美術家である。画家でもあるが,インテリア・デザインやステンド・グラスの領域が特に有名という。
 最初のガイダンス・ルームでは,日本美術がティファニーや同時代の西洋美術に与えた影響について解説してあった。もちろん日本の浮世絵や,アール・ヌーヴォーの作品もあるが,説明の文章が多く,読むのに時間がかかる。

 ティファニーの作品は,絵画,家具,ブロンズ,モザイク,窓(ステンド・グラス),シャンデリア,フロア・ランプ,アート・ジュエリーなど実に多くの装飾品を手がけている。そして,確かにガラスの装飾品は素晴らしい。
 松江とティファニーとどんな関係があったのかなかったのか知らないが,よくぞこれだけの作品を集め,美術館として公開したものだと感心した。

 庭園はちょっと寒くてゆっくり見ることができなかった。植物園はフォーゲル・パークの印象が強くて残念という感じ。お茶でも飲んで帰ろうとベーカリー&カフェに入る。チョコティーを味わってきょうの疲れを癒す。
 島根県立博物館までは来たことがあるが,こんないい見所があるとは知らなかった。鳥取県にも,公立の本格的な美術館ができればいいのに,と切実に思う。

 2時間あまりで帰れる予定が,少し遅くなってしまった。東伯町の信号の多いことがいつも気になる。自動車道建設云々も大切だが,このような国道のネックになっているところに焦点を当てた道路行政をしてもらいたいものだ。
 最後は愚痴になった,ご免。(2002.11.28)