そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.116 大型店 

 
 我が家の近くにホームセンターができた。その100メートルほど離れたところには,以前からあるホームセンターがある。
 食料品を中心にしたスーパーマーケットは浜村には一つしかないので,もう一つあっても競争して行けるかなあと思うが,ホームセンターが二つではやっていけないような気がする。ついでながらコンビニエンスストアは一つ,まあこれも,このあたりが限度か。

 このような大型店やコンビニエンスストアができて,我々消費者はずいぶん便利になった。ほしい品物は,あちらこちらの店を訪ねなくてもたいがいそろう。休日はないし,開店時間・閉店時間も消費者に便利に設定してある。品物も幅広いから,目的のものでなくても,ついでにこれも買っとこうかということもできる。

 田舎の子どもたちに「未来の〇〇(私たちの町)」で作文を書かせると,スーパーマーケットやコンビニがあったらいい,と訴える。そんな子どもたちの気持ちもわかる。彼らにとっては,このような店がある社会は夢の世界なのだ。
 この浜村にも昔は多くの個人商店があった。今ももちろんあることはあるのだが,私が知る限りでもずいぶん少なくなっている。

 スーパーやコンビニができたために,多くの小規模な個人商店が閉店の憂き目を見た。私の身近な人の中にも,店をたたまなければならなくなった例をいくつも知っている。家族や親戚の中に大きな悲劇が生まれたこともたくさんある。
 競争社会とはいえ,この不景気と,大型店舗に客を取られるのとが重なって,よほどの特色があるとか,専門的な技術を持っていないとやっていけなくなった。

 これは何も商店だけの話ではない。一時はかなりの名前をはせた浜村温泉の旅館街も,今は瀕死の状態である。そこには大型店の進出とは異なる問題がある。大型ホテルができたわけではないからだ。例えば旅館側の工夫の乏しさが上げられよう。古い体質の旅館のままでやって来たのではないか。
 また,町の無策ぶりも上げられよう。なんの新しい観光行政も進めてこなかったのではないか。温泉の集中管理はしたが,一体どこがよかったのか。町の国民宿舎も閉鎖に追い込まれている現実をよく考えて見なければなるまい。
 住民の側はどうだったのか。
 
 気高郡3町は結局鳥取市に編入合併が本決まりになりそうだ。せめてこの時期,この機会に,町の活性化について考えていきたいものだ。(2002.12.4)